アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Ultimate Star Payback

2007年08月09日 | 映画
『Forbes』誌の「Ultimate Star Payback」レポート(今年が第1回)によると、コスト・パフォーマンスが最も良い俳優はマット・デイモンだそうです。

俳優
出演料$1あたりの収益 (*)
Matt Damon$29
Brad Pitt$24
Vince Vaughn$21
Johnny Depp$21
Jennifer Aniston$17
Angelina Jolie$15
Renée Zellweger$14
Reese Witherspoon$13
Ben Stiller$13
Sandra Bullock$13
Tom Hanks$12
Leonardo DiCaprio$11
Tom Cruise$11
Will Smith$10
Denzel Washington$10
Cameron Diaz$9
Adam Sandler$9
Will Ferrell$8
Jim Carrey$8
Nicole Kidman$8
Jennifer Lopez$7
Russell Crowe$5

* 最新3作品の劇場興行成績(世界全体)+DVD売上額(アメリカ合衆国内のみ)の合計から制作費を引いた収益俳優への報酬(前払い分を含む)で割ったものです。全て課税前の数字で、マーケティング関連の数字は含まれません。

マット・デイモンの$29という数字には『ボーン』シリーズのヒットが大きく貢献しています。ちなみに、最新作の『The Bourne Ultimatum』(8/3全米封切り=写真)は第1週末だけで7020万ドル(8月封切り作品としては史上最高)の全米劇場興行収入を挙げています。

次点のブラッド・ピット($24)の場合、アメリカ国外での人気が非常に高く、特に『Troy (トロイ)』では国外の興行収入が国内収入の3倍近くもありました。

ヴィンス・ヴォーンとジョニー・デップ(各$21)もスタジオ側にとってはなかなか効率が良い数字を挙げていますが、前者の平均出演料は後者の約半分らしいです。前者の場合、比較的低かった制作費(例えば『The Break-Up』の制作費は『パイレーツ・オブ・カリビアン』第2作の約20%にあたる5200万ドル)を十分回収できるヒット作が続いています。後者の場合、ここ3作の合計劇場興行成績(世界全体)が22億ドルにも達しています。

女優のトップがジェニファー・アニストン($17)というのはちょっと意外に思えますが、彼女の場合も『The Break-Up』等、低予算の作品が割とヒットしているためです。恋敵のアンジェリーナ・ジョリー($15)にちょっとだけ勝ってますね。

トム・ハンクス($12)、トム・クルーズ($11)、ウィル・スミス($11)といったビッグ・スターたちは制作費も出演料も高い作品が多いので、こういう割り算の調査では数字が低くなってしまうようです。

アダム・サンドラー($9)、ウィル・フェレル($8)、ジム・キャリー($8)といったコメディ系のスターたちの数字が低いのは高予算の割にアメリカ国内でしかウケない作品が多いためらしいです。

ラッセル・クロウ($5)の場合、3年連続オスカーにノミネートされていながら、その後の興行成績が芳しくありません。特に最新作の『A Good Year』は制作費がわずか3500万ドルながら、その3分の1が彼の出演料で、しかも世界全体で4000万ドルの劇場興行収入しか得られませんでした。

ハリウッドでは制作費を回収できさえすれば一応「成功」と見做されますが、今回の調査対象となった作品のうち、唯一、ジェニファー・ロペス($7)主演の『Gigli』(2003年)だけは大赤字だったようです。

それにしても、このレポートを見たマット・デイモンは今頃、「次からは出演料を倍増してもらおう」と思ってるかもしれませんね。


※元記事:
- Special Report: Ultimate Star Payback
- In Pictures: The Best Actors For The Buck
- Matt Damon declared Hollywood's biggest bargain
- 'Bourne Ultimatum' Breaks Records; Filmed earned approximately $70.2 mil in its debut


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2 コメント

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コメディは日本ではウケない? (伊藤正一)
2007-08-09 07:24:02
アメリカでは興業収益トップ10に入っても、コメディ映画は日本でまず当たらない、というのがもう常識化しちゃってますね。ウィル・フェレルの「タラテガ・ナイト」なんて、劇場公開もされないまま、即DVD行きですから。
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誤訳のせいもある? (ジョウ)
2007-08-11 04:50:56
伊藤さん、やはり、そうなんですか。「ユーモア感覚が異なる」とか言われてますが、特に風刺とかパロディになると、社会情勢がわからないと理解できませんもんねぇ。流行語やダジャレも翻訳が難しいですし...。

翻訳といえば、2年近く前に日本に帰国した折に機上で見た『The Wedding Crashers』の日本語字幕版に明らかな誤訳がありました。

「be big on ~」というイディオムを「~界の大物」と訳してたんです。これは「~に夢中/熱中している」という意味なのに...。
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