アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Supernatural 4-04 "Metamorphosis"

2008年10月21日 | TV: Supernatural
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2008年10月9日】※一見、普通の男が成長して怪物に変わる?

夜中。山小屋。

サム・ウィンチェスターとルビーが椅子に縛られた男(デーモン)を尋問する。
リリスに関する手掛かりを得ようとしているのだ。
だが、デーモンは非協力的で(そりゃそうだ)、何も有益な情報は得られない。
サムは超能力を使い、デーモンを男の身体から追い出す。
男は我に返る。彼の身体は大丈夫だった。
サムがルビーに「頭痛はなくなったよ」と言う。

その様子をずっと窓の外から見ていたディーン・ウィンチェスターが飛び込んで来て、説明を求める。
彼が地獄から戻って来た際、サムは「超能力はずっと使ってない」と言っていたではないか。
それなのに、一体、どういうわけなのか?
ディーンはサムと一緒にいる女にルビーが宿っている事を知り、さらに怒る。
サムとルビーは数ヶ月にもわたり、こうしてデーモン狩りを続けていたのである。
カスティエルが言っていたのはこの事だったのだ。

モーテル。

サムは「超能力でデーモンを祓えば、ほとんどの宿主は死なずにすむんだ」と弁解する。
だが、ディーンに言わせれば、サムの行為はモンスターのそれと紙一重だ。
やり過ぎないよう、注意を払っているというが、それは麻薬中毒者やアル中のセリフと変わらない。
「もう、すでに行き過ぎだ。おめぇが知らねぇ奴だったら、この手で退治してるところだ」

Sam: I'm not going to let it go too far.
Dean: It's already gone too far, Sam. If I didn't know you, I would want to hunt you.

いや、もしかすると、他のハンターがすでにサムを狙っている可能性だってある。
それに、カスティエルから警告されたという事はこれが神の意思に反するという証拠だ。

電話が鳴る。
トラヴィスというハンターがサムに協力を依頼してきたのだ。

夜。ミズーリ州カーテッジ市。

モンゴメリ宅。

ジャック・モンゴメリは3枚めのステーキを平らげる。
このところ、腹が減って仕方がない。
妻のミシェルはあきれるが、ジャックにとってはこれでもまだ足りない。

数時間後、歯を磨いていると、突如、身体中に激痛が走る。
まるで、背骨や関節が勝手に組み変わっているかのようだ。

ハイウェイ。

カーテッジに向かう車中、ディーンは過去に跳んだ経緯をサムに話して聞かせる。
サムは「それにしても、黄色い目のデーモンが俺の口の中に血を垂らしたのはなぜなんだろうな?」と言う。
ディーンは驚く。その部分はまだサムには話してなかったはずだ。
サムは「実は1年ほど前から知ってたんだ」と認める。
ディーンは怒る。
サムはディーンに対して、頻繁に嘘をついたり、隠し事をしたりしているからだ。
なぜ、もっと、兄弟である自分を信用してくれないのか?


モンゴメリ宅。

ジャックは冷蔵庫をあさり、生肉を喰らう。

ディーンとサムはその様子を窓の外から眺めていた。

モーテル。

ディーンとサムが部屋に戻ると、トラヴィスが先に来て待っていた。
トラヴィスいわく、ジャックは「ルガルー」(トリヴィア項↓を参照)という怪物で、最初は普通の人間と変わらないが、30歳になると変形するという。
ルガルーになりかけの者はとにかく、いつも腹を空かせており、手当たり次第、何でも食べてしまうのだが、そのうち、人肉を欲するようになる。

Travis: But most of all, they're hungry.
Dean: Hungry for what?
Travis: At first for everything, but then the long pig.
Dean: "Long pig"?
Sam: He means human flesh.
Dean: And that is my word of the day.

そして、一度でも人肉を喰らえば、もう二度と人間には戻れなくなる。
ジャックの父親もルガルーだった。これは父親から息子に遺伝するものなのだ。
トラヴィスは30年前、ジャックの父親を退治したが、後になってから、その妻が妊娠していた事を知った。
時すでに遅く、彼女は生まれたばかりの赤ん坊を養子に出してしまっていた。
トラヴィスはようやく最近になって、ジャック・モンゴメリがその子どもだと突き止めたのである。
そして、ルガルーの症候を確認してから、ウィンチェスター兄弟に連絡を取ったのだ。

モンゴメリ宅。

ミシェルが夕食を支度中、あやまって指を切ってしまう。
ジャックはそれに「食欲」を刺激されながらも、どうにか我慢する。
だが、ジャックは「このままではミシェルを傷つけてしまうだろう」と怖れ、外に飛び出して行く。

