<スマトラ沖大地震・インド洋大津波>タイ;津波被災者支援のための署名活動

被災コミュニティーの土地を奪い、リゾート開発を目論む投資家、地方行政の動きに対して、「NO!」と言いましょう!

セミナー「津波後の土地問題解決への道のり」2005.3.19-20@カオラック

2005年04月04日 20時29分39秒 | コミュニティー開発機構の資料
(要約)セミナー「津波後の土地問題解決への道のり」 2005年3月19-20日、パンガー県タクアパ郡、カオラック、アンダーブリー・リゾート
<CODI,HP掲載日時は3月28日>

この会議の際に土地問題に関する資料を提出した村落の詳細に関しては、
http://www.codi.or.th/tsunami/name_280348_03.htm をご覧ください(タイ語)。

(参加者)合計152人;被災6県からの被災者83名、土地問題解決小委員会4名、NGO14名、研究機関、学生24名、政府職員、マスコミなど。

1. 土地問題と解決への道のり -グループ毎の問題-
1.1. 国立公園、保護林、沿岸林などの森林地帯に居住するコミュニティー
 <1>サトゥーン県:昔からその地に居住していた。
① 諸島国立公園として規定された土地
・ 例えば、ボーチャットルーク村(บ้านบ่อเจ็ดลูก)、ブーローン島村(บ้านเกาะบูโหลน)、トローサイ村(บ้านตะโล๊ะใส)、パークラーグー村(บ้านปากละงู)など
② 保護林、沿岸林として規定されている土地
・ 例えば、サーコーン村(บ้านสาคร)、タンヨンウマー村(บ้านตันหยงอุมา)など
③ 保護林、沿岸林として規定され、海軍や行政機関が管理する土地
・例えば、ボーチャットルーク村(บ้านบ่อเจ็ดลูก)、ターパヨーム村(บ้านท่าพยอม)、ソンマイ村(บ้านสนใหม่)、サーコーン村(บ้านสาคร)など。
    津波発生以前から関係行政機関による土地の測量と土地の権利・居住権の発行が準備されていた地域もいくらかはあるが、未だ進展はない。

 <2>トラン県:昔から居住する漁民の村落で、複数の村落では協力して沿岸林の保護を任されていた。
① 公園内に居住している村落
② 例えば、チャオマイ村(บ้านเจ้าไหม)、ムック島村(บ้านเกาะมุกด์)、クワントゥンク村(บ้านควนตุ้งกุ)、マイパーク行政区(ตำบลไม้ฝาด)など保護林・沿岸林に居住している村落
・ 例えば、タレー村(บ้านตะเส)、レームサイ村บ้านแหลมไทร、カオマイケーウ村(บ้านเขาไม้แก้ว)、など
港務局や、森林局などの行政機関が管理する土地もあり、土地問題以外にも、公園として宣言された土地に関しては、古いゴムの木の伐採(新規植え付けを目的とした)や公園内での漁業などができないという問題を抱えている。

<ラノーン県>
 タークラーン村(บ้านท่ากลาง)、とバーンクルワイノーク村(บ้านบางกล้วยนอก)はレームソン公園内と森林局の土地内に属している。その他にも、サーイダム浜(หาดทรายดำ)は保護林内に位置し、パヨーム島公園として新たに規定される予定で、浜周辺の土地は個人が土地の権利を取得してため、将来的に船の停泊と海へ出ることが禁止されるのではないかと危惧している。広大な森林公園内に居住するコミュニティー、そして個人が土地の権利を取得している土地の問題を解決するためには、土地の権利に関する正確な調査を行い、その後居住権に関する権利書発行が必要である。

1.2. 政府の土地に居住するコミュニティー
プーケット県のレームラオ・コミュニティー(ชุมชนแหลมหลา )は、政府の土地に属し、パンガー県のトゥングワー・コミュニティー(ชุมชนทุ่งหว้า)は公共用地に属している(土地に関する要望書を提出済み)。プーケット県のターチャットチャイ村(บ้านท่าฉัตรไชย)は、国有地に属し(土地に関する要望書を提出済み)、トラン県のスック島村(บ้านเกาะสุกร )の一部は借用地に居住している。ナムケム村(บ้านน้ำเค็ม)の80世帯も土地を借用して家屋を建設しているが、証拠となるものを持っていないために、居住地に関しての支援を受けることができない。
 政府の土地に居住するコミュニティーの問題を解決するためには、正確な情報収集と、所有権という観点から長期間の貸し出しの許可を出すこと、そして共同で借りている土地に関しては、各土地の登記者に関して行政機関に提出し、行政機関は長期間の土地賃貸を許可することである。

