夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

コント『特派員報告2』

2019-09-14 15:52:20 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
       

テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・・テケ・ツク・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・


  
           コント『小泉劇場』


え〜、ようこそいらっしゃいました。厚くオン礼申し上げます。
え〜、この前に特派員報告をやりましたが、
今回は、その姉妹編というわけでございまして、
なんですねえ、政治の世界ってのは奇々怪々でございまして、
事実は小説よりも奇なりと申しますが、
外国通信社の日本特派員にとりましては
まことに骨の折れる仕事でごぜえます。



8月20日

スットコ 「ニュース送りまっせぇ」

デスク  「なんだ、また、おまえか?」

スットコ 「また、・・はないでしょう。
      ヘイ、特派員のスットコ・ドッコイでごぜえます」

デスク  「まだ、下手な大阪弁を使ってるのか?」

スットコ 「いえ、今度は江戸弁でいきやす」

デスク  「まぁ、ええわい・・。で、今日は何のニュースだ」

スットコ 「へぇ、最近の日本の政局ですが、まあ、なんとも奇妙キテレツ・・」

デスク  「また、笑わせるネタか? 笑う門にはなんとやらで、まあ、いいだろう」

スットコ 「へぇ、今月、突如、衆議院が解散になりやした。へぇ」

デスク  「それがどうした?」

スットコ 「へぇ、この解散には、いろんな名前が付いてやす。
      "わがまま解散" "郵政解散" "みせしめ解散" "遺恨解散"なんて」

デスク  「わけがわからん。・・で、結局何んなんだ・・?」

スットコ 「へぇ、小泉首相が熱を入れて来た"郵政民営化法案"が参院で否決された
     もんで、衆院を解散・総選挙にしたってわけで・・」

デスク  「わからんナ? 日本の衆院は、参院の尻拭いをするという規定でもあるの
     か?」

スットコ 「さぁ、規定はないと思うけどね・・。電光石火の解散で・・」

デスク  「・・で、その"みせしめ解散総選挙"の争点は、何んなんだ?」

スットコ 「選挙の争点は、郵政法案に賛成か反対か、どっちかにせい・・と云うこと
     ですな」

デスク  「それだけか?」

スットコ 「へぇ、・・ほかにはありまへんな」

デスク  「日本が今抱えている重要問題は、たったそれだけか・・?」

スットコ 「とんでもごぜえません・・・、
      年金を初めとする社会保障もんだい。近隣諸国との外交もんだい。
      拉致もんだい。
      景気対策を初めとする経済・財政もんだい。
      高齢化・少子化社会もんだい。
      国土防衛と自衛隊の海外派遣もんだい。
      憲法や教育と歴史教科書もんだい。
      靖国神社と戦犯もんだい。・・・などなど、盛りだくさんごぜえます」

デスク  「それらは、争点にせん・・ということか?」

スットコ 「へぇ、そのようで・・"郵政"が"踏み絵"になってやして、政権党である自民党
     は、これに反対する候補者を敵と見なして、党の公認にせんということです
     な」

デスク  「日本は、いつのまに独裁政権になったんだ?」

スットコ 「日本は、民主主義政権でっせぇ・・・」

デスク  「おまえは、寝ぼけてるんだ。顔を洗って、よーく周りを見ろよ。
     クーデターになれば、独裁政権なんてものは、一夜にして出来るもんなん
     だ」

スットコ 「クーデターが起きてたとは、知りまへんでしたな・・!?」

デスク  「人知れずにこっそりと起きたんだろう・・。
      で、敵と見なされた議員たちはどうしてる!?」

スットコ 「へぇ、しょうがないから無所属で出馬する人が多いですな。
      遺恨のある人たちは新党を立ち上げてやす」

デスク  「なるほど! 遺恨政党か?」

スットコ 「首相は、これら造反組に次々と"刺客"を送り込んでやす」

デスク  「刺客!? 殺し屋か?」

スットコ 「"刺客"ってぇのは、対抗馬となる候補者でやす。
      落下傘部隊の"くノ一忍者"がもてはやされてやす」

デスク  「落下傘部隊のくノ一忍者!?」

スットコ 「なんせ小泉劇場でごぜえますから、いろいろ出てきやす。
     "疑惑の商社"と云われて逮捕された、あのオッサンも新党を立ち上げ
     やした」

デスク  「なに? ・・あっ、あのオッサンか! 疑惑が多過ぎたから無理だろう・・??」

スットコ 「いえ、日本人は忘れっぽいし、何よりも知名度を崇拝する習性がありやす」

デスク  「なるほど! 忘れっぽいのと知名度崇拝か?」

スットコ 「それから、ある県知事までが新党を立ち上げやした」

デスク  「なに!? おまえは、また記事を面白くしようと企んでないか?」

スットコ 「また、疑惑の目で見る〜・・」


8月27日

スットコ 「お早うさん。ニュース送らせてもらいますワ」

デスク  「時々、大阪弁が混じるようだな?」

スットコ 「へぇ、もうチャンポンでいきますワ。
      ・・で、知事の新党でごぜえますが、人数が一人足りないってんで、
      遺恨新党から一人分けてもらいやした」

