「魔女の雑草」退治へ アフリカ食糧問題解決に新手法
2018.12.14 11:30
アフリカでトウモロコシなどの農作物を枯らす大きな被害が出ている寄生植物「ストライガ」の
駆除方法を、名古屋大などの研究チームが開発した。被害額は年間1兆円を超えているとされ、
食糧問題解決への貢献が期待される。米科学誌サイエンス電子版に14日、論文が掲載された。
ストライガはアフリカのサハラ砂漠以南を中心に分布。ピンク色の美しい花を咲かせるが、
トウモロコシなどの根に取り付いて寄生し、栄養や水分を横取りして枯らすため「魔女の雑草」と
恐れられている。
トウモロコシを枯らせ、ピンク色の花を咲かせた寄生植物ストライガ。土屋雄一朗・名古屋大特任准教授提供
種子は風に乗って広がり、日本の国土の約1・3倍に当たる5000万ヘクタールもの耕作地が
汚染されている。約0・2ミリと微細なため除去は不可能で、熱に強く除草剤も効かない。
種子は土壌中で数十年にわたって休眠状態となり、イネ科植物の根から出る植物ホルモンに触れると
目を覚まし、発芽して寄生。ただ、発芽から4日程度までに寄生できないと枯れてしまう。
この性質に着目した研究チームは、ストライガだけが反応する人工のホルモンを開発し、種子をまいた
植木鉢に散布。寄生する植物がない状態で強制的に発芽させ、枯死させる「自殺発芽」に成功した。
ほぼ全ての種子が自殺発芽し、この土にトウモロコシを植えると、ストライガの寄生は起こらず
健全に生育した。
人工ホルモンの製造費は耕作地1ヘクタール当たり約40円と安価で、他の植物や土壌中の有用菌には
悪影響がないことを確認した。チームは来年、アフリカの実験農場で有効性の実証実験を行う計画だ。
ストライガの被害は主にアフリカと中東で、日本では起きていない。
だが土屋雄一朗・名古屋大特任准教授は「日本に侵入する可能性はゼロではない。被害に備えるためにも、
新しい駆除方法を早く実用化したい」と話している。
https://www.sankei.com/life/news/181214/lif1812140021-n1.html
こういう話は中国、韓国からは聞こえてきませんね。
軍事、ハイテクの研究ももちろん重要ですが、農業の研究は地味ですが、多くの地域、人を助ける。
日本人の気質に合っていると思います。
派手な先進技術研究、地味な研究、両輪で世界に貢献する日本でありたいですね。