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山動く




 「危機管理」という言葉を初めて知ったのは佐々淳行さんの本の中だった。佐々さんは元警察官僚。東大安田講堂事件、連合赤軍あさま山荘事件を現場で指揮し、初代の内閣安全保障室長を務めた。退職後、危機管理をライフワークとする天下の大浪人になると宣言、大きな事件があるとテレビでコメントしたり、危機管理の啓蒙を行っている。
 
 「アウトドアスポーツはリスクスポーツだ」という視点から、佐々さんの本を全て読んだ。佐々さんは勉強家で、それこそ歴史書から戦記まで研究し、読者に意味のある本を読むことを勧めている。ゼロ戦のパイロット、坂井三郎さんや、イギリスのチャーチル元首相、はたまた現役のアメリカ陸軍の将軍の本まで幅広く紹介していた。

 佐々さんが著書の中で紹介していた、「山動く W.G.パゴニス著」を紹介したい。第一次湾岸戦争時、アメリカ軍の後方支援(ロジスティック)の作戦指揮官、パゴニス中将の著書だ。

 パゴニス中将は言う。軍隊と会社は意外に似かよったところがある。人間を動かし、結果を得る。しかし決定的に違うところは「命がかかっていること」と言う。また高校出たての新兵が数千万円の国民の財産(兵器)を使い、パイロットにいたっては、桁が一つ、二つ上がるようなものを扱う、これらも一般の会社と違うところだという。

 欧米の遠征カヤッカーには軍隊出身者が多い。そして彼らは軍隊で蓄積したノウハウ、方法論を遠征に利用している。この本を読んでそのことに気が付いた。

 パゴニス中将は言う。「私は目標と目的をはっきり区別する。目標とはビジョンと計画のレベルで効果をもたらすもので、トップから降りてくるべきもので、定量化されるべきものではない。目的とは具体的で時に定量可能な手段を集めたもので目標を達成するために通るべき道筋である」と言っている。

 目標(ゴール)と目的(オブゼクション)。目的と言うと分かりずらいが、手段と思っておくと分かりやすい。遠征ではこの目的と手段をはっきり区別しておかないと失敗に終わることが多い。手段のために目標が犯され、自滅したりするのだ。目標をクリアするために手段があるのだから、手段が優先されてはならないのだ。単純なことなのだが、日本人はここで失敗することが多いように思う。

 この本の中には、人の動かし方(マネージメント)、危機管理のヒントが詰まっている。ぜひ読むことをお勧めしたい。

 「山動く」と、佐々さんの最新著書「後藤田正晴と12人の総理たち」をセットで、このブログを読んでくれている人(つたない内容で申し訳ない)にプレゼントしたい。
 早い者勝ち、当選者は1名のみ。送料無料。このブログの一番上にあるアドレスにメールを。一番初めに連絡をくれた方にプレゼントします。

追記 プレゼント、終了します。当選者決まりました。ありがとうございました。

コメント一覧

jogo
 しげさん ども。
 佐々さんの講演、いいなあ。講演を聞けなかった
のは残念。次回チャンスがあったら、ぜひと立候補
して聞いてみて下さい。そして、内容を教えて下さ
いね。
しげ
佐々さんは9月に福岡で開催した我社のITセキュリティショーでも特別講師として「危機管理」について講演いただきました。残念ながらお客様優先で身内は聴講出来ませんでしたが、歴戦のツワモノらしい濃い中味だったみたいです。
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