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翠日記

日々のよしなしごとや、ココロのつぶやきを…。

茜染め

2007年05月04日 | 美術館・博物館
4月25日の日記にも書いたサントリー美術館のワークショップ、「自然染め」(吉岡幸雄先生)に行って来ました。
競争率、聞いたところによると10倍強だったらしいです。
優先枠のない一般での応募なので、参加できたのはラッキーだったんですね…(^^;

ハンカチなどをちょこっと染めて終わりかと思っていたら、染める材料は、シルクのシフォンクレープのロングスカーフ。
染料はインド茜、媒染は明礬で、「媒染→水洗→染め→水洗」のサイクルを4回繰り返すという、およそ4時間コースの本格的なものでした。

で、その成果はご覧の通り。
とても鮮やかな、「茜色」というよりは「深緋(こきひ)」に近い色に染まりました。

久々の染めものは楽しかったので、また是非企画していただきたいものです (^^)
(そのとき抽選に当たるかどうかはわかりませんが…)

講習終了後、現在開催中の「日本を祝う」展を拝見して(ワークショップ参加者は無料)、銀座へ移動。
知人と食事の約束をしていたのですが、時間まで間があるので、小松アネックスの染司よしおか・銀座に行ってみました。
色鮮やかな「自然染め」の布を使った商品の数々、癒されます。
暖簾やバッグ、衣類などは当然のことながらかなり良いお値段しますが、コースターやカードケース、ストラップ等の小物は結構お手ごろ価格。

昼間「茜染め」をやってきたせいか、妙に赤系の色に惹かれまして…
茜染めの麻の名刺入れを購入してきました(^^)

自然染め

2007年04月25日 | 美術館・博物館
サントリー美術館の開館記念展、『日本を祝う』の関連イベントとして行われるエデュケーションプログラム、「自然染め」に応募したら、参加はがきが届きました♪
染司よしおかの吉岡幸雄氏によるワークショップです。

染料に何を使って、何を染めさせてくれるのかまでは不明だけど…
…なんとなく、染め物体験教室の定番「ハンカチorスカーフ」のような予感もするけど…(笑)
でも、染め物やるのは久しぶりなので楽しみ♪
それに、吉岡氏の著書は、自分で買ったり会社で買わせたり(笑)して結構読んでいるので、そういう意味でも参加してみたかったのでござんす。
…まぁ、個人的に話せる時間なんて、実際にはほとんどないとは思いますけど(^^;

サントリー美術館、移転前から好きなテイストの美術館だったけど、新しくなってからもなかなか期待できそうです。
展覧会だけでなくこの手のイベントも結構面白そうだし、年会費3000円のアソシエイト会員だったら入会してもいいかも、と検討中。

mandarin orange ?

2007年03月08日 | 美術館・博物館
昨夜、泉屋博古館で買ってきた図録をしみじみ眺めていたんですが…

巻末に、展示品名の英語訳が載っていまして。
これがなかなか驚きに満ちた内容で、脱力感抜群です。

『梨子地九曜紋散松橘蒔絵大角赤手箱』
Square red casket (large).
Design of nine-circle crest, pine trees and mandarin oranges.

→「9つの丸の紋章と松とマンダリンオレンジ模様の四角い赤い箱(大)」
…嗚呼、なんだかとってもトロピカルな物体がビュンビュン脳裏を飛び交っている…(-"-;)

藍麻地杏葉紋付小紋裃
Kamishimo (Kataginu jacket and hakama trousers).
Gyoyo crest on antwarp blue plain-weave ramie ground.

肩衣ってジャケットになるんだ…。んでもって、袴はズボン扱い…
んじゃ、裃はスーツ…?(確かに江戸時代のビジネスウェアだけど)

『濃茶地雲立涌花菱幸菱藤模様小袿』
Kouchiki (Outermoment Robe)
Design of undulating vertical lines, good-luck diamonds, floral roundels and wisteria on dark brown silk double-weave ground.

…ぐ、ぐっどらっくダイヤモンド?
幸菱→幸い→good luck…?
そう来たか! ( ̄□ ̄;)!!