デスク  「選挙互助会みたいだな?」

スットコ 「へぇ、もう互助会ですがな。
     この候補者は、一週間に3つの政党を渡り歩きやした」

デスク  「それは新記録に値するんだろうな?」

スットコ 「へぇ、さて・・、"刺客"の中でも悪名高いのが
     ライブドア社長の"ホリエモン"でごぜえます」

デスク  「石川五右衛門の親戚か!?」

スットコ 「まあ、似たようなもんでごぜえますが、自信過剰で高慢チキで、
     なんでもカネカネカネの亡者ということで、評判はよろしくないようで」

デスク  「何で、そんなのが刺客に選ばれたんだ!?」

スットコ 「知名度が抜群からでやす」

デスク  「また知名度か!?」

スットコ 「知名度は、日本人にとって神様でごぜえます。
     ・・で、そのホリエモンでごぜえやすが、自民党を3,000億円で買ったるー
     っ・・と豪語してまっせ」

デスク  「信じられん。自分を推してくれた政党に、選挙中にそんな発言を
      するのか!?」

スットコ 「へぇ、なにしろ、知名度の神様でごぜえますから・・。
      総裁の座も400億円で買うんだそうで・・・・・。
      だけど、ライブドアの美人広報は、"応援しない"と言ってますでェ」

デスク  「そんな男を刺客に選んだ首相側は、どうなってんだ!?」

スットコ 「へぇ、内閣府で政策担当をしていた人物が何人か飛び出して、
      野党の民主党から立候補してますがな・・」

デスク  「ひっひっひっ・・・、おまえは、記事を面白くつくる天才だな・・?」

スットコ 「また、疑惑の目で見る〜・・。ホンマのことでっせぇ」



8月29日

スットコ 「お早うさん。ニュース送らせてもらいますワ」

デスク  「わかっとる、わかっとる。政策担当をしていた人物がまた何人か飛び出
      して、小泉人気に陰りが見えて来たってニュースだろう?」

スットコ 「へぇ、それは素人判断でごぜえやして、
      世論調査では、小泉内閣の支持率が53%と解散前より上向きやした」

デスク  「わからんな〜・・?」

スットコ 「小泉首相は、自分自身をガリレオに例えてますでぇ」

デスク  「どういうこっちゃ・・?」

スットコ 「へぇ、"郵政民営化"は地動説で、これに反対するやつらは天動説だって
     ことで」

デスク  「なんでも持って来るんだな・・。だが、わかりやすくて、大衆受けしそう・・」

スットコ 「へぇ、また、ある選挙区では珍騒動が起きてやす」

デスク  「どんな騒動だ?」

スットコ 「へぇ、小泉首相はその造反候補者に対して、
      その選挙区内の現職の市長を刺客として送り込みやした」

デスク  「現職の市長をか?」

スットコ 「へぇ、ですがこの二人は、もともとお互いに選挙の時は応援するってぇ
     仲良しコンビでやした。・・で、喧嘩は避けようってんで、市長が衆院選に
     出馬する代わりに、造反候補者は市長選に出馬するってぇことに・・」

