アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Supernatural 4-03 "In the Beginning"

2008年10月15日 | TV: Supernatural
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2008年10月2日】※『バック・トゥ・ザ・フューチャー』っぽい話。Mitch Pileggiがゲスト出演。

夜。モーテル。

サム・ウィンチェスターは兄ディーンが寝付いてから部屋を抜け出す。
外ではルビーの車がすでに待機していた。

※今回のサムとルビーの出番はこれだけ。2人が何をしてるのかは次回に判明。

ディーンは地獄の夢にうなされ、目を覚ます。
脇にいた天使カスティエルが「阻止せよ」と言い、ディーンの額に触れる。

気が付くと、ディーンは知らない街のベンチの上に横たわっていた。
電波が弱いのか、携帯電話が使えない。

ディーンは近くの食堂に入り、客の1人に「ここはどこだい?」と尋ねる。
客...若いハンサムな男は怪訝な顔をしながらも「カンザス州ローレンス市だ」と教えてくれ、ついでにコーヒーを奢ってくれる。
ハンサム男は親切だが、どうも話が噛み合わない。
ディーンの携帯電話を見ては「USSエンタープライズ」がどうとかと言うし、Sonny & Cherが別れた事も知らないのだ。

ディーンは店内を見渡し、客たちの髪型や服装が古臭い事に気付く。
ハンサム男の新聞を見てみると、1973年4月30日付になっている。
自分は35年前の世界にいるのだ。

店に入って来た新しい客がハンサム男に声をかける。
「よお、ジョン・ウィンチェスターじゃないか!元気かい?」
なんと、ハンサム男はディーンの父なのである。

外。

ジョンを尾行するディーンの前にカスティエルが現れる。
これは「現実」の過去だという。天使には時間旅行も可能なのだ。
そして、ディーンの使命は「ある出来事を阻止すること」だという。
...が、具体的に何を阻止すべきなのかは教えてくれず、姿を消してしまう。

「ったく、神とか天使ってのはこうだから困る」
文句を言いながら前方を見遣ると、ジョンが中古車を買おうとしている。
フォルクスワーゲンのヴァンである。
ディーンは歩み寄り、隣にある黒塗りの1967年型シボレー・インパラを薦める。
ここでヴァンを買われてしまったら、後の自分たちの冒険がシマらないものとなってしまう。

Dean: What are you buying that thing for?
Young John: [I] Kind of promised someone I would.
Dean: Over a '67 Chevy? I mean, come on, this is the car of a lifetime. Trust me, this thing's still gonna be badass when it's 40.

※VWヴァンは当番組の初期案の1つだった「魔物狩りキャラバン」的設定が「まるで『Scooby Doo』みたい」という理由でボツになった事に関するインサイド・ジョークか?

2人はあらためて自己紹介する。
ディーンは「ディーン・ヴァン・ヘイレン」という偽名を使う。

※ハードロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のデビューは1978年。

ディーンは「最近、何か不可思議な事は起きなかったかい?」と探りを入れるが、変な顔をされるだけだった。
当時のジョンはまだハンターではなく、魔物の存在さえ知らない平凡な青年なのだ。

夕方。キャンベル宅。

ジョンは買ったばかりのインパラで恋人を迎えに来る。
恋人の名はメアリー・キャンベル。ディーンとサムの母となるべき女性である。
ディーンは思わず、「弟よ、母さんは可愛い子ちゃんだぜ」とつぶやく。

Dean: Sammy, wherever you are, Mom is a babe.... I'm going to Hell. Again.

夜。食堂。

ジョンとメアリーは将来について話す。
2人は愛し合っているのだが、メアリーの父がジョンを嫌っているのだ。

やがて、メアリーは席を外す。
ジョンは指輪を手に取って眺める。プロポーズしようと思ってるらしい。

その様子を窓越しに窺っていたディーンのところにメアリーが出て来て、掴みかかる。
「なんで、あたしたちを見張ってるのよ!?」
彼女はかなり強い。明らかに戦闘の経験を積んでいる。
ディーンは攻撃をかろうじてかわし、相手の腕を押さえつける。
なんと、彼女の腕には魔除けのブレスレットが嵌められている。
母はハンターだったのである。

キャンベル宅。

ジョンはメアリーを家の前で降ろし、「じゃあ、またね」と走り去る。

John: See you later.
Mary: If you are lucky.

ディーンが物陰から出てきて、「ご両親に会わせてほしい」と頼む。
「ハンター同士、家族も同然だろ?」

Dean: I mean we're all hunters, right? We're practically family.

