![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ed/c721b0214c6aae95605b24ac49d5d45f.jpg)
四人組がいた。
高村 薫 著 文藝春秋 / 2014.8
この村では、何だって起きる――。
元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さん。
古ダヌキのような四人の老人が関わると、村の小さな騒動も、AKB48から少子高齢化まで縦横無尽。
儲け話と、食い物に目のない老人たちは、集会所に集まっては、日がな一日茶飲み話を。
だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来る。
テレビクルーに、タヌキのアイドルユニット、元アイドルの出家、はたまたキャベツは大行進。最後に、閻魔様まで!
「ニッポンの偉大な田舎」を舞台にした、ブラックユーモアに満ちた奇想天外の十二編。
現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出す。
高村さんがユーモア小説?
高村さんが描くユーモア小説…というよりも、高村さんがユーモア小説を描くの?という驚きがありました。
読み始めはドキドキしました、大丈夫かな?と、失礼ながら…。
読み進めていくと、普通に、普通?
もしかしたら、隠し扉のように高村さんらしいテーマが隠れているんじゃないかと、いつしか、“それ”を見つけるのを楽しみにしていましたが、結局、“それ”はありませんでした。
四人組を通して現代社会を揶揄してみたり、多少、辛辣さはありましたが、でも、『苦笑』程度です。
拍子抜けしつつも、「あ、ジジババ(失礼!)の飾らない本音の部分でもあるのかな~?」と思えるところもあり、それはそれで面白く読めました。
まさに、現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出したお話たちです。