デスク  「ブッ! おまえは、朝から酒を呑んでるんじゃないだろうな」

スットコ 「また、信じてくれへん〜・・。ホンマのことでっせぇ」



8月31日

スットコ 「お早うさん。ニュース送らせてもらいますワ」

デスク  「きょうは、呑んでないか?」

スットコ 「酒なんか呑んでまへんがなぁ。きょうは、一つだけですけどな・・」

デスク  「なんだ?」

スットコ 「昨日、首相官邸前で、50代のおばはんが、切腹しましたでぇ・・」

デスク  「なんだあー??  武士は、男だけじゃなかったのか?」

スットコ 「男だけと思いますけどなぁ、この場合は女やねん・・」

デスク  「なにを言ってるんだ! どアホ!! 酔いを覚まして出直せ!!」

スットコ 「また、信じてくれへんワ〜・・。ホンマのことでっせぇ!!」



9月3日

デスク  「起きろっ。酔っぱらい!! 何かニュースはないのか?」

スットコ 「へ、へィ。えらい早いでんな?」

デスク  「一日一回は、健康の為に笑う必要があるが、
     おまえのニュースが来んと笑う機会が無いんだ。この苦しみ、解るか?」

スットコ 「あたしゃ、落語家やあらしまへんでェ・・。
     そやけどなぁ、いま、これといってあらへんねん・・」

デスク  「"くノ一忍者"達はどうしてる、あの落下傘部隊の・・?」


          ----------(続く)-----------





コント『特派員報告』

2019-09-13 20:04:36 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
    


テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・

         『特派員報告』  

え〜、毎度ありがと〜さまごぜえます。へたな日本語ですんまへん。
え〜、ワタクスはまだ前座でございまして、本名はヘンテ・コリンといいますです。
師匠は、それなら芸名は「へんてこりん」がいいということで、・・・即決してしまいました。
ワタクスの知人の友人のそのまた知人の友人の知人の友人がですな、
外国通信社の日本特派員として派遣されて来ましたんですわ。
文化の相違もあってなかなか大変みたいですよ。


デスク 「ヘイ! スットコ・ドッコイ!
     君は、海外特派員の経験は始めてだが、ひとつ云っておく。
     異質な文化に早く溶け込むことだ。いいか、忘れるな!」


スットコ 「ハイ、しっかりやりますです」


デスク 「君の担当は、" 最近の日本の政局 " というコラムだ。
     読者に受けるニュースであることは必要だが・・、
     記事を面白おかしくデッチ上げるなよ。ワカッタナ!」


スットコ 「ハイ・ハイ・OK・OK・よ」


デスク 「返事は一回でええわぃ。このドアホめ!」




・・・というわけで、勇んで日本に赴任して来ましたです。
ほんで、彼は、まず日本語の勉強を始めようとしたんですが、
任地が大阪だったので、とりあえず大阪弁を覚えましたようで・・。




3月1日
スットコ 「ニュース送りまっせぇ」


デスク 「 おまえは、誰だ?」


スットコ 「やだねぇ・・。特派員のスットコ・ドッコイでんがなぁ。
      大阪弁で送ったるでぇ」


デスク 「 母国語を忘れたのか! このアホンダラめ!」


スットコ 「デスクに云われた通り、異文化に溶け込んでますねん」


デスク 「 まぁ、ええわい・・。大坂弁でやれ・・」


スットコ 「へぇ、最近の日本の政局でんが、まあ、なんとも複雑怪奇でんね」


デスク  「"へぇ"と云う単語の意味が解らん。何だ・・"へぇ"とは」


スットコ 「へぇ、異質な言葉の勉強や思て最近、寄席に通うてますよって、
      つい口癖になりやして、"ハイ"と同じと思いなはれ。へぇ」


デスク  「その"YOSE"とかに行くのも、ほどほどにせえ。・・で、政局がどうした?」


スットコ 「森内閣の支持率は8%まで落ち込んでまっせぇ!
      せやけど、まだ倒れまへんねん」


デスク  「なぜだ? 日本にも野党はあるだろう・・?」


スットコ 「へぇ、野党は一応あることはありまっせぇ」


デスク  「あったら何してんのかいな? 居眠りか?」


スットコ 「一応、起きてるようですがな・・・。
      内閣不信任案を出すのと、証人喚問をすることで、存在感を
      アピールしようと躍起になってますがな。
      一方、与党サイドは、森首相のドジ・ヘマや議員達の収賄事件や
      官僚達の横領事件などがこのところ続発しよって、
      もうガタガタですがな・・。
      首相は『レ−ムダッグ』、蔵相は『惚けヨーダ』、首相の取り巻きは、
      おおかた『裏仕事師』(ギャング)達で占められ、野党はニワトリみたいに
      騒ぎ回ってまっせぇ。
      国会も政策論議どころでは、おまへんな・・」


デスク  「ガタガタなら、欠陥をどんどん突いて与党を追い詰め易いだろ」


スットコ 「それが、突っ込みが足らへん・・とスコミに批判されてまんね。
      もっと漫才観て、突っ込み研究せなあきまへんな」


デスク  「頼りない野党のおかげで内閣も首が繋がってるというわけだな?
      ・・で、いろいろと不評な首相とはどんな男だ?」


スットコ 「へぇ、就任以来、一度も緊張感を持たずに首相の座に居る男・・と
     マスコミも国民も呆れ返ってまんねん」


デスク  「日本の首相職は、そんなに気楽なのか・・?」


スットコ 「気楽とは思えまへんが・・・、本人は気楽と思てるフシはありまんな。
     とにかく失言や愚挙がやたら多過ぎて、どもならんと悪評たらたら
     でんね」


