ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

四人組がいた。 / 高村薫 著

2014-09-15 | 本 女性作家


  四人組がいた。

  高村 薫 著     文藝春秋 / 2014.8



  この村では、何だって起きる――。
  元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さん。
  古ダヌキのような四人の老人が関わると、村の小さな騒動も、AKB48から少子高齢化まで縦横無尽。
  儲け話と、食い物に目のない老人たちは、集会所に集まっては、日がな一日茶飲み話を。
  だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来る。
  テレビクルーに、タヌキのアイドルユニット、元アイドルの出家、はたまたキャベツは大行進。最後に、閻魔様まで!
 「ニッポンの偉大な田舎」を舞台にした、ブラックユーモアに満ちた奇想天外の十二編。
  現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出す。





高村さんがユーモア小説?
高村さんが描くユーモア小説…というよりも、高村さんがユーモア小説を描くの?という驚きがありました。

読み始めはドキドキしました、大丈夫かな?と、失礼ながら…。
読み進めていくと、普通に、普通?
もしかしたら、隠し扉のように高村さんらしいテーマが隠れているんじゃないかと、いつしか、“それ”を見つけるのを楽しみにしていましたが、結局、“それ”はありませんでした。

四人組を通して現代社会を揶揄してみたり、多少、辛辣さはありましたが、でも、『苦笑』程度です。
拍子抜けしつつも、「あ、ジジババ(失礼!)の飾らない本音の部分でもあるのかな~?」と思えるところもあり、それはそれで面白く読めました。
まさに、現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出したお話たちです。

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