jogo式Canoe Life

死亡事故集計(2)

 今回の調査でとても希望が持てたのは、対策を立て直し、勇気を持って実行していけば死亡事故は減らせる。上手くするとゼロに近づけられるという確信を得ることができたことです。その道は長く険しいですが、データや過去のテキストが揃うことで、今まで見えなかった物が見えてきました。「できる」と断言できます。ですが、現状維持では残念ながら今までの傾向は変わらないでしょう。事故は毎年、しかも複数件起こる。今年もあと1-2件起こり、来年も4-5件起こるという状況がです。



 死亡事故はいつ起こっているのか。よく低水温の冬だとか、ゴールデンウイークだと言われていますが、これも誤りでした。いつでも起きます。季節に傾向はないように見えます。



 


 死亡事故の多発地域は沖縄です。沖縄の事故には3つのパターンがあることが分かりました。沖縄の方はよく研究をして下さい。



 事故の中に、正しい知識を持っていないと思われる人が複数見られました。真冬のアンダーとしてラッシュガードを着ていたり、PFDを着けていなかったり、長靴を履いていたり・・。事故はいくつかの要因、リスクが重なったエリアで起きます。1つづつリスクを消していく作業が必要ですが、そもそもリスク評価が欠落していたり、もっと言うと、安全管理自体が自分の視野に存在していない例も見られました。

 また死亡事故を起こした人は、以前からあの人は危ない、問題があると指摘されていた人物である場合もありました。問題は、そのことがほとんど本人に直接伝えられていないことでした。ここも大きく改善したいところです。勇気を持って本人に言っておかなければいけないことは言わないといけない。起こってからでは伝えようがないので。

 カヤッキングの安全に対して責任があるグループ、個人があると思います。こういった連中からまず第一歩を踏み出す。そうしないと、状況は好転しない。これが僕なりに考えた結論です。今が瀬戸際で、逃げるか、向き合って戦うか。どちらを選ぶかは一人一人のパドラーの手の中にあります。


字とファクトをロジックで繋いでいく。 出口治明
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