デスク  「どうやれば、そんな男でも首相になれるんだ?」


スットコ 「へぇ、密室で裏仕事師達にゴニョゴニョと候補に上げてもろてやな、
      あとは党大会で正式指名してもろて、一丁上がりでんがな」


デスク  「村の縁日の芝居みたいだな。信じられん!?
      そんないい加減な内閣に対して、国民の反応はどうなんだ?
      デフレ危機の折から、各地でデモなど起きて大変な騒ぎだろ?」


スットコ 「それは素人考えでんな。国民は静かでっせぇ。
      マスコミのアンケートに"内閣不支持"と答えてるだけでんね」


デスク  「信じられん!? ワシの若い頃は、"全学連"とか"総評"とかの団体が、
      国会議事堂を取り巻いて、連日デモをやっとったもんだ」


スットコ 「今の学生達は大多数が引きこもり派で、プライベートな遊びにしか
      興味あらへんね。
      半分以上の若者達は、政治には、まるっきし無関心でっせぇ。
      ケータイで、夢中になって遊びまくってまんね」


デスク  「どれもこれも、信じられん!? おまえは、話を面白くしようと
      デッチ上げてないか?」


スットコ 「デッチ上げやおまへん。ほんまの話しでんがなぁ」




3月5日
スットコ 「ニュース送りまっせぇ」


デスク  「 今日はなんじゃい?」


スットコ 「森内閣不信任案は、与党の反対多数によって否決されましてんね」


デスク  「 では、森内閣で当分やっていくということか・・」


スットコ 「そうでもないようですがな。
      与党の首脳陣は、"森降ろし"を画策し始めたようで・・」


デスク  「内閣不信任案を否決しておきながら、内閣を潰す・・奇妙な話だな?」


スットコ 「このあたりが複雑怪奇でっしゃろ?
      森首相の周辺では、裏仕事師達が画策してまんね・・。
      ただ、森首相本人は、信任されたと自信を持ったようですがな」


デスク  「ノー天気な男らしいな・・。
      なにやら面白くなりそうだ。いいか、永田町から目をはなすな!」


スットコ 「へぇ、任しときなはれ」


デスク  「・・と云いたいところだが。どうも話がオモロ過ぎる・・。
      君は、話を面白くしようとデッチ上げてないか?」


スットコ 「デッチ上げやおまへん。ほんまの話しでんがなぁ」      




3月10日

スットコ 「ニュース送りまっせぇ」


デスク  「 今日はなんじゃい?」


スットコ 「森首相が、とうとう辞意を表明したようなんで・・」


デスク  「 ようなんで・・とは、何じゃい。何処で、どういう風に?」


スットコ 「へぇ、官邸の密室で裏仕事師達に、ゴニョゴニョ・・と」


デスク  「 また、ゴニョゴニョ・・か。
       日本の首相は密室で生まれて、密室で消えるのか?
      深海生物みたいだな」


スットコ 「せやけど、野党の質問に対して、あれは辞意ではない・・と強弁して
      まんねん」


デスク  「 痔意の間違いではないのか? 本音はそんなところだろう・・」


スットコ 「そうかも知れまへんな・・。一方、野党は、首相が痔意を表明したら、
      国会審議を拒否すると息巻いてまんね」


デスク  「辞めろ辞めろと言っておきながら、矛盾してるやないか。正気かな?」


スットコ 「当の首相は、何を云われても、カエルのつらにションベンでっせぇ。
      裏仕事師たちも、誰が首相の首に鈴をつけに行くかで、思案投げ首
      てとこやね。
      首相は、"オレの首に鈴をつけに来たやつは、即刻、首にしたる"
      と吠えたあと、
      来週はアメリカとロシアに首脳会談に出かけるんやと張り切って
      ますねん」


デスク  「ヒッヒッヒッ・・ いいかげんにせい! このオタンコナスめ!
      そんなわけのわからん男にやって来られたら、相手国もえらい迷惑だろう。
      時間と労力と経費を無駄遣いして、くだらない失言を聞かされるからな。
      君は、話を面白くしようとデッチ上げてないか?」


スットコ 「デッチ上げやおまへん。ほんまの話しでんがなぁ」



  ・・あわれな特派員氏は、すっかりしょげ返って、
  とうとう、公園のベンチで頭を抱え込んでしまったようで・・



スットコ 「送るニュースがどれも、ぜんぜん信用してもらえへんがなぁ・・。
      ほんまに、えらい国に来てしもたでぇ・・」


女子高生A 「 外人はん。どないしたねン・・?」


スットコ 「じつはね、かくかくしかじか・・」


女子高生B 「そない信用してくれへんなら、いっそのこと、
       メチャでっち上げ記事書いてバンバン送りなはったら、
       胸がスカーッとするンよ」


