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翠日記

日々のよしなしごとや、ココロのつぶやきを…。

展覧会メモ

2009年10月13日 | 美術館・博物館
ゲージュツの秋ですから。
やっぱり美しいものでココロの栄養補給しないとね。

…ということで、行きたいなーと思った展覧会をずらずらと。
単なるメモです。覚え書きです。
全部行くのは物理的に無理ですから…(笑)


東京国立博物館・平成館
「皇室の名宝-日本美の華」 
http://www.bihana.jp/
1期、2期で全とっかえってスケール大きすぎでしょう…(嬉しいような迷惑なような…)
どっちかというと2期の方が好みだが見たいができれば両方。

ニューオータニ美術館
「肉筆浮世絵と江戸のファッション 町人女性の美意識」
http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/200910_ukiyoe/index.html
前後期展示替えアリ

国立新美術館
「THE ハプスブルク──華麗なる王家と美の巨匠たち」
http://www.habsburgs.jp/
やっぱりハプスブルグさん家といえば欧州の文化芸術の最高峰ですから。

上野の森美術館
「聖地チベット──ポタラ宮と天空の至宝」
http://www.seichi-tibet.jp/
この間テレビでポラタ宮特集を見たのでちょっと興味あり。

サントリー美術館
「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol05/index.html
吉岡幸雄先生のワークショップ申し込むの忘れた。

次回展示も。清方スキ。
「清方/Kiyokata ノスタルジア-名品でたどる 鏑木清方の美の世界-」


東京都写真美術館の 故・稲越功一氏 の写真展、昨日までだったんだよね…。
会期勘違いしてた。失敗したー(T-T)
買えたら図録だけ買おうかな…。


…我ながら、節操がない…という自覚はあります。はい。

三井寺の声明

2009年03月04日 | 美術館・博物館
サントリー美術館のエデュケーションプログラム「三井寺の声明」に行ってきました。

早く行けば展示も見せてもらえたのですが、早退どころか終業間際に面倒な電話が2件…。
結局、開演15分前滑り込みでした

開演後、まずは三井寺の執事さんから声明や内容の説明があり、その後に奏楽とともに三井寺執事長の先導で
大僧正を筆頭に僧侶13名が入場。

席に落ち着くと、鳴り物を合図に声明曲や真言を8曲(?)ほど立て続けに唱えて、
退場するまで1時間15分くらいでした。
通常は当然仏様の方を向いて座るのですが、今日は声明公演なので観客と対面して座る形。
お坊さんと対面で座る機会って滅多にないので、なんだか不思議です(笑)

声明は法要儀式で仏教の経文に節をつけて唱える宗教賛歌です。
宗派によって調子や抑揚など、いろいろ異なります。
執事さんの説明によると、三井寺(天台宗寺門派)の声明はテンポが速く力強いので「怒り節」などと言われていて、
同じ天台宗でも比叡山系(天台宗山門派)はもっとゆったり滑らかなんだそうです。

で。初めて聴いた声明は、想像以上に「音」でした。
聴く前はもう少しお経っぽい…というか、「普通の読経に旋律をつけて合唱にした感じ」を想像していたんですが…
違いました(^^;

大半が梵語(サンスクリット語)の讃で、2~3曲が漢語讃だったらしいんですが、梵語はおろか漢語の方ですら、
何を唱えているのやら全く聴き取れず。
読経だったら、ある程度は言葉がわかりますからね。
こんな表現をしたら叱られるかもしれませんが、激しくこぶしを利かせて唸ったり詠じたりしている感じです。

でも、解らないなら解らないなりに瞑目して聴いていると、その「音」が心地よく…
日ごろの憂さを忘れられる響きで、澱が溶けていく感じでした。

今回は窓の外に街の夜景が広がるビルの一室でしたが、これがお寺の御堂だったらまた響きが違うんだろうな。
展覧会のイベントという形でしたが、声明を聴くことができて、いい体験をさせてもらったと思います。
機会があれば、他の宗派の声明も聴いてみたいですね。

あと、出演者一覧に階級も書いてあったので、僧衣の格式がわかって面白かったです。
袈裟は権僧正以上が緋色、僧都以下は紫色。
大僧正は、法衣が京紫で袴も紫色の綾紋織物。
僧正は紫の法衣に浅葱色の無地袴という感じ。当然ながら格が高いほど華やかでした^^


