jogo式Canoe Life

岩地シーカヤックマラソン


 疾風のごとく、まくり立てるOC-2。オーシャンアスリート、荒木汰久治さんです。その横をぴったりマークするシングルのサーフスキー。サーフスキーを中心としたグループが通過した後、間を置いてシーカヤッカーがやってきたよ。先頭20%集団と、以降のシーカヤッカーは実に異質な存在。水と油だと感じました。
 危なっかしい選手を何人かサポートし、ほぼレスキューの仕事が終りました。そして僕は最後尾へ向けて漕いで行きました。すれ違う選手一人一人に、頑張ってください、ゴールの岩地はもうすぐそこです、と笑顔で声をかけていきました。どん尻3人目に知り合いの女性パドラーがいました。疲れたというようなことを言ってましたが、パドルはしっかり動き、目も生きています。スタート前、弱々しく「完走が目標です」と言っていましたが、もう大丈夫、きっと無事ゴールし、大きな自信を手に入れるでしょう。
 最後尾はかぼそく、弱々しいパドリングをしている女性でした。ゴールまでの、長い戦いが始まりました。雰囲気から、お父さんに連れてこられた高校生の娘?(後から分かったのですが、中学2年生!)かとその時は思いました。
 「ワタシ、ビリですよねえ」と聞かれました。僕は「ビリですねえ」と答えました。そして、「ビリだけど、手はしっかり動いている、必ずゴールできるから、大丈夫」と答えました。20分ほど併走していても、一度も手を止めず、弱々しくてもパドルは回っているのです。疲労困憊してアタマは真っ白でしょう。時速2km以下。むちゃくちゃ遅いですが確実に前進していました。
 シーカヤックにとって究極的に必要なこと、ご存知でしょうか?それを見せつけ、目の前で体現しているのが彼女でした。最も遅かったけど、最も価値のあるパドリングでした。シーカヤックにとって、エンジンはひとつ。あなたの身体だけです。どんなに遅くても、スピードが出せなくてもいいのです。パドリングを止めない。漕ぎ続けられる。これがシーカヤックの究極のパドリングです。
 トップ選手が1時間15分でゴールしているところを、彼女は4時間半かかってゴールしました。荒木選手はレースのチャンピオンだけで、あなたはシーカヤックのチャンピオン。粋な主催者の計らいで、表彰式の最後に「よく頑張った」と実行委員長から景品のお花をもらう彼女の姿に、目頭が熱くなるのでありました。


海は決して島と島を隔てるものではなく、島と島を繋ぐものだ。 ナイノア・トンプソン 
 

コメント一覧

jogo
ジェフリーさん 書き込みありがとうございます。
 僕もびっくり、どこかで見たことのあるカナック、すぐに思い出しました。いつの日か、聖地G-ベースを襲撃しますので、その時はよろしくです。
ジェフリー
http://lionblog.all-of-sudden.com/
jogoさん、初めてカキコミさせていただきます。
僕のカナックがjogoさんがWFKを訪問した際に修理されていたと聞き
状況がわかり面白かったです。
まさか岩地で対面となるとは!
今後ともよろしくお願いします。
jogo
 とみ~さん、お疲れ様でした。早かったですね、レース中の写真、ありますよ。うみうし四銃士の写真、そろってます。なんらかの方法でお渡ししますね。
とみ~
レースサポート、大変お疲れさまでした。お陰さまで、安心して安全で楽しいレースが出来ました。サポートの方々、岩地の方々に感謝感謝です。
本当に4時間半・・漕ぎ切るって凄いことですよね~
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