3日告示された岩国市長選には、前衆院議員の新人・福田良彦候補(37)と再選を目指す前市長・井原勝介候補(57)(いずれも無所属)の2氏が立候補を届け出て、7日間の選挙戦に突入した。両候補は、争点の米空母艦載機の移駐の是非に加え、市財政や身近な生活にかかわる施策を有権者にアピール、初日から激しい舌戦を繰り広げた。
福田候補は自宅近くの神社で必勝祈願をした後、午前9時から同市南岩国町の事務所前で出陣式に臨んだ。原田俊一・連合後援会長は「皆さんの力を得て、勢いに乗ってきた。ラストスパートで勝ち抜こう」とあいさつ。朋江夫人からタスキと花束を受け取った福田候補は選挙カーに乗り込み、早速街宣へと飛び出した。
午後からは旧郡部の玖珂、周東、本郷各町にも足を運び、街頭でマイクを手にして、ふるさとの再生にかける思いを訴えた。
争点となる米軍再編問題に加え、「今の岩国市には夢がない。(選挙戦は)われわれの日々の生活をどう立て直すかがテーマ」と述べ、市民の暮らしに密接した施策の充実を訴えた。
さらに「生命の安全、安心を担保する」と、同市の岩国医療センターを愛宕山宅地造成事業跡地へ移転する構想にも触れ、「早期に確実に実現させたい」と力を込めた。
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井原候補は午前8時半過ぎから、長山公園で出発式に臨んだ。応援演説に立った政治評論家の森田実氏らが、今回の市長選を「全国の注目を集める選挙」と指摘し、井原候補への支持を呼びかけた。
寿加子夫人からタスキをかけてもらった後にあいさつした井原候補は、移駐問題へ反対の考えを述べたうえで、「子どもたちから若者、高齢者、障害者、一人ひとりが元気に生き生きと生活できる岩国を目指す」と主張した。
また、旧郡部への配慮も強調し、「合併してまだ2年弱。大きな課題を抱えているが、過疎高齢化や農林業問題にも目を向け、合併して少しでも良かったと思ってもらえる岩国市にしたい」と訴えた。
参加者と一緒に「ガンバロウ!」と気勢を上げ、選挙カーに乗り込むと、旧郡部を中心に遊説した。夕方からは錦町と美川町で個人演説会を開いた。
(2008年2月4日 読売新聞)