スットコ 「あ、せやな。あの石頭のデスクをカンカンに怒らせたろ・・」




3月11日

スットコ 「ニュース送りまっせぇ」


デスク  「 今日はなんじゃい?」


スットコ 「へぇ、とうとう財界は、今の政界に見切りをつけて、
      とんでもないプロジェクトをスタートさせましたねん」


デスク  「どんなプロジェクトだ?」


スットコ 「へぇ、財界はソニーとホンダと何社かのゲームソフトメーカーに依託して
      でんな、優秀な政治ロボットを量産してもろてやな、
      国会議員をそっくりロボット議員に入れ替えるそや」


デスク  「おーっ、なんと・・!! 『脱永田町』改革とは、こういうことだったのか !!
      さすが技術大国日本。こいつはビッグニュースだ !!
      でかしたぞ、ボケナス !」


スットコ 「なんや。ほんまにもおーっ。やってられへんワ・・」






      お後がよろしいようで・・



手作りお経

2019-09-13 10:55:39 | 夢と現実のおとぼけバラエティー


秋のお彼岸です。既成のお経を意味もわからず有難がっているだけでなく、
自分でもお経を創作してみよう。まず自分の信条を盛り込んでみる。

銀河系は宇宙の一部である。
だから宇宙そのものである。

地球も宇宙の一部である。
だから宇宙そのものである。

地球上にいる自分も宇宙の一部である。
だから自分も宇宙そのものである。

吾唯足るを知る。

といいった信条から、

まず自分に感謝。
次に自分の周囲に感謝。
次に国土に感謝。
次に地球に感謝。
次に太陽系に感謝。
次に銀河系に感謝。
そして大宇宙に感謝。
自分は大宇宙そのものである。


これを漢字だけにして並べてみる。


先感謝自分
次感謝周囲
次感謝国土
次感謝地球
次感謝太陽系
次感謝銀河系
終感謝宇宙
我本体大宇宙
吾唯足知

最後に全部カタカナにして抑揚を付ければお経らしくなる。


センカンシャージーブン
ジーカンシャーシューイ
ジーカンシャーコークード
ジーカンシャーチーキュー
ジーカンシャータイヨーケーイ
ジーカンシャーギンガーケーイ
シュウーカンシャーウーチューウ
ガーホンタイダイウーチューウ
ゴーユイーソクチー


創作落語『お品書き』

2019-09-11 12:00:03 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
        

      テン・テン・ツク・ポン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・ポン




              『お品書き』




え〜、ただ今はグルメ時代とかで、もう大変でございます。
え〜、江戸の世にも外食産業がございまして、けっこう繁盛しましたそうですな。
浅草寺門前の「奈良茶」などが、定食の元祖だそうでして、
茶飯、豆腐汁、煮しめなどのセットメニューもあったそうで。
その後、享保(きょうほう)の頃になりますと、
銀五匁(約8千円)で2汁5菜のコース料理なんて豪勢な料理が出てきまして、
これがウケて、料理茶屋がどっと現れたそうでございます。
そのうち、「升屋」とか「八百善」なんて高級料亭までが現れまして、
今の金額にして何万円という料理もあったということでございます。
こういった店には、どんな客が来るのか気になりますが、
お大名の江戸留守居役たちの会合の定席となっていましたようで、
留守居役たちは、酒食ばかりか芸者まで上げて、
付けは、もちろん藩の交際費・・となっていたそうで。
江戸の町人たちは、こういった茶屋を、"留守居茶屋"と呼んでいたそうでございます。






