はじめまして。
ボランティア団体こにぃ企画代表の古仁井真由子と申します。
先日お申し出いただいた件に対してお返事をする前に、はっきりさせておかなければならないのですが、セックスボランティアとは「障害者と無料でセックスする人」ではありません。
「性の介助」という表現がありますが、そもそも「介助」というものは自分ではうまく出来ないことや、一人では出来ないことに手を貸すことですよね。
一般的に、自分で出来ることとされる行為が自分で出来なくて、日常生活が困難になる場合に介助者が必要とされます。
障害のない私たちが、当たり前に自分で出来ることについて考えていただきたいのですが
1.朝目を覚まして、起き上がって、布団から出て、トイレに行って、排泄をして後始末をして、朝食を作ったり用意してあるものを食べて、片付けて、歯磨きや洗顔、着替えなど身づくろいをして、靴を履き、出かけます。
その間に、いくつかの段差や階段を上り下りするかもしれません。ドアの鍵をはずしたり、かけたり、ドアを開けたり閉めたりするかもしれません。
2.その後、自動車を運転したり、電車やバスに乗ったり、自転車や徒歩で移動します。
3.会社や学校に行って、仕事や勉強をします。そこにいる間に、字を書いたり話をしたり、電話に出たりかけたり、いろんなことをするでしょう。
トイレに行ったり食事をしたり、段差や階段を上り下りするかもしれません。
4.帰り道にデートの約束をしていたら、二人で食事をしたり、映画を観たり、お酒を飲むかもしれません。
そのとき、お店の階段や段差を上り下りしたり、トイレにも行くかもしれません。
お金を支払ったりおつりを受け取ったり、カードを使ったりするかもしれません。
5.ホテルに行くことになったら、ホテルによっては部屋を選ぶ際にボタンを押したりフロントの人と話をしたりする必要があるかも知れません。
部屋に移動して、ドアを開け閉めして部屋に入り、服を脱いで(脱がしたり脱がされたり)、シャワーを浴びて、ベッドに移動してセックスをするでしょう。
後始末をして身づくろいをし、部屋を出て、ホテルを出ます。
お金を支払ったりおつりを受け取ったり、カードを使ったりするかもしれません。
6.家に帰って、ドアの鍵をはずしたり、かけたり、ドアを開けたり閉めたりするでしょう。靴を脱ぎ、移動します。
7.自慰がしたくなったら、(男性の場合はほぼ必ず。女性の場合は必要に応じて)下着を下げて自慰をして、後始末をして、衣服を整えます。
8.あとはゆっくり眠りにつくまで、テレビを見たり、本を読んだり、インターネットをしたりした後、布団をめくって、中に入って、布団をかけて眠るでしょう。
これらの日常的な行為を私たちは、自分ひとりで、当たり前にやっているわけです。
これが身体的な障害を持った方の場合、多くの場面で自分ひとりでは出来ません。
できたとしても、ものすごく時間がかかったり、時には転倒したりと、危険を伴うこともあります。
これらのことに手を貸すのが「介助」です。
現在の法律(介護保険法・障害者自立支援法)では、4.5には公的なヘルパーがつけられません。
※ただし、障害者自立支援法では、4の食事や映画鑑賞ならば自立支援ということでガイドヘルパーをつけることが出来ます。介護保険法ではおそらく無理です。
7は、介護事業所に内緒で「二人だけの秘密」というように、内密に行われていることも割合多くあります。
ただ、意を決して自慰をするのを手伝ってほしい旨を伝えても、受け入れてもらえず、事業所に報告されて、問題になったり、内緒でしていたということを事業所側に知られたために、ヘルパーと事業所での雇用問題が発生したりしています。
(これらのケースの場合、男性器を直にしごいてほしいということでしたので、そもそも問題があるのですが・・・)
そういった理由から、どうしても、ボランティアの存在が必要になってくるのです。
ですが、気持ちさえあれば誰でも出来ることではなく、きちんと身体介助が出来るボランティアでないと、不測の事態に対応できないということは、当然ご理解いただけると思います。
性に関しても、私たちは「性の介助」をしているというのではなく、先程述べた日常の生活をする上で、違法性のない範囲で手を貸してほしいことに手を貸しているということなのです。
皆さんが思い描いているセックスボランティアというものは、おそらく
対象:障害者・高齢者
内容:性風俗業と同じことをする人(性交を含む)
費用:無料
というような感じではないでしょうか?
