旅ねしあの話を聞いて、ノート2ページほどのメモが取れた。その中から、抜粋。
「その日の空を見、雨季なので安定していた。午後は漕げないくらいに荒れる。このパターンを漕ぎながら掴んだ。 旅ねしあ」
windyなどのネット上の気象予測は見ないのか?これは正確ですよね、の問いに対する彼らの返答。八幡さんがよく「空を見る」っていうんですよね。でも、僕は空を見て得られる情報はそんなに多くない、というかよく分からない。ネット情報は、そこに重心を置くと危ないと思ってる。毎日海を見てるけど、ネットの気象情報の確度は以前より落ちてきてるし、ここに軸足を置くと危険だと思ってる。海を見て、その場で変化を感じられる感性がないと危うい。ある程度海を見て予想が立てられるようになるには熟練を要するけど、今、海で一番頼れるのはこれしかないと思っている。
「カヤックはタイムマシーン 旅ねしあ」
これはなかなか含蓄のある言葉だ。どうもシーカヤック旅は、昔に帰れるらしい。
「ファルトに慣れていなかった。ファルトはどれだけできるのか分からない。スピードが出るのか?、海の上にいればいるほどリスクがる。 旅ねしあ」
なぜファルトボートでなく、なぜ分割シーカヤック?、の問いに対する回答。僕はファルト好きだし、ずいぶん乗ったけど、海でどちらか選べと言われたら・・。チョコっと漕ぐ分にはいいのですが、潮流の中を90kmの島渡りとなると、ファロトは選ばないだろうなあ(笑)。
「自分の子供たちへ。自然の中へ連れていく、ラジャ毛は剥ぎ取る、自然の怖さを知ってほしい、死なない程度に遠目で見守る、子供たちに役割を与え自信につなげる 旅ねしあ」
見守るって、一番難しい技術。どうしても手を出したり口を出したりしてしまうもの。見守るのは高度な技術。これができる人はカヤックにおいても、稀有な存在だろう。
俺もこんなに彷徨っているのだから一緒に彷徨およう 隈研吾