八    「おう、浜町に変った定食屋があるってんだが、行ってみねぇか」


熊    「へぇ〜、変った定食屋ねえ?」


八    「そういう評判だが、ちょいと行って、ようすを見てみようじゃねぇか」


熊    「変なもの食わせるのか・・? まあ暇つぶしにいってみるか」


八    「ここだな。え〜と、なんだなんだ・・、
      ”とりあえず定食”なんて看板が出てやがる」


熊    「おう、ごめんよ」


八    「へえるぜ・・・」


熊    「ガラガラだ・・。ネズミ一匹いやしねぇな。おう、誰も居ねえのかい?」


定食や  「へいへい、何かご用で・・・?」


八    「ご用ってほどのことじゃねえが・・・飯を食いに来たんだがな」


定食や  「あんりゃまぁ〜そういうことですかィ・・。へぇ〜!? たまげたなぁ〜」


熊    「へぇ〜って、客が飯を食いに来たからって、たまげるこたァねェだろ」


定食や  「へえ、・・お客を見るなんてこたァ、めったにねぇことなんで・・・
      いやぁ、珍しい」


八    「こっちが驚いたぜ。客が、そんなに珍しいんか?」


定食や  「へえ、珍しいのなんの、お客を見るなんて、
      開業してから三度目なんで・・・」


八    「とんでもねぇ店に入っちまったかな? おう、お品書きを見せねェ」


定食や  「えっ、お品書き・・・。懐かしい名前でございますなぁ。
      いえね、有ることは有ったんですがね・・」


熊    「どしたィ・・?」


定食や  「へえ、五年前に売れてしまいやした・・・」


八    「なんだとォ・・!? お品書きが売れたァ!? 
      おめェんとこは、定食とお品書きと両方売るんか!?」


定食や  「いえいえ、そういうわけじゃねえんでやすが・・・、
      あれを作ってくれた、左・・なんとか云う彫り物職人が、
      "これで商売繁盛するよ"って置いてったんですがね、
      その後、たまたま来た客が骨董屋でして、
      ひと目お品書きを見るなり、"これを売ってくれ"って申しまして、
      五両で買い取って行ってしまいやした」


八    「売っちまったんじゃあ、しょうがねぇなぁ。
      どんな定食が書いてあったんだィ・・?」


定食や  「へい、何て書いてあったか覚えてねぇんでして・・・」


熊    「それじゃあ、適当にみつくろって何んかつくってくれィ」


定食や  「いえ、そうはいきませんな。
      お品書きに載ってない料理はつくりませんので・・・」


熊    「じゃ、何かい? 定食を注文するには、
      骨董屋に行ってお品書きを見ろってことかい?」


定食や  「へいへい、まあ、結果的にそういうことになります・・・」


八    「なにが結果的だィ・・。なぁ、やっぱり変ってるだろ、この店」


熊    「まぁ、いいってことよ。おいらも、それを承知で酔狂で来たんだ」


八    「で、どこにあるんだ、その骨董屋は?」


定食や  「へいへい、ちょいと遠くになりますが、王子の方でして・・・」


八    「ブブッ!! なにィ? 浜町から王子までお品書きを見に行くのか??」


定食や  「へいへい、まことに相済みません・・・」


熊    「まぁ、いいってことよ。途中で飯でも喰って行こうじゃねぇか」


八    「・・で、何てぇ名前だ、その骨董屋・・?」


定食や  「へいへい、たしか"ぼんぼこ堂"と云いやした・・・」


熊    「へんてこな名前だな・・、よしわかった」




・・てわけで、ふたりは神田から王子を目指して歩きます・・・



八    「あれじゃ、客が入らねぇわけだ・・」


熊    「それのしても王子たぁ・・えらく歩きでがあるよなぁ」




・・こんにちの時間で、三時間も歩きましたでしょうか・・・




八    「おっ、あれだ、あれだ・・」


熊    「へとへとだよ、もう・・」


八    「おぅ、ごめんよ・・」


骨董屋  「へい、いらっしゃいまし」


熊    「・・水をくれィ・・」


骨董屋  「へい、ここは骨董屋でして、茶店じゃありませんので・・」


八    「いや、じつは、こうこうしかじか・・というわけで・・
      日本橋浜町からはるばるやって来たというわけなんだ」


熊    「おれたちは、そのお品書きに何て書いてあるのか、それが知りたいのヨ」


骨董屋  「はあ、さいでございますか。少々お待ちを・・・。
      え〜、これが、そのお品書きで・・・」


八    「お前さんも、物好きだねぇ・・。こんなもんを五両で買ったのかィ?」


骨董屋  「はあ、素人衆には、つまらぬ木片に見えるでしょうが、
      これを作ったのは、左甚五郎という名彫物師でして、
      これは是非にでも買わねばと、
      大枚五両を叩いて手に入れましたものでございます」


