エウアンゲリオン

新約聖書研究は四福音書と使徒言行録が完了しました。
新たに、ショート・メッセージで信仰を育み励ましを具えます。

ディオスクロイ

2015-04-23 | 使徒
 この島には長いこと滞在しました。もとより船がありません。また、冬という季節の故に、出航しようにもできません。「三か月後、わたしたちは、この島で冬を越していたアレクサンドリアの船に乗って出航した。ディオスクロイを船印とする船であった」(使徒28:11)というように、ルカは丁寧に事情を説明します。ディオスクロイというのは、ギリシア神話に由来する航海の神の名です。ゼウスの息子という意味で呼ばれるのは双子の二人のことだそうです。船首像あるいはフィギュア・ヘッドとも呼ばれ、今なお船にしばしば付けられます。主に帆船にあるそうですが、こうした習慣は長いこと変わらないものです。迷信などと笑う人は、百貨店の屋上の祠や、地鎮祭などのことを思い浮かべると、笑えなくなるでしょう。この船は、アレクサンドリアから出てきた船だと思われます。ここは越冬をする島でもあったのです。「わたしたちは、シラクサに寄港して三日間そこに滞在し、ここから海岸沿いに進み、レギオンに着いた。一日たつと、南風が吹いて来たので、二日でプテオリに入港した」(使徒28:12-13)とあり、シチリア島の今もある港町で、その他の町も今なお存する町です。ルカはずっと「わたしたち」と記し、そして航行に関して詳細な記録を遺しています。
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