1.3. 港務局の土地に居住するコミュニティー
 海岸付近の土地で、漁民の居住地と船の停泊地となっている。コミュニティーは、漁業と漁具の管理などから、海岸から遠い場所に居住することを望んでいない。ランター島のフアレーム村(บ้านหัวแหลม)では、海岸沿いでの家屋建設が許可されているが、長期間の居住に関する確固たる保証はない。コミュニティーを海岸から離れた土地に移住させる計画があるが、しかしその移住先の土地は資本家が既に貝の養殖を行っている土地であることが村人の観察からわかっている。プーケット県パトンビーチのパークバーン村()も家屋を既に建設したが、法令に違反しているとして、県側は居住を許可しているが、長期間の居住の権利は保証されていない。トラン県のタレー村、ムック島村、プーケット県のサパム村(บ้านสะปำ)は、津波が押し寄せた土地で個人が封鎖した土地に新しくコミュニティーの土地を設置したが、おそらく漁業を営むことが可能である。

1.4. 私有地に居住するコミュニティー
1.5.  パンガー県で私有地に居住するコミュニティーは、例えばタッププラーทับปลา、タップタワンทับตะวัน、ナムケム(レームポーム)น้ำเค็ม (แหลมป้อม)、ラ島เกาะระ、パークトリアムปากเตรียม、トラン県ではムック島เกาะมุกด์などで、土地の権利を持っていないことから、公共事業が施されることはない。パークトリアムでは土地の権利書の発行を待っている状態で、レームポームでは訴えている状態であるが、土地の権利者に脅迫されている。パンガー県ナイライ村では長期間居住しているが、資本家が土地の権利を所有している。タップタワン村の場合は、土地の権利を持たずに100年以上居住してきたが、外部の資本家が土地の権利を掌握している。ラ島の一部、20世帯は、土地に関して投資家と論争中である。私有地に関しては、コミュニティーは2代以上居住しているのだが、土地の権利が資本家に所属していると言える。

1.6. その他
タイ人としてのIDカード(タイ国籍者が携帯する証明書)を持っておらず様々な権利の行使ができない人々で、ラノーン県、プラチュワップキーリーカン県、チュンポン県の住民グループが居住地から締め出されている。

2. 津波被災地での土地問題解決に向けて
 土地問題解決小委員会トップと書記は、土地問題解決のために現地を既に視察してきた。政府は被災者達の土地、生計の再建など様々な分野が抱える問題を解決する意思があり、津波以前から行っていることであるが、今回法律に沿った形で、真理・公正さを求めるために、調査を行う。
 2.1.諸権利に関する調査
① 政府は公園や森林地域として宣告する以前から居住している人々は、宣告以前から居住していることを証明するための調査が必要であり、そうであるならば、その土地から移住する必要はない。しかし、居住に関しては、堅固な住居の建設と環境維持を重視し、雇用の開発は、文化を保存・維持した観光産業と一致したものでなければならない。証拠が明らかでないものは、衛星写真を使用する必要があることから、土地開発局は5月中に着手する予定であるが、明らかな証拠がある場合は、衛星写真を使用する必要はない。
② もし宣告以後に居住したのであれば、もとの居住地か新しい居住地の土地の使用権が認められる。その際には、関係機関と協議して、環境などを損なわない状態で、居住に適した土地をあてがう。
③ 私有地にもし長期間居住して場合は、対立者との間でどちらが以前から居住しているかとについて、司法が判断を下す。しかし司法の判決作業に時間がかかる場合は、権利保護局、法務機関などの仲裁で、両者が納得できる形での妥協案を採用することもあるかもしれない。

2.2.土地問題解決小委員会は、住民達に対して、権利書、村民数、年齢、村落の設立年などに関しての資料収集を行い、それを郡もしくは県に資料として提出する機会を与えて、CODIなども協力している。
2.3.調査に関しては各県に権利調査委員会が設置されておるので、もし以前から居住しているにもかかわらず、権利を他人が持っている場合には、証拠物件を県に提出することで委員会が土地問題を解決してくれるだろうし、土地調査に関しては、当の資本家も共に参加することを当委員会では提案している。もし調査に関して満足がいかなければ、法廷の場に持ち込むことが可能である。
<各ケース>
・ ムック島;村人の70の小区画地に関して、村長は1999年に土地権利書発行を郡に申請したが、住民側はなぜか理由はわからないが違法であるとされ、2002年に2小区画地のみ権利書が発行された。郡側と村長、公園局の間で数回の資料調査が行われたが、未だ進展はない。この件に関する小委員会書記の返答は、土地に関する規定である省令43条において、委員会設立義務を明記してるため、島の土地に関する手続きが非常に遅れてしまうと指摘した。

3. 観光に関して
 観光産業を推進する政策のもと、政府は観光特区開発機構を設立し、始めにチャーン島を、そしてランター島、ピーピー島を特区と定めている。特区と定められた地域については観光特区開発機構が強力な権限を持ち、投資家や企業が観光開発に着手することを促進する地区となっている。チェーン島の場合は、私企業が土地を購入しており、コミュニティーに対する影響としては、観光目的に使用するために、土地の立ち退きの危険性があると言える。

4. コミュニティーという権利
 コミュニティーは、行政と協議する際など、みなで協力してグループとして対応することができる。例えば、モーケンというコミュニティーは、個人の権利ではなく、コミュニティーの権利を持ち出して闘っている。コミュニティーの権利とは、単に生計の場というのではなく、祖先の土地に居住しているというような権利を持ち出すことでより強靭になる。

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