あ~、何だか久し振りに写経したくなってきた…。

展覧会メモ

2009年02月16日 | 美術館・博物館
要するに、ただの覚書です(^^;

現在、サントリー美術館はお寺系ですな。
★『国宝 三井寺展』
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol01/index.html

三井寺は一昨年の秋に近江旅行に行ったときに訪れているので、時間があったら見てみたいと思います。
エデュケーションプログラム、『三井寺の声明』はとりあえず申し込み済。
声明(平たく言えば法要のお経)の公演って、一回観てみたいんだよね。
当たるといいなー。


続いて服飾・デザイン関係を3つ。

★『祝祭の衣装展』―ロココ時代のフランス宮廷を中心に―
http://www.mmat.jp/

@目黒区美術館 3月29日まで
昨日、銀座駅でポスターを発見。
ロココ全盛期のフランス宮廷ってことは、頭に帆船乗っけたりしてるんだろうなーwww
それに、エンパイアスタイルの逸品、ナポレオン戴冠式の皇妃ジョセフィーヌの復元衣裳はぜひとも見たい。
神戸ファッション美術館の衣装コレクションが来るのは嬉しい~


★『ポワレとフォルチュニィ』―20世紀のモードを変えた男たち―
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/poiret/index.html

@東京都庭園美術館 3月31日まで
昨年、神戸ファッション美術館で開催された展覧会をアレンジしたもの。
アールデコ建築の美術館に「20世紀初頭の夜会」のイメージで展示されるドレス。
こりゃ見物ですぜ。
神戸ファッション美術館つながりで目黒区美術館と相互割引があるらしい。
庭園美術館名物「ドレスコード割引」は「ポケットチーフをのぞかせて」
…って、どっちかというと男性向けの割引だなー今回は(^^;


★『生活と芸術――アーツ&クラフツ』展
http://www.asahi.com/ac/

@東京都美術館 4月5日まで
これは駅のポスターなどで気になってる展覧会。
家具やテーブルウェア、ファブリック、服飾、書籍やグラフィックデザインまであるらしい。
室内装飾を総合的に扱った展覧会って結構珍しいと思うんだよね。

目黒区美術館と庭園美術館は絶対行きたい!
…と思ってるんだけど、すでに2月3月のスケジュールは混雑気味。
果たして野望は叶うのだろうか…。

王朝雅の絹文化

2008年09月03日 | 美術館・博物館
30日(土)、京都の風俗博物館から出張展示があるとのことで、高崎の「日本絹の里」に行ってきました。

風俗博物館は、西本願寺の近くにある小さな博物館で、『源氏物語』に出てくる光源氏の大邸宅『六條院』の一部を4分の1サイズで再現した建物に、当時の生活風俗を精緻に再現して展示しています。
建物・装束はもちろん、細かな調度品に至るまで、本当に手が込んでいて、嘆息ものなのです。
また、実物大展示室では、当時の調度品などが置かれており、狩衣や小袿などを着てみることもできます。

その風俗博物館が関東地方で出張展示してくれるとなれば、こりゃー行かないわけには参りますまい。
しかも、初日の30日は、風俗博物館の事務局長、寺石勲氏が展示品解説をしてくださるとのことで、
これを目当てに行ってきました。
展示内容は以下のとおり。

◆六條院・春の御殿
『源氏物語』第34帖「若菜上」より。
京都の風俗博物館では、春の御殿の寝殿と東の対を展示していますが、
今回は会場の都合上、一部省略して寝殿と東の対への渡殿、女房たちの局までの展示でした。

【母屋・南廂・庭】

蹴鞠に興じていた夕霧(左)と柏木が寝殿正面の階(きざはし)で休息しているところに、
女三宮の唐猫が飛び出してきて御簾を撥ね上げ、柏木が女三宮の姿を見てしまう場面。
散り敷く桜の花びらが晩春の風情を漂わせています。


