Power of 10: 第1回

【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年8月7日】※『Power of 10』の初回を見た。最高賞金が1000万ドルという新クイズ番組だ。

司会を務めるのは『The Drew Carey Show』でお馴染みのDrew Carey。彼は超ロングランのゲーム番組『The Price is Right』の新しい司会者に抜擢されたばかりなので、そのウォームアップといったところか...と思ったら、これがなかなか面白い。（実際には『Power of 10』のパイロットがキッカケで『The Price is Right』の仕事が回って来たらしい。）

「power of 10」というのは数学の「10乗」のことで、そのタイトル通り（ちょっと違う？）、賞金額が10倍ずつ上がって行く。1000ドル→1万ドル→10万ドル→100万ドル→1000万ドルという具合だ。

最高金額の1000万ドルというのはもちろん前代未聞だが、たった5問でもらえてしまうというところも凄い。1人めの挑戦者がポンポン勝ち進んでしまったので、Drew Careyも「このペースだと予算がすぐに底を突いちゃって、シーズンを乗り切れなくなるかもしれませんね。今頃、プロデューサーたちは後悔してるんじゃないでしょうか？」とジョークを飛ばしていた。

こういう番組の司会者はアドリブが上手くないと勤まらないが、Drew Careyはかなりイケそうである。「正解を知らない」というのもプラスに働いているのだろう。

賞金額が大きいので、どんなに難しい問題が出るのかと思ったら、実はこのクイズ番組では何の知識も要求されない。逆に言えば、どんなに物知りでも、この番組では苦戦するかもしれない。『Family Feud (クイズ100人に聞きました)』を思い浮かべて頂くとわかりやすいが、要するに、アンケート調査の結果を推測するのである。ただし、調査対象は100人ではなく、全米に住む数千人（数万人？）という大規模だ。

＊CBS.comの番組紹介コーナーにある例題：

- How many Americans believe they are smarter than President George W. Bush?

- What percentage of Americans said they were virgins the day they got married?

最初は2人の挑戦者が同時にパーセンテージ（17％、35％、80％等）を推測し、数字が近かった方が勝つ。そして、先に3勝した方が本番に挑戦する。パーセンテージの推測はゲージを使うので見易い。

本番では第1問～第4問はピッタリのパーセンテージではなく、範囲を推測する。第1問は40％範囲（例えば7～47％、55～95％等）、第2問は30％範囲、第3問は20％範囲、第4問は10％範囲（3～13％、14～24％等）と、次第に難易度が上がって行く。

第1問～第3問では正解でも不正解でも答をすぐに教えてくれるが、第4問に正解した場合は正確なパーセンテージがすぐに明かされない。それをピッタリ当てるのが第5問なのである。第4問ですでに10％範囲（23～33％等）に絞られているので、第5問の正解率は11分の1だ。（あなたなら、どうしますか？）

不正解した場合、それが何問めであっても、賞金が10分の1に減らされ、その時点でゲーム終了となる。例えば、10万ドル（第3問）まで勝ち取った次の問題（第4問）に不正解だと賞金が1万ドルに減るという具合だ。なお、設問を聞いた後にリタイヤすることも可能。

『Who Wants to Be a Millionaire? (クイズ・ミリオネア)』や『Are You Smarter Than a 5th Grader?』や『Don't Forget the Lyrics』のようなバックアップ・オプションはない。その代わり、相談相手（1人）の意見をいつでも聞くことができ、会場にいる観客たちの推測も設問ごとにグラフにして見せてくれる。

あくまでもアンケート結果の推測なので、自分が想像するパーセンテージとは全く異なる数字が正解である可能性もあるというところにスリルがある。例えば、ディーゼル・エンジンの発明者をヴィン・ディーゼルだと答える人も意外と多かったりするのである。

ともかく、面白いので、一度ご覧あれ。

ちなみに、第1回は8/7（火）に放送されたが、第2回は翌日の8/8（水）放送で、以降は（水）のみの放送となるのでご注意を。


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