バー。

ジャックは酒を飲みながら、おつまみのピーナツもバクバク食べる。
バーテンダーもあきれるほどだ。
それでも、ジャックの気分は一向に良くならない。

ふと横を見ると、イケすかない男が女を無理矢理クドこうとしている。
ジャックは暴力的な衝動を抑えきれず、「嫌がってるじゃないか、この太っちょのブ男め!」と罵る。
男は怒り、殴りかかって来る。
ジャックはその拳を受け止めたかと思うと、そのまま文字通り握り潰してしまう。
物凄いパワーだ。
男は悲鳴を挙げる。
ジャックは我に返り、バーから逃げるように立ち去る。

モーテル。

ディーンとトラヴィスがルガルー退治の準備を行っている。
トラヴィスが知る限り、ルガルーを倒す方法はただ1つ。丸焼きにすることである。
ジャックの父もそうやって倒したのだ。
そこに、ジャックをどうにか救ってあげたいと、他の方法を模索していたサムが戻って来る。
「ルガルーの中には変形しない奴もいるらしい。人間の肉を食べなければの話だけど」
トラヴィスは「そんなのは御伽噺だ」と一蹴する。
彼自身が目撃したり、あるいは仲間のハンターから伝え聞いた限りではたった1件の例外もなく、ルガルーは変形している。
ルガルーにとって、人間の肉を喰らうのは本能で、その衝動を理性で抑える事はできないのである。
「ジャックにちゃんと説明して、その本能に立ち向かうチャンスを与えてやろうじゃないか」とサムは食い下がる。
トラヴィスはそれでも聞き入れない。
サムは「退治に値するような悪事をまだ犯してない奴を殺したくない」とムキになる。
その内面の葛藤を知っているディーンには「サムはジャックと同じようにデーモンに変わりそうな立場にあるから、すっかり同情してるんだ」とわかるが、トラヴィスにそんな事情を話すわけにもいかない。

モンゴメリ宅。

ジャックが帰宅する。
妻のミシェルはすっかり怒っている。昨夜、ジャックが突然飛び出したきり戻らないから、血を流しながら、自分1人で緊急治療室に行かなければならなかったのだ。
ジャックは一所懸命、謝る。
やがて、2人は仲直りし、キスをする。
...が、ジャックが次第に乱暴になり、ミシェルの首に噛み付く。
ミシェルが必死で抗うと、ジャックはようやく我に返るが、いたたまれなくなり、外に飛び出す。

道路。

ディーンとサムが車でモンゴメリ宅に向かう。
ディーンはサムが必要以上にジャックに感情移入しているのではないかと訝る。
サムは「車を停めてくれ」と頼み、自分が嘘をつき続けている理由を打ち明ける。
それはディーンがサムを、まるで化け物を見るような目で見るからだ。
いや、サム自身、自分が化け物のような気がしてならない。それもタダの化け物ではなく、デーモンの血が身体中を流れる、特別級のモンスターだ。
その「血液病」は治そうと思っても治せるものではないが、せめて、それを何かの役に立てようと、サムはサムなりに努力しているのである。

Sam: You have no idea what I'm going through.
Dean: Well, then enlighten me.
Sam: I've got demon blood in me, Dean. This disease pumping through my veins and I can't ever rip it out or scrub it clean. I'm a whole new level of freak!

ディーンは「とりあえず、ジャックに話してみる」事に同意する。

モンゴメリ宅。

ジャックが芝生に水をまいている。気を紛らわそうとしてるのかもしれない。
ディーンとサムが自己紹介し、説明を試みるが、相手にしてもらえない。

夜。外。

ジャックはどこへ行くともなく歩いている。
携帯電話が鳴る。ミシェルからだが、今は何をどう話したものかわからないので、電話を取らない。
ふと見上げると、2階のアパートの窓の中で着替えをしている女性の姿がある。
ジャックは食欲をそそられ、非常梯子を上っていく。
それに気付いたディーンとサムが、先回りしようと、女性のアパートのドアを蹴破って入る。
女性が驚き、悲鳴を挙げる。
アパートの中にジャックの気配はない。
兄弟はバツ悪そうに立ち去るしかなかった。
実はジャックは窓に映った自分の浅ましい顔を見て我に返り、中には結局、入らなかったのだ。

Woman: (悲鳴を挙げる)
Dean: Wait! Whoa! We're here to save you... I guess.
Woman: I'm calling the police!
Sam: We should go.
Dean: Yeah.