蹴鞠に興じる貴族たちと、それを眺める蛍兵部卿宮・光源氏。
向かって左側に沓の緒を従者に直してもらう公達がいたりと、実に芸が細かい。

【東廂】

饗応の準備をする女房
女房が運んでいるのは、椿餅というお菓子。そのほか、果物や酒などが用意されています。

【局】

「女房の日常」として、双六・偏つぎに興じる女房と女童
「偏つぎ」は漢字の偏と旁をバラバラに書いた手札を組み合わせて漢字を作る遊びだそうです。
遊びながら漢字も覚えられて一石二鳥。現代にも通じる遊びですね~。

【孫廂・北廂】

四季のかさねの色目
複数の色を配色して季節感を表現する…色彩感覚と教養の見せ所です。
色目の由来となった植物などを側に飾ることで、名前の由来を理解できるようになっていました。

【西廂】

舞楽の衣裳を着けた童たち。
赤系の衣裳が左舞の「迦陵頻」、青系の衣裳が右舞の「胡蝶」

◆実物大展示資料
女性用は女房装束2組、小袿・檜扇・帖紙
男性用は、束帯、衣冠・直衣・狩衣・冠・烏帽子・笏・蝙蝠(かわほり)・檜扇・浅沓・飾剣
このほか、調度品として几帳・二階棚や、源氏物語屏風「澪標」「若菜下」、
有職文様着尺などが展示してありました。


展示品解説では、これらの展示をぐるりと一周しながら、
寝殿造りと呼ばれる建物の構成や建具・調度品
狩衣や直衣の構造や、帯刀する刀の種類、束帯の下襲の扱い方
平安時代と現代の「女房装束」の着装方法の違い、いろいろな言葉の語源
――など、当時の建物や衣裳、風習について、詳しく解説してくださいました。

平安王朝時代の風俗、特に装束に関しては、多少は知識を持っているつもりでしたが、
解説を聞いてみると、知らなかったことや間違えて覚えていたこともあり…
時間の許す限り、質問にも丁寧に答えてくださって、とても勉強になるとともに、
改めて、この時代の文化に興味がわいてきました。

しかし…関東だから近いと思ったら意外と遠かった…
…というか、この「日本絹の里」、駅からのアクセスがあまり良くないので、
高崎駅からの移動が大変でした。
高崎駅からはバスの本数が比較的多いようですが、バス停から「絹の里」まで徒歩20分!
前橋駅からは2系統で、会場近くにバス停はあるけれど、本数が1日に3本、
もしくは1時間に1本程度…
ホームページには高崎駅からタクシーで25分程度ですが、気楽にタクシーを使うと、
景気良く上がっていくメーター料金に嫌な汗をかくハメになります(経験談)
これから見学に行かれる方は、可能であれば、車で行かれることをお勧めします。
(駐車スペースは豊富です)

私のように、免許なし・公共交通機関頼りの方は、バスの時刻表をよくよく吟味して、
地図を確認してからいらしてください。
また、平常展示では群馬県の絹文化の歴史を紹介していますし、
染色体験教室(予約制)なども開催しているので、こちらと合わせて楽しむのも良いかもしれません。

飾り結びを楽しむ

2008年08月03日 | 美術館・博物館
土曜日、サントリー美術館のワークショップ「飾り結びを楽しむ」に参加してきました。
茜染め、浮世絵体験に続いて、今回で3回目です。
ほぼ毎回応募はしているんですが、なかなか競争率が高くてね…

今回は、茶道具の仕覆などに使われる飾り結び(こういうやつ)の基本(梅・桜・桔梗)と蜻蛉結びを練習。
参加者約40人全員に仕覆を用意するのは無理なので、花結び練習教材の色紙です。

花結び3種は、五弁の花(コレが基本形の梅)をつくり、つまんで花びらの形を変えることで桜や桔梗に変化させます。
正絹の紐はハリがあるので、曲げたりつまんだりして形を自由に造ることができます。

 

蜻蛉も基本は一緒。体になる部分のために輪をひとつ余計に残し、頭や羽の輪の大きさが変わるだけで、花が昆虫になってしまいます。
コレ、最初に工夫した人って凄い想像力ですよね…。



一見複雑に見えますが、花なら五弁の花びらのいちばん上の一枚を、蜻蛉なら頭の部分を引っ張ると、するりと解けて1つの輪に戻ります。
袋物の紐の結び方なんだから、当たり前といえば当たり前なんだけど、解ける瞬間は割と感動的です(笑)