熊    「ジンゴベエでもなんでもいいから、そのお品書きに何て書いてあるのか
      それが知りたいのヨ」


骨董屋  「はあ、さいでございますか。
      え〜、"絶品かれい定食"と書いてございますな・・・」


八    「かれい定食かィ? ありがてェ。
      それさえ分りゃあいいのヨ。 どうも、ごめんヨ」


熊    「腹が減ったなあ・・。帰りの道中は長いよ」


八    「日本橋に戻るまで、もう少しの辛抱だ・・」




・・帰りはヘトヘトなので、たっぷり四時間も歩きましたでしょうか・・・




熊    「おお・・。日本橋に着いたよ。ふらふらだぁ・・・」


八    「おやじ、分ったぞ。"絶品かれい定食"だ・・」


定食や  「へいへい、さいでございますか。
      え〜、"絶品かれい定食"でございますな・・・」


熊    「早く作ってくれィ。腹ぺこで死にそうだぁ・・・」


定食や  「へいへい、これから魚やで仕入れて来やす・・・」



・・てわけで、定食やのおやじは、魚やへ・・・
・・あいにくその日は、"かれい"は売り切れで、"ひらめ"しか無い・・・



定食や  「まあいいか、"ひらめ"だって平べったい魚に違いはない・・・
      ぶつ切りに料理しちゃえば、判らんだろう・・・」



・・で、そのまま煮魚にして、ごちゃごちゃ盛りつけて・・・




定食や  「へえ、お待ちどぉ・・・」


熊    「これが、"かれい定食"かい・・・?」


八    「魚の形をしてねェなぁ・・?」


定食や  「へいへい、当店自慢の珍品定食でして・・・」


熊    「ところで、"かれい"ってのは、眼が右に付いてたか、
      左に付いてたか、どっちだったかナ?」


定食や  「へいへい、左でございます。あたしゃ、たったいま見たばかりで・・・」


八    「左!?・・じゃあ、これは"ひらめ定食"じゃねぇか」


定食や  「えっ! え〜、へへへ・・。いつもは右なんですが、
      どういうわけか、今日の"かれい"は左に付いてました・・・」



           お後がよろしいようで・・





創作落語『もみ消し』

2019-09-10 14:32:41 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
       

テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・


             『もみ消し』



      え〜、ようこそ寄席へお運びいただきまして、
         ありがとうございます。
     目に青葉 山ほととぎす 初鰹(かつお)・・などと
         詠(よ)まれてますが・・、
        結構な季節になりました。
    昔の江戸っ子は、人より先に、この初鰹を食すのが粋(いき)と
        されてましたようで、
      有り金叩(はた)いて買い求めたそうでございます。
    今みたいに冷蔵技術やトラックなど無かった時代ですから、
  水揚げした魚を、江戸市中まで鮮度を落とさぬように持って来るの
       は並み大抵のことではなかったようです。
    また、この当時は漁獲量も少なかったようですから、
      売り値もけっこう高かったそうでございます。
  なんでも、文化九年三月二十五日に江戸に17本のカツオが初入荷した
    ときには、将軍さまに献上した残りがセリにかけられまして、
      1本が二両一分で買い取られたそうでございます。
    え〜、今のお金にしますとォ、およそ27万円てもんですから、
        まあ、たいへんな高値でございます。
  
  朝、初鰹を食ったおかげで、昼飯と晩飯は抜き・・ぐらいじゃ
  おっつかないから、ついでに向こう三日間も抜き・・なんてのは
  まだいい方で、なかには、仏壇や帯を質入れして食ったなんて話しも
  ございます。
  当節は、そう云ったのどかな気分には、ほど遠い世の中でございます。


  え〜、政治家さんの仕事と云いますと、ひと昔前までは、地元に鉄道
  を通すとか、橋や道路を作るとかで、そこそこ地元に便宜(べんぎ)を
  計ってやりましてですな、
  その代わりに次の選挙のときは票を入れてもらって、
  また議員になったらなったで、役得でシコタマ儲けようってぇ
  のが、これまでの慣例でございます。
  そんなわけで、ほとんどの政治家さんの目は、地元の方にばかり
  向いてましてですな、国政なんてぇ畑違いの仕事はまっぴら苦手
  という御仁が、けっこう多いんじゃないかと勘ぐりたくなります・・。


         ま、それは余談でございますが、・・・
   昨今では、道路も橋も鉄道も一通り揃っちまったもんですから、
   大きなネタが無くなっちまいまして・・・、
   そこで、なんとか地元に貢献できるネタを探せとばかり、
   政治屋さんの秘書が、四方八方駆けずり回ることになりますが、
   あるのはコマネタ(細かなネタ) ばかりのようで・・・。



議員  「なに? ここんとこネタ切れだぁ?
     そいつぁよくねぇなぁ!
     ネタが無くなるとアタシの政治生命は終わりだヨ・・!
     票が逃げるヨ・・!
     いいかィ、どんなコマネタでもいいから、探しとイで。
     ノルマは一日3件!
     あ、それからネ、昨今は 『もみ消し』の仕事が票に繋がる
     ってぇ話だ。
     交通違反のもみ消しなど上トロの口だろう。では行っといで!」


秘書   「へぃ、ガッテンでがす!」




    あわてて秘書の抜作兵衛(ぬけさくべえ)さんが
    街へ飛び出して行きましたが、・・
    この抜作兵衛という男、
    抜けてるなんてもんじゃぁござんせんよ・・・。
    最初から底が無い、・・という徹底した人物でございます。