…日本の伝統文化を外国語で表現するのって、とっても難しいのね…。


美術館行脚 その2

2007年03月05日 | 美術館・博物館
日曜日は、泉屋博古館・分館の『大名から侯爵へ ―鍋島家の華―』を観て来ました。

今回の展覧会は実は国立能楽堂と泉屋博古館分館での分離開催だったようで、能装束関係が能楽堂、染織品と漆工品が博古館で展示されているんだそうです。
能楽堂には行きませんでしたが、博古館に来ていた品々だけで充分見応えありました。

普通だったら、明治維新を境に展覧会を分けてしまうと思うんですが…
日本服飾史上の激動の時代における「佐賀藩主鍋島家」から「侯爵鍋島家」へ、「和」から「洋」への変遷ぶりが目の当たりにできて、面白い構成でした。

展示品は、さすがは大名(侯爵)家。
緻密な刺繍、繊細な染織や蒔絵などなど、どれもこれも、あんぐりと口をあけて眺めてしまうような名品ばかり。
漆工品の中には、婚礼調度として歴代藩主夫人が持参した、実家の家紋を散らした蒔絵の調度品などもありました。
維新後の洋装では、いわゆる鹿鳴館時代の、典型的なバッスルスタイルのドレスや大礼服、珍しいところでは篤志看護婦人会の制服なども。

その夜会服のうちの1着が、白地に紗綾形四君子散らし地紋の綸子に四季の花柄を散らした、武家好みの着物地のような生地で作られていたので、ドレスでもこんなの使うんだーと思っていたんですが…
図録を買って帰って読んでみたら、本当に打掛をドレスに仕立て直したものだったそうです。ビックリ。

あと、今回は展示替えの関係で実物は見ることができなかったんですが…図録の中に、「仮装舞踏会服」というのがあって再びビックリ。
何じゃそら??と詳細解説を読んだら、明治20年に伊藤公爵(博文)邸で行われた大舞踏会用に誂えられたものだそうです。
写真を見ると、ロココ調のアビ・ア・ラ・フランセーズとローブ・ア・ラ・フランセーズっぽい感じ。
確かに、19世紀後半の当時に18世紀欧州の宮廷衣装を誂えて(しかもパリ製!)着て行ったんならそれは「仮装」かもしれない…。

しかし、ナゼ「仮装舞踏会」???

伊藤博文サンの思考回路に関して一抹のナゾは残りましたが(笑)、小規模精鋭という感じで、非常に内容が濃くて面白かったです。

美術館行脚 その1

2007年03月05日 | 美術館・博物館
週末に、展覧会を2つほど観てきました。

華麗なるハリウッド映画衣装展(大丸ミュージアム)

文字通り、ハリウッド映画を彩ってきた衣装やその資料を集めたもの。
衣装実物の出展は24作品で約40点ですが、映画の衣装(特に古いもの)はほとんどが散逸してしまって現存していないそうなので、そういう意味ではかなり貴重な資料ですね。
実際の着用場面の写真が添えてあったり、一部映像が流れているのもあったりと(これはDVDの宣伝も兼ねているんでしょうが)、なかなか見せ方を工夫してあって楽しめました。

会場入ってすぐ、一番目立つ場所に飾ってあるのは、『マイ・フェア・レディ』でオードリー・ヘップバーンが競馬場へ行くシーンで着ていた衣装。
タイトなラインと膝下から裾にかけて大きく広がってトレーンを引いたシルエットが美しい、白黒縞の大きなリボン(黒のベルベットと白いサテンを縫い合わせてあった)とお揃いの帽子がとても印象的なアスコットドレス。
あまり映画に詳しくない私ですら知っている有名な場面(&衣装)ですね。

展示作品は、歩くのが大変そうな豪華なステージ衣装から洗練されたモダンなドレス、くたびれた刑事さんまで、作品によってテイストはさまざまですが、気に入った(?)のは『風とともに去りぬ』の衣装。
スカーレット・オハラは白地にグリーン系のプリントを施したシフォンのふわっとしたドレス。
レッド・バトラーのジャケットは、映画の時代背景である南北戦争の頃(1860~70年代)に合わせてあるので、細かい部分のディテールが現代とかなり違って、モーニングコートの後ろ裾を切り落としたような形になっていました。
ただし、ここまで来ると、趣味の領域から西洋服装史のお勉強の範ちゅうに片足突っ込んでます(^^;

ちょっと笑ったのは、マリリン・モンローが『恋をしましょう』で着たホルダーネックのドレス。
いえ、シフォンを重ねたような、ピンクのグラデーションのドレスはとても綺麗だったんですが…マネキンのサイズが合わないんでしょうね、胸に詰め物していました(笑)

