Shikoku Expedition day1

　昼になり、逆潮がきつくなってきた。岬ごとに急潮があり、潮に立てた釣り船の舳先がこっちを向いている。昼休みも兼ねて小さな漁港に上陸した。やけに古めかしいノスタルジックな雰囲気をかもす港だ。しかし上陸してびっくり。町中若いカップルだらけだ。四国の漁村はほとんど過疎で、こんな若い人たちをいっぺんにたくさん見て、目が回った。
　皆が歩いて方向に釣られて歩いて行くと、小高い丘の上のお寺にたどり着いた。そこから見える風景は・・。

　そう、僕はこの風景を以前映画の中で見たことがある。確かタイのバンコクで小さな映画館で見た「世界の中心で愛を叫ぶ」という映画だ。この町は、映画の影響でデートスポットになっているようだった。
　この映画を見たときの状況がさーと脳裏に浮かんだ。メコン河の遠征を終え、バンコクに戻ってきた。定宿近くのインターネットカフェに入り、yahooJapanを立ち上げると、トピックスの中に西表でカヌーの三人行方不明というタイトルが目に飛び込んできたのだ。今から3年前のこと。その日に小さな日本映画専門の映画館で見たのがこの映画だった。僕は一生この時のことは忘れないだろう。