家の中。

メアリーはディーンを両親に紹介する。父はサミュエル、母はディアナという。
ディーンとサムの名前は祖父母から貰ったものだったのだ。

「ディーンもハンターなんだって」とメアリー。
サミュエルは「じゃあ尋ねるが、吸血鬼を殺すのに使うのは木の杭か、それとも銀か?」
「どっちでもありません。首を斬り落とすんです」

Samuel: Tell me, Mr. Hunter. You kill vampires with a wooden stake or silver?
Dean: Neither. You cut their heads off.

ディアナがホッとした顔をする。ディーンは試験に「合格」したのだ。
だが、サミュエルは「とっとと出てけ!俺は他のハンターを信用しねぇ」と素っ気ない。
ディアナは「まあ、夕食でも一緒にどうぞ」と取り持ってくれる。

ディーンはこの街に来た目的を訊かれ、口ごもる。
具体的な事はディーン自身にもわからないし、いきなり自分の素性を明かすわけにもいかない。
そこで、慎重に、「ジョンを『何か』が狙ってるんじゃないかと思いまして」と言ってみる。
サミュエルはジョンの名前を聞いたとたん、イヤな顔をする。

実はキャンベル一家も『仕事』の最中だった。トム・ウィルトシャーという農場主が怪死を遂げたのだ。
ディーンは「じゃあ、合同調査と行きましょう」と提案するが、退けられてしまう。

翌朝。ウィルトシャー農場。

サミュエルは牧師に扮し、メアリーとともに遺族を訪れる。
...が、やはり牧師に扮したディーンに先を越されていた。
結局、未亡人のベス・ウィルトシャーからは何の情報も得られなかったが、息子のチャーリーがデーモンらしき存在にアプローチされた事が判明する。
チャーリーは生前の父に虐待されていた。
1週間ほど前、見知らぬ男がフラっと現れ、「何か望みはないか?」と尋ねた。
チャーリーは「虐待がなくなってほしい」と答えた。
すると、男は「10年後に呼びに来る」と去って行った。
間もなく、トムが死んだ。
どうやら、チャーリーは自分でも気付かずにデーモンに魂を売ってしまったようだ。
しかも、男の目は黄色かったという。

そのデーモンは後に、赤ん坊のサムに自らの血を与え、メアリーを殺すことになる「黄色い目のデーモン」ことアザゼルに違いない。
カスティエルがディーンに「阻止しろ」と言ったのはこの事だったのだ。

キャンベル宅。

ディーンは特製コルト銃の使用を提案する。サミュエル・コルトが密かに遺した「何でも殺せる」拳銃のことである。
ダニエル・エルキンズというハンターが持っているはずだ。
今、アザゼルを倒せば、両親も死なずに済むし、サムの血も穢される事はなくなる。

ディーンはジョンのジャーナルを見せる。
それにはアザゼルが関わった事件のリストが載っており、ウィルトシャー農場事件の次の犠牲者はリディ・ウォルシュとなっている。
「起こったばかりの事件がなぜ、もう載ってるんだ?」とサミュエルは訝しがる。
「父には予知能力があったんです」とディーンは答える。
だが、それだけでは説得力に欠けたようだ。
結局、ディーンは1人で出かけることになった。

出掛けに、ディーンはメアリーに「君のお父さんが何と言おうと、あのジョンって奴はイイと思うぜ」と言う。
ジョンとメアリーは一緒になる運命にある...いや、なってくれないと、ディーンとしては困る。

Dean: For what it's worth, umm... it doesn't matter what your dad thinks. I like that John kid.
Young Mary: You do?
Dean: Yeah. Yeah, I think you two are meant to be. Hell, I'm depending on it.
Young Mary: What?
Dean: Nothing.

ジョンは魔物狩りとは縁のない、優しい青年だ。だが、メアリーにはそれでいいのだという。
「彼、あたしにプロポーズしようとしてるようなの。イエスと答えるつもりよ」
メアリーはハンターとしての暮らしがイヤで、たとえ家出をしてでも、平凡で安全な結婚生活を送りたいと願っている。
自分の子どもたちには決してハンターになんてなってほしくない。
ディーンは「すごく変に思うだろうけど、1つ約束してないか?」と頼む。
「1983年11月2日、何があろうとも絶対に寝床を出ないこと」
それはもちろん、母メアリーがアザゼルに殺された日である。
父ジョンも、その日を境にハンターになったのだった。
メアリーはワケがわからないまま、約束する。