モンゴメリ宅。

ジャックが帰宅すると、ミシェルが居間の椅子に縛られていた。
唖然とするジャックの後ろからトラヴィスが飛び掛り、クロロフォルムで気絶させる。

目を覚ましたジャックは自分も椅子に縛られているのに気付く。
トラヴィスは謝りながらも、ジャックを退治する強固な意志を示す。
なお、ミシェルはまだ夫には打ち明けていなかったが、実は妊娠していた。
つまり、将来ルガルーになるであろう子どもを宿しているのだ。
こうなったら、仕方がないが、家族まとめて焼き殺すしかない。

ジャックは「自分だけでなく、妻と子どもにも危害が及ぼうとしている」と悟り、底力を出して戒めをブチ切る。
その勢いでトラヴィスに飛び掛り、腕をヘシ折る。
もう歯止めが利かない。
ジャックはトラヴィスの首に噛み付き、肉を食いちぎる。
ああ、ジャックはとうとう、ルガルーに変貌してしまったのだ。

ジャックは血まみれの姿でミシェルに迫り、その縄をほどく。
ミシェルは「近寄らないで!」と叫んで外に飛び出し、車で逃げる。
ジャックはトラヴィスの死体を振り返る。

ディーンとサムが到着した時には、トラヴィスの死体はほとんど食べ尽くされていた。
そして、2人も襲われ、気絶させられる。

サムはクロゼットの中で目を覚ます。
手足を縛られている。

ジャックがクロゼットのドア越しにサムに話しかける。
ジャックはてっきり、サムたちがさっきの男を寄越したのだと思っていたが、どうやら、そうではないらしい。
つまり、サムとディーンはミシェルの妊娠について知らないのである。
それなら、黙っていよう。

ジャックは床に転がっているディーンの血を嗅ぐ。
まずはこいつから喰ってやろうか。

サムはハンガーを使ってドアをこじ開けようとしながら、ジャックと話す。
「自分の身体の中に暗闇を抱えているという気持ち、俺にもよくわかる。だけど、怪物になる必要はないんだ。問題は自分が何かという事ではなく、何をするかという事だ。それは君次第なんだよ。」

Sam: Listen to me, you've got this dark pit inside you. I know. Believe me, I know. But that doesn't mean you have to fall into it. You don't have to be a monster.... It doesn't matter what you are. It only matters what you do. It's your choice.

だが、ジャックはもう、説得できないところまで行ってしまっていた。
彼はディーンに近付いて行く。

間一髪のところで、サムはクロゼットから抜け出し、火炎放射をジャックに浴びせる。
ジャックは燃え上がり、やがて息絶える。

一件落着後...

ディーンはサムに「おまえは正しい事をしたんだ」と言う。
ジャックはもう、普通の人間には戻れなかったろう。
ディーンはあらためて、自分のサムに対する態度が厳しすぎたと詫びる。

だが、サムは自分の「血」や超能力について、今は話したくない。
ただ、もう超能力を使うつもりはない。
それはディーンのためでも天使のためでもなく、自分のためだ。

Sam: Don't thank me. I'm not doing it for you. Not for the angels or anybody. This is my choice.


*本文中で省略した名言・迷言集

Travis: Boys, we got ourselves a Rugaru.
Dean: Rugaru? Is that made up? That sounds made up.
※クローズド・キャプションでは「Rugaroo」となっていたが、その他、「rougarou」や「roux-ga-roux」といったスペルも使われる。ルイジアナ州南部在住のフランス系移民が人狼のような怪物を指すのに使った言葉。「ガ・ルー」の部分が「動物に化ける人間」という意味。[Supernatural Wikiより]

Dean: Sam loves research. He does. He keeps it under his mattress with his KY.
※「KY Jelly」のこと。その用途は説明しずらいが、「research」を「エロ本」に喩えているといえばわかる?

Sam: It's just something I got to deal with.
Dean: Not alone.


*音楽

- "Phillip's Theme" by Hound Dog Taylor and the HouseRockers


*その他のトリヴィア

* タイトルは「(昆虫等の) 変態」を指す。日本語ではドイツ語経由で「メタモルフォーゼ」ともいう。

* サムとディーンは久々に本名で自己紹介している。

* インパラのナンバープレートが昨シーズンの「CNK 8003」から当初の「KAZ 2Y5」に戻っている。


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2 コメント

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Unknown (TB)
2008-10-25 04:07:46
兄に怒られている弟のシーン、何度も見直してしまいました。
シーズン2ではジョウさんに「ジャレッドはお芝居が下手」と言われてしまいましたが、ど、どうでしょう。すこしマシになってきたと思いませんか。分かりやすいシーンですけど。まだダメかな。

ナンバープレートは戻ったのではなくて、以前使用したカットの使いまわしだと思われます。
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Unknown (ジョウ)
2008-10-25 04:17:24
TBさん、ああ、そういえば、だいぶ前にそんな事、言いましたっけ(苦笑)。兄弟の呼吸があまりにピッタリで楽しいので、演技の良し悪しは全然、気にも留めてませんでした。結局、2人とも演技が上手くなって来たってことかな?

あ、なるほど、使い回しですか。もしかしたら、前回のタイムトラベルと関係あるのかなーとも思ったんですけど...。
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