花結びの後は、「結び」を応用したアクセサリーということで、チョーカーを作成。

  

「左右結び」という、ごく単純な結び方を連続させたものなんですが、ビーズを加えたことでボリュームが出て、なかなか華やかなものが出来上がりました。
所要時間、1時間弱とは思えない出来でしょ

茶道をやっているわけではなし、今後も自分で仕覆の緒を結ぶ機会なんてないとは思いますが、1本の紐から色々な形を造りだす工程は面白かった
そして、アクセサリー作りはもともと好きな分野なのでハマりそうなニオイがします…w

ワークショップの後、開催中の「小袖」展も拝見しました。
いやー、凄かった。良くぞあれだけの名品を集めてくれたものですわ…。
コチラに関してはまたゆっくりと感想を書きたいと思います。

「対決」と「NIPPONの夏」

2008年07月23日 | 美術館・博物館
だいぶ日がたってしまいましたが、先週末も展覧会を2つほど鑑賞してきました。
最近、やたらと美術館・博物館通いしています。
夏の特別展、今年はなぜかやたらと私好みのテーマが多いもので…

まずは土曜日。東京国立博物館の対決-巨匠たちの日本美術展へ。
朝顔市に立ち寄った後、上野に向かい、博物館正門に着いたのが開館30分前の9:00すぎ。
私よりも先に20名ほどが門前に居ましたが、予想よりは少なかったかな
もっとも、開門直前には、後ろに長蛇の列ができていましたが…。

展示室に入ると、いきなり運慶と快慶の地蔵菩薩像でお出迎え。
続いて雪舟と雪村、永徳と等伯、長次郎と光悦、宗達と光琳…という具合に続いていきます。
焼き物系の長次郎と光悦(楽焼茶碗)、仁清と乾山(色絵陶器)以外は、屏風画や障壁画などの巨大な作品が多かったため、人の流れが速くて、展示ケース前に行列を作ることもなく比較的スムーズに見れた方だと思います。

しかしまぁ…12組24人の巨匠の作品群、総計110作品。
実際には、前後期展示換えのものもあるから、東博の特別展としては作品数はそれほど多くはないんですが…
やたらと国宝・重文率が高い名作の数々は、まるで美術の資料集をナマで見ているかの如く。
とてつもない存在感を持つ作品たちには圧倒されました。

なかでも一番楽しみにしていたのは応挙 vs 芦雪の師弟コンビ。
応挙の猛虎図屏風や保津川図屏風、芦雪の虎図襖などをたっぷり堪能しました。
ただ、若冲 vs 蕭白のあたりで疲れてしまって集中力切れ。
終盤はあんまりちゃんと観れなかったのは残念でしたが…。


1日飛ばして、海の日(21日)は三井記念美術館へ。
「Nipponの夏」展を鑑賞してきました。

展示の最初の方は、三井家代々のコレクション(主に茶道具)。
正直、茶道具のことは全く判りませんが、「夏の茶会」をテーマに作品を選んでいたようです。
しかも、「対決」展にも出ていた長次郎や仁清などのほか、
素人でも聞いたことある作家の作品がズラズラと並んでおりました。
さすが三井一族…。

そして、第4室から特別展エリア。
『朝の章』で朝顔と涼の粧いを特集。
朝顔図の掛軸や朝顔蒔絵の茶籠、手の込んだ意匠の帷子、ガラスの装身具など。
珍しいガラス煙管などもありました。実際に使っていたようです。
煙管や煙草入れなどの喫煙具類は色々なタイプのものを観たことがありますが、ガラス製は初めてです…。
あと、朝顔図の掛け軸の表装がものすごく凝っていて感動。
ちゃんと夏物らしく絽を使ってあり、柄は朝顔の蔓にあわせたのか、唐草柄を使ってありました。

『日盛りの章』では、水辺の風景や夏の祭礼と行事を描いた浮世絵、
夏らしいデザインの小物、涼の器など。
ここはもう、丸山応挙の「青楓瀑布図」を観ることができただけで幸せ。
比較的空いていたので、近づいたり離れたり、いろいろな距離感や角度でじっくり楽しみました。
このほか、本物そっくりの彩色象牙の無花果と茄子の置物や、
とっても肺活量が要りそうな巨大な「ぽっぴん」など、面白いものがザクザクでしたw