夜。ハイウェイ。

ディーンはエルキンズの家に向かって車を走らせる。
カスティエルが助手席に現れ、尋ねる。
「未来を変えたら、君たちが救った全ての人が死ぬ事になるんだぞ」
もちろん、それが気にならないわけはないが、両親の命には替え難い。

エルキンズの山小屋。

ディーンが特製コルト銃を見つけたところで、家主のエルキンズがショットガンを向ける。
ディーンもコルト銃を構えながら、「2~3日だけ貸してほしい」と頼む。
睨み合いの末、エルキンズは承諾する。

キャンベル宅。

サミュエルはメアリーに「ディーンはリディ・ウォルシュを狙ってるデーモンを倒すつもりだそうだ」と明かす。
リディといえば、メアリーの友人である。
「あたしも助けに行かなきゃ!」

ウォルシュ宅。

父親の往診に来てくれたブラウン医師がリディに妙な話を持ちかける。
「お父さんを救ってあげるかわりに、10年後にある物をくれないか?」と言うのである。
その目が黄色く光る。アザゼルに憑依されているのだ。

そこにサミュエルが現れ、ブラウン医師を撃つ。
...が、全く効果がない。普通の弾丸は通じないのだ。
アザゼルは銃を奪い、念力でサミュエルを釘付けにする。
メアリーがナイフで攻撃する。
アザゼルはそれを避け、逆にメアリーを押さえつける。
その時、アザゼルはメアリーに特別な興味を覚えた様子だ。

ディーンがようやく到着し、特製コルト銃を向ける。
アザゼルは隙を見て、ブラウン医師の身体から抜け出す。
チャンスを逃してしまった。

メアリーが出て行った後、ディーンはサミュエルだけに真相を話す。
自分がメアリーの息子で、つまり、サミュエルの孫に当たる事。
今夜がまさに、アザゼルがメアリーに目を留めた時で、このままにしておけば、10年後にメアリーが死ぬ事。

外。

メアリーはジョンに「今すぐ、駆け落ちしましょう」とせがむ。
もう、ハンター生活はコリゴリだ。父が何と言おうと、知ったこっちゃない。

ウォルシュ宅。

サミュエルとディーンはジョンのジャーナルをチェックしながら、作戦を練る。
ふと、サミュエルは「そのコルト、ちょっと手に取らせてくれないか?」と言う。
ディーンが拒否すると、サミュエルの目が黄色く光り、念力でディーンを壁に叩きつける。
いつの間にか、アザゼルに憑依されていたのだ。

アザゼルは「おまえには超能力はないようだが、それなら、弟か妹でもいるんだろう」と見抜く。
アザゼルは超能力者を生めそうな若い女性を見つけては、その命や操ではなく、「10年後にある事を行う許可」をくれるよう、約束させているのだ。
「ただし、天使が関わっているとなれば、痕跡を残さないようにしないとな」
「何をどう隠そうと、俺がおまえを殺すことに変わりはない」
「そりゃあ、楽しみだ」
「今日はダメかもしれないが、この目をしっかり見ておけよ。おまえを退治するのは俺なんだからな」

Azazel: All those angels on your shoulder. No, I'm gonna cover my tracks good.
Dean: You can cover whatever the hell you want. I'm still going to kill you.
Azazel: Right. Now, that I'd like to see.
Dean: Maybe not today. But you look into my eyes, you son of a bitch, 'cause I'm the one that kills you.

この会話の間、ディアナが物陰から這い出し、少しずつコルト銃に近付いていた。
ディーンはそれと知り、アザゼルの気を逸らそうと話を引き延ばしていた。
だが、アザゼルが自分の宿主であるサミュエルの腹にナイフを突き立てると、さすがのディアナも悲鳴を挙げてしまう。
ディアナは念力で首を折られ、即死する。
ディーンはコルト銃を手に取り、アザゼルの後を追う。

外。

ジョンはインパラを停め、婚約指輪をメアリーに差し出す。
その時、サミュエルに憑依したアザゼルが現れ、メアリーを車から引き摺り出す。
何も知らないジョンは間に割って入ろうとする。
アザゼルがジョンの首を折る。一瞬の出来事だった。
ジョンはあっさり死んでしまったのである。

アザゼルは腹の傷をメアリーに見せる。宿主のサミュエルが致命傷を負っているのは明らかだ。
憎しみに打ち震えるメアリーに、アザゼルは「契約」を持ちかける。
「ジョンを蘇らせてやる代わりに、10年後にある事をする許可をくれ」
具体的な事は明かさず、「邪魔が入らない限り、誰も怪我せずにすむだろう」というだけだ。

