ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

【かまち】

2005-03-17 | 映画 カ行


1970年代半ば。幼い頃から湧き出てくる思いを詩や絵画で表現していた中学生の山田かまちは、“1日が24時間じゃ足りない”を口癖に、なおも音楽や詩、絵に熱中し続けていた。高校受験に失敗するも、浪人中に洋子という美少女と出会い、恋も経験したかまち。そして1977年の夏、高校生のかまちは、エレキギターの練習中に感電、夭逝する。20数年後、洋子は塾の講師になっていた。彼女の塾の生徒は今、何かを抱えて苦しんでいる。洋子はそんな彼らへ、それまで固く閉ざしていたかまちとの思い出を語り始めた…。

2003年/日/望月六郎


あ~、上手く言えない・・・。この映画、とっても楽しみにしていて、観る前から映画のあらすじや感想に使う言葉を用意していたんだけど、あまりにもあまりにも想像と違っていたので、言葉を失ってしまった・・・。
なので、あらすじは拝借ものです。
作品的には、死に憧れる、または死を望む若者たちへ、死に急ぐなと言いたいんだろうなぁと感じた。かまちくんの存在や、かまちくんが残したものが、もしかしたらそういう若者たちの心に響く何かがあったのであろう、そう思いたい。じゃなくちゃ、『かまち』の意味がない・・・。
そこそこ、かまちくんを研究したであろう事はうかがえるが、かまちくんの映画とは到底思えない。


かまちくん、15年近く前のある日、ふと新聞に載っていた写真に目が止まった。「どちらさん?」と思って記事を読むと、17歳の時にエレキギターの練習中に感電死した少年の美術館がオープンするという記事だった。私は絵には得に興味はないのだけれど、かまちくんの視線に何かを感じ、かまちくんの心に会いに行くことにした。

一歩中に入ると、凄く緊張したのを覚えている。亡くなったはずのかまちくんがそこに居たように感じたからだと思う。
たくさんの絵と詩。子供の頃に書いた動物の絵がとても印象に残っている。
一つ一つじっくりと観ている時、声をかけられた。かまちくんのお父さんとお母さんと美術館のオーナーだった。私が北海道からの第一号の客だったらしく、わざわざ遠くからありがとうと言われた。
その後、かまちくんの直筆のノートを数点見せてもらい、かまちくんのお話を聞かせてもらい、ご両親とかまちくんのいとこさん達と昼食をご一緒させて頂いた。
緊張のあまり、ほとんど食べられなかった・・・。その後、美術館のスタッフの方に送ってもらった・・・。なんとも突然の出来事で、かまちくんにサヨナラを言うことが出来なかったなぁ~と思ったことを覚えている。

かまちくんが亡くなった時の事もお話して下さった。1977年8月10日、暑い日だったそうだ。昼食にかまちくんの大好物の焼そばが出来上がった頃だったらしい。2階のかまちくんの部屋でドタッと音がしたそうだ。お母さんは、「焼そばができたわよ」と声をかけたのだが返事がなく、部屋に入ってみるとかまちくんが裸で倒れていた・・・。「かまちは焼そばが好きだったのよ」と話してくれた。

もう一つ、こんなエピソードが。
かまちくんのお葬式の時、季節はもちろん真夏。大きな大きなとんぼが飛んできて、みんなの回りをグル~っと1周したそうだ。誰もが不思議に感じた大きなとんぼ。
同じ頃、かまちくんの東北(劇中、秋田の友人からレコードが届くシーンがあったので、たぶん彼だろう)にいる親友のところにも大きなとんぼがやってきたそうだ。
誰もが思うだろう、それはかまちくんだと。

かまち、お父さんがつけた名前だそうだ。
口数の少ないお父さんだったが、かまちくんの名前の話と、「絵がお好きなのですか?」ととても嬉しそうに聞いて下さったことを覚えている。残念ながら私は絵画には疎いので、正直に、新聞で見かけたかまちくんの写真に興味を持ちました、と答えた。
お母さんはとても明るい方だ。他にもかまちくんのエピソードを話して下さった。

かまちくんを思い出し、ふと、おセンチになってみたりして・・・。

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2 コメント

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こんばんは~。 (tokkey_0524zet)
2005-03-26 23:20:30
TBありがとうございました。「かまち」の名前は何か歴史関係の本か漫画(古代もの)の中のキャラクターから取った、という話を聞いた記憶があるのですが(うろ覚えw)。どうなんでしたっけ。



お母様も何か凄い方の様に思えます。かまち君があれだけやりたい事を自由にのびのびやれたのは。
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tokkey_0524zetさん (izumi)
2005-03-27 20:40:28
こちらこそTBありがとうございました。

コメントを頂けて恐縮しております。



名前の由来ですが、縄文時代のお話に出てくる少年の名前“鹿麻知”を名付けたそうですね。

私、てっきり“鹿待”だと思い込んでいたんです。確か、昔昔は鹿は人々に崇められた存在で、その鹿を待つことを“鹿待”というんだと・・・。15年近くを経て勝手に妄想してしまったのかもしれませんね~、私。



お母さん、映画とはイメージが違ったかも、です。なかなかパワフルな感じでしたよ。
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