ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレアと音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出してー。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。さぁ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!
マダム・フローレンス! 夢見るふたり 2016年/アメリカ/スティーヴン・フリアーズ
実在の人物だったんですねー。
親の遺産があったお陰?とも思いましたが、嫌味ではなく素直に幸せな人だなーと思いました。
夫のシンクレアは財産狙いだろうと思い込んでしまいましたが、でも、それもありつつ、本当にフローレンスのことが好きだったのだろうと思います。
そうでなければ、毎度毎度、観客や記者を買収する努力はできないのではないでしょうか。
それに、ピアノ伴奏者のコズメもいつしかフローレンスに心を寄せるようになっていたので、フローレンスは愛される存在だったのだと思いました。
ラスト、初めて酷評を目にし、大きなショックを受けたことが死に繋がったのかもしれませんが、それでも、フローレンスは幸せな人だったなー、愛される人だったんだなーと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。
でも、フローレンスは最初の夫に病気を移され、シンクレアの子供を産めなかったことは心の傷だっただろうと思います。
その為に、シンクレアが愛人を作ることを認め、その為に別宅を借り、住まわせていたことも、本当に苦しかったのではないかと思います。
幸せそうに見え、でも、幸せと同じくらいの辛さもあったんだなーと思うと涙が出てきました。
ヒュー様の影を潜めたヒュー・グラントがかなりよかったです!
こういう演技もできるんだなーと正直、驚きました(失礼!)。
コズメ役のサイモン・ヘルバークもよかったですねー。
でもって、シンクレアの愛人が、「日陰の身でも誇りが欲しい」と言っていましたが、だったら、自分で家賃払えよ!と強く思いました。