ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

リリーのすべて

2018-02-14 | 映画 ラ行


風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家の妻ゲルダと結婚し、デンマークで充実の日々を送っていたが、ある日、妻に頼まれて女性モデルの代役をしたことを機に、自分の内側に潜む女性の存在に気づく。それがどういうことなのかもわからないまま、“リリー"という女性として過ごす時期が増え、心と身体が一致しない状態に苦悩するアイナー。一方のゲルダは夫の変化に戸惑いながらも、いつしか“リリー"こそアイナーの本質であると理解していく。

リリーのすべて 2015年/イギリス/トム・フーパー





実話だったんですねー。
全く知らずに、しかも、こういう展開だとは思ってもみず、衝撃というか不意打ちのような感動がありました。

スイッチ…という表現が適切なのかは判りませんでしたが、そのスイッチが入る前から、自分の心と体が一致していないと気付いた時から苦しみが始まっていたのだろうと思いました。

結婚生活が始まり、それなりに幸せに暮らしていた二人が、まさにひょんな事から…。
アイナーの苦しみ以上に、ゲルダの苦しみが伝わってきて、これからどうなるんだろうと心配になりました。
リリーの肖像画が売れてきたことによって、ゲルダは夫婦関係よりも、自分のことを優先するのかな?と思ったりもしましたが、
そうはせず、心からアイナーを愛し、アイナーの苦しみも抱えながら自分も苦しむ姿に胸が打たれました。
アイナーが手術を決意し、見送る時のゲルダと、ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル両方に感動しました。

手術が終わり、リリーは変わったと思います。
ゲルダのことより自分のことしか頭にないような、そんな振る舞いにも理解を示したゲルダはやはり素晴らしく、映画には描かれていないところでのゲルダの葛藤と苦しみを想像してしまいました。

ゲルダの反対を押し切り危険な手術を行い、そして、命が消えるその瞬間は、本当の自分になれた瞬間でもあり、リリーは最高に幸せを感じた瞬間だったのだろうと思いました。
ただやはり、全てを支えてくれたゲルダのことを本当はどう思っていたのか、もしかしたら、ゲルダに甘えていただけなのか…、ゲルダの苦しみをどこまで理解しようと努力したのか、自分のことで精一杯だったのだろうとは思うけど、全てを支えてくれたゲルダへの感謝の気持ちをゲルダに伝えることはできたのだろうかと、私まで葛藤しました。

ゲルダの人柄と、そのゲルダを真っ直ぐに演じたアリシア・ヴィキャンデルは本当に素晴らしかったと思います。
感動しました。

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