『夕暮の章』では夕立と夕涼み、『夜の章』では舟遊びや花火、蛍狩りなどの風俗を、
浮世絵や軸物の絵画などを中心に展開していました。

現代よりは遥かにマシとはいえ、江戸時代だって夏は暑い。
そんな季節を江戸の人たちがどう過ごしていたかを垣間見ることができる構成になっていて、
なかなか充実した内容だったと思います。

藍染の花嫁衣裳

2008年07月07日 | 美術館・博物館
今日届いたメルマガ、『七緒』のきものだより vol.23のイベント情報に、気になる展覧会のお知らせが載っていました。


◎ジャパンブルー、藍染の花嫁衣裳
安藤宏子展「日本の色・藍・茜・紫と木綿の花嫁衣裳」
【入場料】 無料
【日程】 2008年7月5日(土)~7月15日(火)
【営業時間】 11:00~19:00 (水曜定休)
【場所・問い合わせ先】 「ミキモトホール」 東京都中央区銀座4-5-5 銀座ミキモト本店6階

日本の藍・茜・紫… 好きな色です。
そして、化学染料ではなく、天然の藍・日本茜・紫根を使って鮮やかに染め上げるのは、高度な技術と手間ひまのかかる作業だそうです。
昨年、サントリー美術館で行なわれた吉岡幸雄先生のワークショップに参加して「茜染め」を体験しましたが、この時も、「日本茜は難しいから西洋茜にしました」とおっしゃっていました。

そんな日本の伝統染料を使って、藍染作家の安藤宏子さんが手掛けた作品、約150点が展示されるそうです。
作品の中には、木綿が貴重品だった東北地方で伝統的に作られていた、木綿の婚礼衣裳もあるようです。
木綿の婚礼衣裳…どんなのでしょうね。ちょっと、想像つきません。
でも、手をかけて織られた高級な木綿には、柔らかな光沢と絹にも劣らぬ気品がありますので、控えめながらもしっとりとした美しさがあるのかな。
…などと想像を膨らませつつ…

会期が短いのが難点ですが、時間をやりくりして、ぜひ拝見したいものです。

Artな週末

2008年07月06日 | 美術館・博物館
この週末は、美術館・博物館三昧でした。

まず、土曜日はサントリー美術館再び。
前回は独りで行きましたが、今回はチラシを見せて興味を示していた知人を引率(?)。
基本的にはすでに一度見ている私がナビ担当だったんですが、知人は私の苦手な武具関係に割と詳しいので、その辺は逆に解説してもらいました。
おかげで前回気づかなかったところに気づいたりと、なかなか勉強になりました。

そして日曜日。上野で2館ハシゴしました。
まずは国立西洋美術館、『コロー 光と追憶の変奏曲

コロー展は地下鉄の駅でポスターを見て、画風がちょっと好みだなーとは思っていたんですが、普段は日本文化系が中心で西洋系、特に絵画展は滅多に観に行かない私。
当然、画家についても激しく疎いので、そのポスターになっていた絵以外にどんな作品があるかもわからず。
普通なら迷っているうちに会期末を迎えるといういつものパターンになるところだったのですが…
漠然と展覧会公式サイトを見ていて、とあるページで固まりました。

…はい、音声ガイドを目当てに行った不埒者です。ごめんなさい。

いや、でも、動機は不純でしたが(笑)、行って良かったです。
透明感のある色彩、光と影の使い方、繊細な筆致、構図…どれをとっても、素晴らしい。
癒される風景でした。
こんな景色のなかで、ゆったりとすごせたら幸せだろうなぁ…。


続いて、ご近所の東京国立博物館へ。
表慶館で開催中の特別展『フランスが夢見た日本―陶器に写した北斎、広重』を観ました。

北斎漫画や広重の浮世絵などを題材にして作られた、いわゆる「ジャポニズム」のテーブルウェア、「セルヴィス・ルソー(ルソー・セット)」と「セルヴィス・ランベール(ランベール・セット)」を、元絵になった浮世絵や版本と並べて展示するという趣向です。