あと、意外と面白かったのが壁に展示してあったデザイン画の数々。
使った素材の切れ端や色見本が添付してあったり、余白に絵だけでは判らない細かいパーツの指示(「金のバックルのついた茶色のベルベットのベルト」、とか「ラムウールのトリミングをつける」など)が書き込んであったりと、非常に興味深かったです

覚え書き

2007年03月03日 | 美術館・博物館
年度末の3月は、美術館・博物館も展覧会の切り替えシーズンです。

見たいと思いながら、行けずにいるうちに会期が迫ってきてしまったものや、見逃してしまった展覧会も多々あり…。
そして今月末には東京国立博物館で『受胎告知』が公開されるし、六本木に移転したサントリー美術館も開館します。
いや~、大変、大変。

…で、とりあえず行きたいものをズラズラ挙げてみました。

『大名から公爵へ 鍋島家の華』 泉屋博古館分館 (~3/11)
『華麗なるハリウッド映画衣装展』 大丸ミュージアム東京 (~3/14)
『よみがえる源氏物語絵巻 平成復元絵巻の全て』 そごう美術館 (~4/1)
『和の布遊び ちりめん細工の世界』 たばこと塩の博物館 (~4/8)
『桜さくらサクラ・2007ー花ひらく春ー』 山種美術館(3/10~4/15)
『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像』 東京国立博物館 (3/20~6/17)&春の庭園開放(3/10~4/15)
◇開館記念展Ⅰ『日本を祝う』(前期) サントリー美術館 (3/30~6/3)

…さすがに全部は無理だぁね σ(^^;

このうち、大丸ミュージアムは前売りでチケット購入済み。期間が短いから、忘れないようにしないと(笑) ←前科アリ
むちゃくちゃ混雑が予想される東京国立博物館は、年間パスポートを使って潜入予定。
サントリー美術館は、GWに行われる染織研究家・吉岡幸雄氏の草木染ワークショップに応募してみた。当たるといいなぁ…。

今週末からJリーグが開幕するので、日程をやりくりするのがさらに難しくなりますからねぇ…。果たしていくつ見に行けることやら…(=_=;

眼福♪

2007年02月20日 | 美術館・博物館
先日、Bunkamura ザ・ミュージアムて開催されている『ティアラ展』を観てきました。

ダイヤモンド、アメジスト、エメラルド、サファイア、ルビー、真珠、アクアマリン…質の良い宝石をふんだんに使い、各時代の最高の宝飾技術を集めた煌びやかなティアラが実に100点以上。
時代ごとのデザインの変遷や、加工技術が発展していく様子が面白かった♪

印象に残っているのは2つあって、1つはベドフォード公爵家の「饗宴のティアラ」。
大きなドーム型のアメジストの深みのある紫色と、ダイヤモンドを使った葡萄の葉のモチーフがワイン(=酒宴の楽しみ)を暗喩するからこの名が付けられたんだそうです。
アメジストは確か語源が「酒に酔わない」という意味のギリシャ語だったと思うので、石の謂れともピッタリの名前ですね。

もう1つは、「スパイクとコレットのティアラ」。
石はダイヤモンドだけを使ったもので、「スパイク」は尖ったデザインのモチーフ、「コレット」は石の枠の形状。
名前も見た目そのままだし、「個人蔵」になっていて、誰が着用したのか、どういう経緯のあるものなのかは分りませんが、豪華絢爛!という感じの作品が多い中で、これはシンプルだけどとても上品なティアラでした。


会場は、意外と空いてました。
休日の午後だったので混んでるかと覚悟していたんですが、入り口付近で少し行列になったのと、あとは所々人垣ができている作品があったくらいで、じっくりマイペースで拝見できました。
あれだけの宝石をいっぺんに見る機会なんて滅多にありませんし、行ってよかったと思います。

ただ、一つ残念だったのは、図録に使われている写真がよろしくなかったこと。
いくら写真は本物の輝きにはかなわないといっても、もうちょっときれいに撮れるだろうよ…という感じでした。
明らかにありものの写真をトリミングして切り貼りした写真もあったしなぁ…

展示会場には名前と素材などのデータのみで解説のない作品が多く、個々の作品の詳しい解説が読みたかったので買ったけど、出展された作品が素晴らしかっただけに、ちょっと残念でした。

