固定局の135kHz用トランスバーターは真空管を使用してしまい、重い、部品の入手難等々苦労しているため、移動局用は半導体でスマートにと思っている。
以前、TVのイヤフォーン用アダプターアンプを作ったことがあり、廃ラジオから取り外した ICを使用していたと思い出して、蓋を開けてみたら、東芝 TA7208Pが見えた。この種のICはOTLで比較的高い周波数まで動作しそうだ。回路は東芝のテスト回路通りとしている。データーシートによると、9V 4Ω負荷で2Wとある。なお周波数特性表は100kHzで終わっていた。都合よく妄想すると、135kHzは2W程度パワーが出て、第2高調波以上はほとんど出ないと願い、簡易テストしてみた。
SGの信号135kHzをTS-850Sで直接、それとTA7208Pを通してSP出力を直接アンテナ端子に、またSP出力にステップアップトランス(TDK4924と表示のコアに30回巻、10回タップ付き。)をつけて、の3条件でTS-850Sの135kHz、270kHz、405kHzのSメーターを読んだ。
結果、135kHzは直接受信に比べ、SP出力を直接アンテナ端子で45dB、更にトランス経由し数dBのアップとなる。高調波は、少なくとも第2までは同様に増幅、第3でようやく数dB増幅が下がる程度で、(試しに、1,820kHzを入力したら、約10dBの増幅だった。)この点では、妄想に比べて成績が良すぎるようだ。
トランスの出力にダミーアンテナを接続、TS-850Sは4mの釣竿アンテナでS=8で受信できるので、1~2W出ていると想像している。
一応、「この種のオーデオパワーアンプICは135kHzでも使えそう。」と判った。応用をいろいろ考えるのも面白いと思う。