日本版GPS衛星「みちびき」4号機打ち上げ成功
10月10日 7時32分 NHKニュース
スマートフォンなどの位置情報システムの性能を飛躍的に高める日本版GPS衛星「みちびき」の4号機が10日午前7時すぎ、
鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの36号機で打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、およそ28分後の
午前7時半ごろ「みちびき」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
日本版GPS衛星「みちびき」の4号機は10日午前7時1分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット36号機で打ち
上げられました。
ロケットの1段目のメインエンジンに点火したあと2本の補助ロケットにも点火し、ごう音とともに発射台を離れました。
そして、燃焼を終えた補助ロケットや1段目のエンジンを次々に切り離したあと2段目のエンジンで飛行を続け、打ち上げからおよそ
28分後の午前7時半ごろ、高度273キロ付近で、「みちびき」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
「みちびき」はアメリカのGPS衛星のように位置情報が得られる衛星で、打ち上げは、ことし8月の3号機に続き、4機目です。
今回の打ち上げによってみちびきの4機体制が整い、来年春に本格運用が始まれば、GPSの位置情報の誤差を現在の最大
10メートルほどから数センチにまで小さくできるということです。
これによって農業機械や建設機械の自動運転、それにドローンによる物資の輸送など社会のさまざまな分野で新たなサービスが
展開できると期待されています。
今後は海外展開も
みちびきの事業を進めている内閣府の高田修三事務局長は会見で「みちびきは農業機械の無人運転などですでに実証実験が
始まっている。今後は事業の成功例を増やして、この衛星の利便性を多くの人が共有できるようにしていきたい」と述べました。
そのうえで「誤差が数センチという高い精度の情報を無料で提供できるのは、海外の衛星にはない有利な点だ。
アジアやオセアニアなど海外でもこの衛星を利用してもらえるよう整備を進めていきたい」と述べ、海外でのビジネス利用の展開にも
力を入れていく考えを示しました。
みちびきの本格運用は、来年春から始まる予定です。
みちびきの本格運用は、来年春から始まる予定です。