じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

雨の日の着物、どうする? 水に強い着物や帯って?

2017-07-26 14:05:26 | 元町じざいや日記
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 横浜は久しぶりの雨でした。
先日から九州や今は秋田・東北は凄い雨が続いてますね
被害が大きくならないよう祈ります。

雨の日には 着物を着るのを敬遠しがちですよね。
雨の日は着物を着ない!とおっしゃる方もいらっしゃいます。
この頃の雨は ちょっと当たっても
すぐにシミになってしまうし
歩いていても泥跳ねが心配だし。
雨の日はきもので出かけない、というのも
1つの選択ではありますがそれでは ちょっと寂しいです。
雨の日でも着物を楽しむ方法を考えてみました。

一番楽な方法は洗える着物を1枚用意してしまうこと。
この頃は洗える着物でも 見た目ほとんど判らないものが沢山出てきました。
だけど とにかく蒸し暑いのが欠点。
冬の雨にはいいけど この季節の雨にはかなり暑いです。
下着は必ず 天然素材のものにしましょう。
 
着るなら やっぱり天然素材のきものが良いとお思いならば。
それならば まず、縮緬やお召しは避けましょう。
雨に当たると 当たった部分が見事に縮みます。
近頃のお召や縮緬は 織元で防縮加工をしているのが多いですが
アンティークや 頂きもののお召、縮緬は、縮む危険が高いので 雨に日は避けた方が安全です。
縮緬やお召しで雨の日に出かける可能性があるならば
ガード加工してしまうのも方法です。
ガードしてしまえば多少の雨なら怖くありません。
雨に強い生地は 大島や黄八丈などです。
手織りの大島紬は小雨ならガード加工しなくても
弾いてしまいますし縮みません。 乾燥も速いです。
真綿の紬も 軽い雨なら弾きますが
一旦 水分を吸ってしまうとなかなか乾きません。

何より水に強い繊維は麻です。
麻は乾燥している時より濡れている方が繊維としての強度も強くなり
まさに雨の日のためのきもの。
熱の伝導率も高く熱を放射して 乾燥も早いので雨の日にうってつけです。

こんなコーディネイトを。


矢絣の小千谷縮に シナ布の帯です。
シナ布などの植物繊維は湿気を好み、また水分を与えることで柔らかく扱いやすくなります。
なので湿度の高い雨の日には濡れても安心、締め心地もよし。
雨が降ったら迷わず植物繊維のものを着ましょう^^
この季節、芭蕉布や上布類、シナ布に葛布、藤布など植物繊維が豊富です。

対して、絹は水に弱い、と言われます。
繭の状態では水を弾きますが(水を吸ったら中の蛹が溺れてしまう)
糸にする段階で表面のセシリンをある程度除くことで
艶や風合いを得る換わりに水を弾きにくくなってしまうのです。
反物は着物として仕立てあがる以前に
友禅でも染めるにしても 
紬で先染めにするにしても 何度も水やお湯を潜るのです。
ですから 着物自体が水に弱いのではなく
水に濡れた状態の絹糸が外部の力に対して弱くなっている、ということです。
濡れた状態で無理な力を加えると
(ゴシゴシ拭いたり 引っ張ったり)生地が傷んでしまいます。
濡らしてしまったら 慌てず騒がず こすらずに
なるべく早く脱いで 広げて乾かすようにしましょう。
  
雨の日に雨コート。
市販の二部式や化繊のものをお持ちの方も多いと思います。
アップルコートなどですが あまり可愛くもお洒落でもなく、実用本位。
そこでお薦めしたいのは
機械織りの大島や黄八丈(もどき)など
シワになり難い シャッキリ系の紬を防水加工してしまって
雨コート兼単衣コートに仕立てること。
4月~10月なら夏大島や小千谷縮で作っても素敵です。
衿は道行衿よりも 道中着衿の方が濡れる面積が少ないです。
雨コートにも塵除けにも
単衣のコートとして簡単な防寒にもなるのでとても重宝です。
 
特に濃いめの色の小千谷縮や綿麻で仕立てておくと
結構早めから秋まで着ることが出来ますので本当に重宝します。
じざいやの人気商品の1つです。

雨の日の着物のお出かけもちょっとした工夫で楽しみましょう

 


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