趣向はとっても面白くて、原画と見比べながら楽しく拝見しましたが…テーブルウェアとしてはかなりエグイです。
特にルソーセットの方は…(苦笑)

だって、凶暴そうな雀とかリアルな蛾とか、鵞鳥と金魚が同居している皿とか魚のお腹とか…(以下省略)
北斎漫画などの戯画系は大好きですが、それをテーブルウェアにするとなると…

結論。
「やっぱジャポニズムのセンスって理解不能


でも、「ランベール・セット」の方で河鍋暁斎の『暁斎楽画』を題材にしているものが多いおかげで、その原画も観ることができたのは予定外の収穫でした。
知らなかったけど、『暁斎楽画』って千葉市美術館で結構持ってるのね…。
特集で展覧会やってくれないかなー。

面白そう♪

2008年07月03日 | 美術館・博物館
新聞の美術館情報で発見。
江戸時代の夏の風俗をテーマにした展覧会だそうです。


特別展 シリーズ美術の遊びとこころ
NIPPONの夏 ―応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで

三井記念美術館(日本橋)
2008年7月12日(土)~9月15日(月・祝)
前期 7月12日~8月10日、後期 8月13日~9月15日

http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_02.html


ホームページを見た限りでは、なかなか面白そうな企画です。
何でも、「夏ならでは」の動植物や行事、娯楽、風俗などを表現した絵画や工芸品を
朝・昼・夕暮れ・夜の時間帯に分けて展示してあり、
美術品を鑑賞しながら、江戸時代の夏の一日を追体験できる趣向、らしいです。

去年サントリー美術館に出ていたときには見逃してしまった丸山応挙の『青楓瀑布図』も
出品されるらしいし、他の浮世絵類もなかなか好みのものが展示されそうな雰囲気。
開幕したら行ってみようかな

KAZARI -日本美の情熱-

2008年06月22日 | 美術館・博物館
昨日の夕方、『KAZARI -日本美の情熱-』展@サントリー美術館を観て来ました。
サントリー美術館は、水~土は夜8時までやっているからありがたいです。

時代や作者、カテゴリーを限定するのではなく、「装飾」そのものをテーマにしたちょっと珍しい切り口の展覧会。

それこそ、縄文式土器から始まって、仏具などの宗教美術・絵巻物・室内調度・陶磁器・武具・装身具・衣装・祭礼飾りに至るまで。
バラエティーに富んでいるというか節操がないというか(笑)
精緻な細工物から大胆な意匠まで、色々あって面白かったです。

今回の展示の中では、武具のコーナーが意外にも一番楽しかったですね。
戦国時代には、源平時代以降に隆盛を極めた華麗な大鎧と違った「当世具足」と呼ばれる、もっと機能的な甲冑が使用されていたわけですが、その兜がねぇ…
みんな、ヘン

「富士山」や「兎耳」や「鯱」など、色々と具象的なデザインを取り入れていて、それぞれ色々と縁起のある謂れがあったりするんですが…。
こんなのが戦場にあふれていたのかと思うと、ちょっと脱力します…。

特に笑えたのは「富士山形」。
言われてみれば確かに富士山ぽい形の三角山だけど、これ、被ったら富士山ってより烏賊だよなぁ…と思ってしまった…。
コレばっかりは、百聞は一見に如かず、です。
ええホント、興味を覚えた方は会場で実物をご覧ください。笑えるから。

いちばん気に入った(?)のは、家康以下、徳川家一門や家臣団の馬印や母衣、旗指物などの軍装を描いた屏風。
その屏風の前に張り付いて、土井大炊頭(利勝)とか井伊掃部頭(直政)とかを発見して喜んでいたバカモンです。

そして、台徳院(秀忠)のところに描かれていた馬印。
巨大な金扇の馬印なんですが…これ、去年「大徳川展」に実物(たぶん)が出てた!
そのときは、家康の馬印になっていたような気がするけど、ああいうものは代々引き継がれるんだろうし、この屏風が描かれたときには秀忠の所有とされていたんでしょうね。

いやー、あの屏風、レプリカでいいから欲しいわ。

サントリー美術館は、次回の展覧会「小袖 江戸のオートクチュール」も必見。
会期を3期に分けて展示替えするらしいから、気をつけよっと♪
(↑全部観る気でいるらしい)