おもしろ医療解説

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ドーピング 2

2012-07-22 21:22:27 | 医療と社会
エリスロポエチンは、赤血球を作るために重要なホルモンの一つです。

赤血球は酸素や栄養素を運ぶトラックで、二酸化炭素や老廃物も運んでくれます。

必要なものを運んで、いらないものは回収してくれる…

宅配便のトラックとゴミ収集車が一緒なったようなものです。

このトラックが増えるということは、細胞に酸素や栄養素を送り、ゴミを持ち帰るという作業がより速やかに行われます。

そのため、疲れにくく、長い時間の運動や試合に有利になるのです。

たとえばマラソン選手は高地トレーニングをして、このエリスロポエチンを増やします。

だからゴール直後も笑顔でインタビューに答えたりすることができるのです。

でも、もし人工的にエリスロポエチンを作って体内にたくさん投与したらどうなるでしょう?

その選手は他の選手よりも疲れにくいため、試合が長引いてもあまり体力を消耗しません。

さらに乳酸などの疲労物質の除去も早いため、乳酸による筋肉痛を起こすことが少なく、持久戦では圧倒的に有利になるのです。

ただこれも、長く続ければ続けるほど、自分でホルモンを作らなくなるため、引退後は貧血に悩まされることになります。

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