初級転居講座「玄武伝承伝」

平日は仕事、土日は千葉ロッテと東京ヤクルトのガチ勢です。球場で拳を上げてます。

今週の変な男。濡れた札束男。

2019-01-11 22:59:17 | diary
これは3日前に本当に遭遇した変な男である。

玄武は帰りの電車に急いで乗った。
幸い空いてて玄武の向かい側端に杖を持ってたばあさんだけだった。ラッキーと思いながら即座り、発車を待った。

さて、出発しそうになったところで20代位の地味めな変な男が乗ってきた。

その男はユニークな人で、突然「ようこそ、木更津へ。」と言いながらして私の向かい側に座った。

玄武は変な男の言動に若干驚いたが、まあ、今のところ危害がないからいいか、と思いながら発車を待っていた。

すると、男はバックからおもむろにコンビニ袋を出した。

その時はコンビニ袋特有のガサガサ音が耳に残り、この人何か食うのかな、って余り関心がなかった。

すると、その男はコンビニ袋から中身を取り出した。

玄武はそれに釘付けになってしまった。

何と、水に濡れた札束だった。

一万円札の束。ざっと見ても30万はあった。
ふやけていて、一万円札の色が濃かった。一見、偽札かと思ったが、反射マークがキラキラとしてたのであれは本物だった。

それを見た玄武「(?▽?)えっ、札束?しかも濡れてるぞ?なぜっ?えっ、これ見てはいけない光景?」
玄武は無意識に急にそわそわしていた。
「なんだ、この雰囲気?無意識に見てしまう。あの男何するんだろ。あっ、ヤバい。欲しくなった。待てよ、たった30万だろ。大したことないじゃないか。とにかく、変な男への関心を薄らげよう。」

玄武はスマホを操作し意識的に無関心を装い気を紛らわせた。

その車両のには玄武、変な男、杖のばあさんの3人しか乗ってなかった。

この時間はいつもはもっと混んでいるはずなのに。

異様な空気が漂う中、電車は発車した。

その男は濡れた札束をじーっと眺めた後、思い切った行動に出た。

何をしたのかと言うと、座席の下のヒーターに札束ごとかざし始めた。

どうやら、札束を乾かしたかったようだ。

でも、簡単には札束は乾かない。

すると、男は濡れた札束を一枚ずつはがそうとしたが、うまくはいかない。

それでも、数枚くっついた状態で再び座席のヒーターへかざした。

もちろん乾くわけはない。

変な男はしばらく考え、バックを漁り始めた。

そして、バックからポケットティッシュを取り出した。

男ははがした札を再び札束に戻して丁寧にティッシュで包み始めた。

そして、再び座席のヒーターにかざして乾かし始めた。

「なぜ札束に戻す?束にしたら乾かねえだろ。アホなんじゃねえのか」玄武は横目で見ていた。そう簡単に無関心になれなかったようだ。

しばらくして、男は札束から数枚はがして、またもやティッシュで包み座席のヒーターにかざしていた。

それでも乾かなかったようだ。

男は飽きたのか札束を乾かすのを諦めた。

そしてー

ティッシュに包んだ札束を濡れたコンビニ袋に再び入れた後、丁寧に畳んでカバンに戻したのだった。

「あえて、濡れた袋に戻すなんて。やっぱ、アホだ。」

丁度カバンに戻したところで玄武ヶ丘に着いたので玄武は電車を降りた。

この間、杖のばあさんは男をガン見していたが、まるで獲物を狙う目だったのは言うまでもない。
全く視線を落とさなかった。
本気の眼、するどかった。

この後、電車内で何が起こったかは知るよしもなかった。

男は無事に帰れたのであろうか。

そして、札束は乾いたのであろうか。

さらに、杖のばあさんは…。

不思議な10分間だった。
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