そしてミランダを殺す / ピーター・スワンソン
創元推理文庫 / 2018.2
実業家のテッドは空港のバーで見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻ミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し協力を申し出る。だが殺人計画が具体化され決行日が近づいたとき、予想外の事件が……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防を描く傑作ミステリ!
面白かったです。
そろそろ終わりだーと思ったら、まだ何かあるの?というちょっとした展開がよかったです。
殺された人達は、殺されていいわけじゃないけど、それなりに殺される理由があって(いや、それは最初の殺人だけか)、やはり、悪はリリーなんだろうと思います。
最初の殺人は、幼い女児(リリー)を性的対象にし、リリーの部屋に忍び込み…、その後、エスカレートすると思うと、これは殺される理由になるのかも?と思う部分もあります。
でも、その後の殺人は、殺される理由になならないです。
なので、リリーは殺人鬼。
最後は未遂で終わったけど、刑事まで殺すとは思ってもみなかったです。
実は、リリーの犯罪がばれなきゃいいと何度も思いましたが、リリーの犯罪が明るみに出るだろうというラストは、これはやっぱり仕方ないんだよなーと、グッと飲み込みました。
リリーの父親がリリーに言った「わたしたちがおまえを台無しにしたんでなければいいが」が、全てなんだなーと思いました。