ディーンが到着した時、アザゼルとメアリーはすでにキスをしていた。
「契約」成立である。
ディーンはコルト銃を構える。
...が、アザゼルはすぐにサミュエルの身体を抜け出し、いなくなってしまう。
またもや、逃してしまったのだ。
サミュエルもすでに息絶えている。

ジョンが息を吹き返す。
カスティエルがディーンを現代に連れ戻す。

夜中。モーテル。

カスティエルがディーンに「運命を変えるのは不可能なのだ」と言ってのける。
ディーンを過去に送ったのは「真実を学ばせるため」だった。
もっとも、天使たちにも「アザゼルの最終目的は不明」だという。
アザゼルは確かに、痕跡を上手く隠したのだ。

それにしても、サムはどこに出かけてるのか?
カスティエルはディーンにサムの居場所を教え、警告する。
「君の弟は危険な道を歩んでいる。その果てに何があるのか、我々にもわからないが、君の手で阻止するのだ。さもなければ、我々が手を下さざるを得なくなる」

Castiel: Your brother is headed down a dangerous road, Dean. And we're not sure where it leads. So stop it. Or we will.


*本文中で省略した名言・迷言集

Dean: What is this?
Castiel: What does it look like?
Dean: Is it real?
Castiel: Very.
Dean: Okay, so what... angels got their hands on some DeLoreans?
※DeLorean(正確にはDeLorean DMC-12)は劇場映画『Back to the Future (バック・トゥ・ザ・フューチャー)』シリーズのタイムマシンとして有名だが、実在する車種。Pontiac GTO等の設計者として知られるJohn Z. DeLoreanが興したDeLorean Motor Companyによって製造・販売されたが、同社が経営難等によって短期間で倒産したため、これが唯一の車種となった。

Dean: So what, God's my co-pilot, is that it?
※第二次世界大戦中に米国空軍で活躍したRobert Lee Scott Jr.の自伝『God Is My Co-Pilot』のこと。映画化もされた。

Dean: What about the rest of the town? Did you find anything on the web?
Samuel: (怪訝な顔をする)
Dean: Of... information that you have assembled.
Deanna: Electrical storms, maybe. The weather service graphs should be here on Friday.
Dean: By mail?
Samuel: No, we hired a jetliner to fly them to us overnight.
※「the web」はインターネットだが、当時の人たちが知ってるわけがないと気付き、「the web of information」(情報網)に言い換えた。最後のサミュエルのセリフはあくまでも皮肉で、実際にジェットライナーを手配したわけではない。

Samuel: (Maryのこと) She wants to hunt. She doesn't want to hunt. Is this some female "time of the month" thing?!
Deanna: (睨む)
Samuel: What?
※「月経」のこと。

The Yellow-Eyed Demon (Azazel): Demon blood is better than Ovaltine, vitamins, minerals.... It makes you big and strong!
※「Ovaltine」は粉末麦芽飲料のブランド。

Samuel: You're Little Orphan Mary now.
※Harold Gray作のコミック『Little Orphan Annie』(1924年~)にかけたもの。同作は『Annie (アニー)』という題名でミュージカル舞台劇や映画にもなっている。

Samuel: The U.S.S. Enterprise?
※ディーンの携帯電話がTV番組『Star Trek (スタートレック~宇宙大作戦~)』(1966~1969年)のUSSエンタープライズ号の乗組員たちが使う通信装置に似ているところから。


*音楽
- "Ramblin' Man" by The Allman Brothers


*その他のトリヴィア

* 『In the Beginning』というタイトルは旧約聖書の『創世記』冒頭(『Genesis 1:1』)の「In the beginning God created the heavens and the earth.」より。

* 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも過去に跳んだ主人公が食堂で若き日の父親と出会う。

* リディアの家を訪れる医師の名前(Dr. Brown)は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのブラウン博士(Doc Brown = Christopher Lloydが演じた)へのオマージュだろう。

* 今回、ディーンの誕生日が1979年1月24日だとわかる。

* Mitch Pileggi(ミッチ・ピレッジ)といえば、『The X-Files (Xファイル)』シリーズ(TV&劇場映画)のWalter Skinner(ウォルター・スキナー)副長官役が有名。当番組のスタッフにも『Xファイル』出身者が多いが、今回は『Xファイル』ネタはなし?


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