新型肺炎 検査6時間→15分に。試薬開発にメド
2020.2.13 21:46 産経新聞
新型コロナウイルスによる肺炎拡大への政府の対策には、感染の有無を迅速に
判定できるウイルス検出機器の利用が盛り込まれた。
これまでは検体を国立感染症研究所に運んで、さらに6時間程度、検査に要していたが、
この検出機器を使えば15~30分でその場で判定できるという。政府関係者は、
遅くても3月末までに利用を始められる見通しを示した。
この機器は、産業技術総合研究所の研究を引き継いだベンチャー企業を吸収合併した
杏林製薬が市販している。PCR法という遺伝子解析技術を使っており、
同社のホームページによると、2001年に米国で発生した炭(たん)疽(そ)菌事件を
契機に始めた研究により、迅速な判定と機器の小型化を実現したという。
1回につき調べられるのは基本的に1検体だが、複数の増設ユニットをつけることで、
同時並行で複数検体を調べることができる。
検査試薬の開発にメドが立ったため、新型コロナウイルスにも活用できるように
なるという。政府は空港や港湾に配備して、水際対策を強化するほか、地方の
衛生研究所にも置いて検査体制を拡充したい考えだ。