抜作   「・・ったく、うちの大先生は無能なわりには、
     人使ぇだけは荒れぇでがすな。
     どんなコマネタでもいいったって、
     道端に『コマネタ入り』なんて
     名札の付いたふろしき包みなど落ちてるわけねぇだろっての。
     ・・ねぇ?
     それに、やぶからぼうに『もみ消し』なんて言やがる・・・
     交通違反のもみ消しが上トロだぁ? ・・ったく、
     交通違反は犯罪だっての・・。
     『ここに上トロがあります』なんて狼煙(のろし)が昇ってる
     わけねぇだろっての。
     ・・・ねぇ?
     戦国時代の寿司やじゃねぇんだっての・・ったく・・・」



    ・・・なんて、ぶーぶー言いながら自転車をこいで行きます
    てぇと、何やら前方に白い煙りが・・・



抜作   「なんだ、なんだ?マジで狼煙が上がってるでがす・・。
     こりゃ、驚いた・・!
     あたしゃ、ついてるねぇ。
     ひょっとしたら、ノルマ1件達成でがす」



    作兵衛さん、わくわくドキドキしなが近付いてみますてぇと、
    商店街の横丁で、なにやら野次馬が人だかりをつくっております。



抜作   「へぇ、ごめんなせぇよ・・、これは何の狼煙でがす?」


野次馬(い)   「狼煙じゃねぇよ。
        竿に干してあった洗濯物が燃え出したんだ。
        おおかた放火だろう・・・」


野次馬(ろ)   「お前さんは誰だィ?
        見かけねぇ顔だが、まさか犯人じゃぁねぇだろうナ?」


抜作      「とんでもねぇっす!
        あたしゃ代議士の秘書でがす・・」


野次馬(い)   「なに? 代議士の秘書だと?
        なら、もみ消しは得意だろう!
        早いとこ消してくれィ」


抜作      「ほら、またもみ消しと来たでがす。
        今日は『もみ消しデー』でがすな・・。
        へぇ、もみ消しってのは、やったことねぇでがす。
        今朝うちの大先生からノルマだからやってこいと
        言われて、
        正直なところ困ってるでがすな、こちとら・・。
        なにしろノルマだノルマだとうるさくて・・、えぇ」


野次馬(ろ)   「おうおう!何をぶちぶち言ってやんでぇ!
        早いとこ消さねぇと燃え移つっちまうぞ・・」


野次馬(は)   「見てみろ、いま燃えてるのはシーツだろ・・」


野次馬(に)   「その隣が野郎のパンツだな」


野次馬(ほ)   「お次に控えしは、女物のパンティーとブラジャーと
        ストッキングだ。
        野郎のパンツなど、どうでもいいが、
        女物は色っぽくて、可愛いときてる。
        燃したら可哀相だ・・」


野次馬(へ)   「おいおい、そこで涎(よだれ)たらしてるの・・、
        お前だよ。変態ストーカーじゃねぇのか?」


野次馬(と)   「お〜い。早いとこ、もみ消してくれィ。
        おれは約束があって忙しいんでェ」



   ・・・なんて、野次馬は、めいめい勝手なことを言って
   騒いでおります。



抜作      「やりますよ・・、もみ消しゃアいいんでがしょ。
        これで票になるんなら、どおってこたァないでがす、
        よござんす。
        つまりですな・・・、
        こうやって揉(も)むんでがす。・・もみもみもみ・・・
        アチチ・・!
        お〜、あっちぃ・・・
        今のは、ほんの小手調べでがす。
        ふぉっほっほっ・・
        どれくらい熱いか試したわけで・・」



   ・・・ああだこうだと、散々苦労しておりましたが・・、
   どうにか火は消えましたようで・・・。




抜作      「お〜っ、消えた消えた!
        ねぇ、どおってこたぁないでがしょう・・。
        ふぉっほっほっ・・・。
        選挙では、清きご一票・・・じゃない、
        ひい、ふう、みい、よお・・
        15人さまでがすね。
        清き15票をお願いしますよっ。
        ふぉっほっほっ・・・」


野次馬(い)   「なんだい? いまの人・・。
        ボヤを消して喜んで行っちまったよ・・」


抜作      「ふぉっほっほっ・・、
        こう幸先よく、ことがトントンと運ぶとは
        思ってなかったでがす。
        早速、大先生に報告しとこう・・。
        もしもし、大先生でがすか?
        たったいま、もみ消し一丁成功したでがす。
        15票は堅いでがす!」


議員      「ほ〜っ、もみ消しをやったとな?
        詳しい報告はあとで聞く・・」




     さて夕方、大先生が新聞を広げると、
     夕刊三面記事の見出しには、・・大きく


      『代議士秘書、ボヤをもみ消す』






            お後がよろしいようで・・