性的な接触があるということは、少なからず、もしかしたらこの人は自分のことを好きなのではないかしら?という気持ちや、好きになってくれなくても、付き合ってくれないなら(事実でなくても)レイプされたなどといって脅されるという揉め事が起きうる可能性を含んでいます。
そういった問題が、世界でも日本でも実際に起きているので、私たちの団体では、ボランティアする人が性的な対象になることを禁じています。
ボランティアはあくまでも黒子なのです。
そうは言っても目の前に異性がいてその人のことを考えながら自慰をしたい、と言われることがあります。
ですが、もしも恋人関係や夫婦でもない異性が目の前にいて、自分を見ながら自慰を始めたら、普通は非難され、ややもすると通報されますよね。
これって、当たり前のことです。
むしろ、相手が障害者で、かわいそうだから我慢して何でもしてあげるという方が、見下していると思うのです。
あくまでも、私たちは、自慰の介助や夫婦(パートナー)間のセックスの補助を行ったり、風俗店に同行する介助者なのです。
私たちの気持ちとしましては、「セックスボランティア(セクシャルヘルプボランティア)に対する誤った認識を持たないでほしいということと、だからといって自分とは関係のないことだと無関心でい続けてほしくないということ」をお伝えできるのであれば、取材等にも協力させていただきたいと考えております。
それでは、皆様によろしくお伝えください。
ボランティア団体こにぃ企画代表の古仁井真由子と申します。
先日お申し出いただいた件に対してお返事をする前に、はっきりさせておかなければならないのですが、セックスボランティアとは「障害者と無料でセックスする人」ではありません。
「性の介助」という表現がありますが、そもそも「介助」というものは自分ではうまく出来ないことや、一人では出来ないことに手を貸すことですよね。
一般的に、自分で出来ることとされる行為が自分で出来なくて、日常生活が困難になる場合に介助者が必要とされます。
障害のない私たちが、当たり前に自分で出来ることについて考えていただきたいのですが
1.朝目を覚まして、起き上がって、布団から出て、トイレに行って、排泄をして後始末をして、朝食を作ったり用意してあるものを食べて、片付けて、歯磨きや洗顔、着替えなど身づくろいをして、靴を履き、出かけます。
その間に、いくつかの段差や階段を上り下りするかもしれません。ドアの鍵をはずしたり、かけたり、ドアを開けたり閉めたりするかもしれません。
2.その後、自動車を運転したり、電車やバスに乗ったり、自転車や徒歩で移動します。
3.会社や学校に行って、仕事や勉強をします。そこにいる間に、字を書いたり話をしたり、電話に出たりかけたり、いろんなことをするでしょう。
トイレに行ったり食事をしたり、段差や階段を上り下りするかもしれません。
4.帰り道にデートの約束をしていたら、二人で食事をしたり、映画を観たり、お酒を飲むかもしれません。
そのとき、お店の階段や段差を上り下りしたり、トイレにも行くかもしれません。
お金を支払ったりおつりを受け取ったり、カードを使ったりするかもしれません。
5.ホテルに行くことになったら、ホテルによっては部屋を選ぶ際にボタンを押したりフロントの人と話をしたりする必要があるかも知れません。
部屋に移動して、ドアを開け閉めして部屋に入り、服を脱いで(脱がしたり脱がされたり)、シャワーを浴びて、ベッドに移動してセックスをするでしょう。
後始末をして身づくろいをし、部屋を出て、ホテルを出ます。
お金を支払ったりおつりを受け取ったり、カードを使ったりするかもしれません。
6.家に帰って、ドアの鍵をはずしたり、かけたり、ドアを開けたり閉めたりするでしょう。靴を脱ぎ、移動します。
7.自慰がしたくなったら、(男性の場合はほぼ必ず。女性の場合は必要に応じて)下着を下げて自慰をして、後始末をして、衣服を整えます。
8.あとはゆっくり眠りにつくまで、テレビを見たり、本を読んだり、インターネットをしたりした後、布団をめくって、中に入って、布団をかけて眠るでしょう。
これらの日常的な行為を私たちは、自分ひとりで、当たり前にやっているわけです。
これが身体的な障害を持った方の場合、多くの場面で自分ひとりでは出来ません。
できたとしても、ものすごく時間がかかったり、時には転倒したりと、危険を伴うこともあります。
これらのことに手を貸すのが「介助」です。
現在の法律(介護保険法・障害者自立支援法)では、4.5には公的なヘルパーがつけられません。
※ただし、障害者自立支援法では、4の食事や映画鑑賞ならば自立支援ということでガイドヘルパーをつけることが出来ます。介護保険法ではおそらく無理です。
7は、介護事業所に内緒で「二人だけの秘密」というように、内密に行われていることも割合多くあります。
ただ、意を決して自慰をするのを手伝ってほしい旨を伝えても、受け入れてもらえず、事業所に報告されて、問題になったり、内緒でしていたということを事業所側に知られたために、ヘルパーと事業所での雇用問題が発生したりしています。
(これらのケースの場合、男性器を直にしごいてほしいということでしたので、そもそも問題があるのですが・・・)
そういった理由から、どうしても、ボランティアの存在が必要になってくるのです。
ですが、気持ちさえあれば誰でも出来ることではなく、きちんと身体介助が出来るボランティアでないと、不測の事態に対応できないということは、当然ご理解いただけると思います。
性に関しても、私たちは「性の介助」をしているというのではなく、先程述べた日常の生活をする上で、違法性のない範囲で手を貸してほしいことに手を貸しているということなのです。
皆さんが思い描いているセックスボランティアというものは、おそらく
対象:障害者・高齢者
内容:性風俗業と同じことをする人(性交を含む)
費用:無料
というような感じではないでしょうか?
性的な接触があるということは、少なからず、もしかしたらこの人は自分のことを好きなのではないかしら?という気持ちや、好きになってくれなくても、付き合ってくれないなら(事実でなくても)レイプされたなどといって脅されるという揉め事が起きうる可能性を含んでいます。
そういった問題が、世界でも日本でも実際に起きているので、私たちの団体では、ボランティアする人が性的な対象になることを禁じています。
ボランティアはあくまでも黒子なのです。
そうは言っても目の前に異性がいてその人のことを考えながら自慰をしたい、と言われることがあります。
ですが、もしも恋人関係や夫婦でもない異性が目の前にいて、自分を見ながら自慰を始めたら、普通は非難され、ややもすると通報されますよね。
これって、当たり前のことです。
むしろ、相手が障害者で、かわいそうだから我慢して何でもしてあげるという方が、見下していると思うのです。
あくまでも、私たちは、自慰の介助や夫婦(パートナー)間のセックスの補助を行ったり、風俗店に同行する介助者なのです。
私たちの気持ちとしましては、「セックスボランティア(セクシャルヘルプボランティア)に対する誤った認識を持たないでほしいということと、だからといって自分とは関係のないことだと無関心でい続けてほしくないということ」をお伝えできるのであれば、取材等にも協力させていただきたいと考えております。
それでは、皆様によろしくお伝えください。