ちなみに、今回の展覧会では、宝飾関係のほかに、世界史の概略と美術史と欧州王室の家系図(とてもややこしい)も勉強できます…

おとこのおしゃれ展

2006年12月09日 | 美術館・博物館
文化学園服飾博物館で開催中の『おとこのおしゃれ―世界の男性衣装に見る美意識―』を見てきました。

職業や身分などの社会的制約が大きい男性の衣装の変遷と、世界各地の男性用民族衣装をテーマにした展示で、女性ものは一切ナシ(笑)
ファッション系展覧会としてはなかなか珍しいですね。

仕事柄、紳士服やフォーマルの歴史の本は一応読みましたが、やはり百聞は一見に如かず。

細かい意匠や素材の質感を文章や図版で表現するのは限界があるし、フランス宮廷衣装から英国貴族を経て現代までのシルエットの変遷も、実物の方が理解しやすいですから。

あと、フルオーダースーツの工程や素材の見本帳などが展示してあったのは、さすが服飾専門学校って感じですね(笑)

面白かったのは火消し達の半纏。
火消し半纏はリバーシブル仕立てになっていて、消火活動中は所属している組の紋が入った表側を着て、仕事を終えて引き上げる時は「水」にちなんだ模様(浜辺とか貝とか橋とか)を描いた裏側に返して着るんだそうです。

羽裏に凝るのは良く知られた話ですが、これもまた粋なお洒落。

制約があるからこその隠れたお洒落や細かなディテールへのこだわり…という感覚は万国共通なんですね。
色々な意味で、マニア心を刺激する企画展でした。


万華鏡展

2006年11月27日 | 美術館・博物館
昨日、表参道のギャラリーで開かれていた万華鏡のグループ展を見に行ってきました。
万華鏡作家の山見浩司氏と、山見氏が主催する万華鏡教室の生徒さんたちの作品展だそうで、中にはすでに作家として独り立ちされている方もいらっしゃるようで、私でもお名前を聞いたことがある作家さんの作品もありました。

万華鏡というと、子供の頃に買ったおもちゃ(千代紙のボディーで、ビーズが入っているやつ)というイメージだったんですが、実際には立派な芸術作品なんですね。

当初のイメージに近いのはドライタイプの万華鏡ですが、そのほかにオイルを使ってゆったりと柄が変化していくもの、オルゴールを利用したもの、ガラスやビーズetc.を貼り付けた円盤やドラムを回しながら見るものなど様々。
大きさも、手に持って見るものや置いたまま覗き込む大型のもの、指輪やペンダントなどのアクセサリーになっているものなど、形も構造も中身(?)も、実に多種多彩でした。

笑ったのは赤電話が万華鏡になっているやつ。
受話器を上げるとスイッチが入って音楽が流れ、中に仕込んだスピーカーの上に置いてあるものが振動動いて柄が変わっていく…というものでした。
しかも覗き穴はコイン投入口

美しいもの、ユニークなものなど様々で、とっても楽しめました。
ただし、三半規管弱いくせに少々調子に乗りすぎたのか、最後は軽い乗り物酔い状態になりましたが…(苦笑)

写真は、販売コーナーで買ったテレイドスコープ(先端の水晶玉を通して景色をそのまま見る万華鏡)で見たイルミネーション。
覗き穴に携帯カメラのレンズをくっつけて撮ってみました。

夜の彩

2006年11月05日 | 美術館・博物館
東京国立博物館の光彩時空を観てきました。

照明デザインの第一人者である石井幹子さん(東京タワー、レインボーブリッジ、国宝姫路城、白川郷合掌集落などのライトアップも手がけたらしい)のプロデュースによる光と音のイベントです。

本館、表慶館、東洋館、法隆寺宝物館、平成館とその周辺の木々をライトアップし、先週はまだ色づいていなかった木々が一気に紅葉したかの如く。あわせて邦楽ライブも行われ、夜空に浮かび上がった美しい建物と池に映る光彩、響き渡る笛や筝、鼓の音色が幻想的で、良くぞここまでやったなぁと驚きました。

宣伝の効果なのか、口コミで広まっているのか分かりませんが、夜の国立博物館とは思えない人出で、本格的なカメラと三脚を抱えてやってきている人も大勢来ていましたね…。

ぐるっと写真を撮って回って、ちょっと冷えたら臨時スタンドのホットワインとピザで一休み。
その後、本館前で演奏を聞いて、極楽気分で引き上げてきました。

ちなみにこのイベント、本日(5日)の21:00までです。