今日は、
明日、昨日という過去BOXに入る。
そして、記憶の中で、主役になるのか脇役になるのか、
・・・・・消えてしまうのか。
子供の頃は、明日のことばかりが気になったけれど、
大人になって、『あの頃』の話が増えた。
重松清さんの『Long Long Ago ~再会~』
・・・・・・よかったです
人間はいろいろで、
自分も、いろいろ。
いいことばかりじゃないし、
胸をはれることばかりじゃない。
いい人ばかりに出会うわけじゃないし、
嬉しいことばかりが起こるわけじゃない。
でも、どんなひとの歩く道にも、
愛しい人間との笑った瞬間や、
なつかしいはずかしさがあったりして、
ホロンホロンと、くすぐったい。
残酷というよりはザンコクな、
子供の瞳や口から発せられた痛みも、
いつの頃からか、過去BOXで影をひそめてジッとしていたけれど、
うま~く心をほどかれた文章の中で、
ジワンジワンと思い出しました。
そこには、誰かがいて、
誰かがいるから、
クシュクシュのなつかしさもあって、
何だか、ホロリとしました。
大切に読み返したい本に、なりました。
初恋の女の子のこと、親戚中に邪魔者にされていたおじさんのこと・・・
誰もがそこに、その教室に、
駅に・・・立つことのできる・・・
なつかしさとほろ苦さと、やさしさのお話