悪夢の仕事納めを終えて、本日より休暇に入りました。
スネ夫の就職が決まり、社員に成ってくれた事で以前に比べて安定感を取り戻し、
このまま行ってくれたらとそこそこな年末を向かえると思いきや、そうは問屋が降ろさない。
11月に私の勤める会社が、強引に一部出来高制を導入。
以前からの勝手な会社のやり方に、どんどんパートさんが辞めてしまい残された人は限界を超える。
勝手に給料の支払が変わるのはおかしいので、せめて契約更新する様に要求。
では、個人での面接で説明し、再契約をしましょう、11月からの出来高制導入予定を一ヶ月伸ばし、
納得してもらってから12月に新体制をスタートさせると言った。
しかし、11月分の給料は、結局既に出来高制が開始され、減額と成っていた。
あり得ない、社員が12月からと言ったにもかかわらず、まだ契約を更新する以前の11月から計算がスタートしている。
私は、説明した社員に、「詐欺ですか?」と聞いた。
担当者の許可を得て、12月から開始と告げたのに、結果的に会社は認めず11月からスタートさせてしまった。
今月の差額分は、担当した社員が自腹を切って不足分を支払うとかなんとか・・・
一番私を絶望的な気持にさせたのは、やはり相方の退社である。
返品部所に着いて8ヶ月で、教えてくれた先輩は退社、まだ覚えて無い事も沢山ある中で責任を持たされ、
切羽詰まった状況で、私が選んだ相方Mさん、彼女が入社した時、別の部所で最初に仕事を教えたのは私で、

会社の人と、ベタベタした関係に成らず、距離感が絶妙で、母子家庭と言う事情もあり、困難な仕事も乗りこなす根性がある。
あまり熱く成らず、淡々と仕事をこなすが、その分クールな所と、ちょっとした壁を作る空気を感じた。
しかし、仕事さえしっかりしてれば、仲良しを求める人より信頼が置ける。
私は、噂好きな女性の多い中、口が堅いので有名である。
言わないでと言われた事は、絶対自分から口外しない事を、自負している。
自分の事を話したく無いMさんには、余計な事は聞かないが、一緒に始めてから二年半、
徐々に、彼女もプライベートを語る様に成り、仕事も試行錯誤して、あうんの呼吸で動ける様に成った。
二人の仕事ぶりはかなり成熟していたと思う。
時にまわりの追いつめられた人をフォローしようと自分の仕事を犠牲にしがちの私に、文句も言わず着いて来てくれた。
ギリギリ迄他を手伝っても、いざと成れば二人で一気に自分の仕事を片付ける底力が二人にはあった。

けれど、会社の方針で、他の部所の売上げが悪い時は、(受注が少ない日)全体の人数や就労時間を削減され、
その日数も、時間も大幅に増えて行った。
50代、60代の女性パートには諦めが漂い、若い娘は辞めて行った。
実際一番経済的に無理があったのは私の相方であった。
解っていながら、彼女だけ特別に扱う事は私には出来なかった。
しかし、仕事は常に山積みだったので、多少の配慮は出来たのでは、と、後悔もある。
仕事の内容からいって、一人残されたらどれだけしんどいか解っているだけに、彼女もなかなか話せなかったと言う。
私に話すのが一番辛かったと、突然ですが辞める事にしました、と彼女が切り出したのは二週間前。
予感はあったが、ショックで一瞬言葉を失ったけれど、次の仕事を聞くと、既に決まっていると言う。
以前から、生活があるので、決まってからじゃないと辞められないと言っていたので納得する。
そっか、次の仕事が決まっているなら、良かったね。
「そう言ってもらえてほっとしました」と申し訳なさそうにつぶやいた。
それ以上話すと、お互い泣きそうなので、そこからは今年の仕事をこなす事だけに集中した。

できるだけ、来月分迄進んでおかないと、年明けに決算が迫っているから、悲しんでる余裕も無かった。
27日迄、会社全体が人手不足な為夜8時迄残業。(契約は3時迄)
誰も言葉にしないが、9時からの始業なのに、朝の8時過ぎには次々に出社し、仕事を始める。
こういう所が、長年やってる人のいい所でもあり、悪い習慣でもある。
出来ないとか、無理とか言いながら、責任感故にサービス労働までしてこなしてしまうのだ。
そうして、会社にこき使われ、利用される、ただ皆を動かすのはやり遂げたいと言う意志の力。
頑張った結果、最終日は午後三時に終わる事が出来た。

結果、現場は皆で頑張った達成感と苦しさを分かち合った妙な喜びがあふれるも、会社からは効率が悪かったという評価が下される。
最後の日、二人だけの職場で、Mさんは「辞めたくない、もうここに来ないのが信じられない」
「会社は嫌いだけれど、皆は好きだし、仕事も好きだった、○○さんにはメールしますね」と言った。
私は、泣いちゃうからやめて、Mさんとの仕事楽しかったよ、次の職場で頑張ってね、と言ったら、
もう一度、辞めたく無いと彼女が言ったので、辞めたく無いなら辞めるんじゃない、と言ったら、
でも、生活出来ませんとクールな彼女が泣いた。
辛かったなぁ、久々に辛かった、こんな身を切られる様な別れがあったんだなぁ。

玄関迄行った彼女が皆にお別れを言われ、泣いていた。
「さよならだけが人生さ」