こだわりの農業

土作りから栽培・収穫まで無農薬・無化学肥料(自然農法)で露地草生栽培を実践するわが家を紹介します。

10年の節目。

2013-02-04 19:35:35 | きょうのひと言
2003年4月1日。
「旬の健康で元気な作物」を消費者へ届けようと、
土作りから栽培・収穫まで1年を通して農薬や化学肥料を使わない「露地草生栽培」を開始。
そしてこの日を、石垣園芸の開業日とした。

あれから10年。
勢いだけで販路も持たず始めた当時は、売ることよりも作ることに気持ちが傾いていた。
それでも無農薬・無肥料栽培で始めて収穫を迎えたときは、
言葉では表現のしようのない満足感が心を充たしていたのをいまも鮮明に覚えている。

収穫のあとは、とにかく嬉しくって菩提寺をはじめ周囲の人たちへそれを配りまくった。
散々配り歩いたのに。それでも育てた野菜は畑に残っている・・・。
そこで始めて、売ることを忘れていたことに気付く。

さてどう売るか?
市場にも出荷の打診に出向いた。
そこで目の当たりにした現実・・・。
市場では、栽培方法より毎日一定量の出荷が出来るかどうか?
それが最も重要だった。
さらに価格は競りで決まるため、
どんなにこだわりを持って育てた作物も価格を決めるのは競り人という現実。
また追い打ちを掛けるように、応対してくれた担当者からの言葉。
「栽培方法で価格が変わることはほとんどない・・・」

市場に価格決定権を握られていることに納得が行かず、
それなら直売だと心に誓った。

いまも続けている、庭先での直売。
自分で価格を決めるこの道を選んだのに、
実際自分で自分の育てた作物に値段を付けるがこれほど難しいとは思わなかった。

また自分の作りたい作物を吟味して作付けを行ったために、
お客さんにとっては知らない作物ばかりが出来た。

その結果、なかなか売れない。

いま思えば、栽培法・栽培作物・価格設定すべてが”斬新”すぎて受け入れられなかったのである。

あれから10年。
少しは学習した。
まず、定番野菜を育てる。珍しい品種もちりばめながら・・・。
適正価格での価格設定・・・10年前は、付加価値を前面に出しすぎていた。
でも栽培方法は、変更なし。あの頃と同じ、無農薬・無肥料栽培の露地草生栽培。

初年度の実質売り上げは、200円。

いま振り返ってみると、何という自己中心的なことをしていたのだろうと思う。
しかしこの教訓が、栽培作物の選定や価格設定、さらに販路開拓の重要性を身体で知るきっかけになったことは間違いない。

2年目の売り上げは、直売だけで60,000円
対前年比300倍の売り上げといえば、とてつもない伸び率であるが事業としては焼け石に水。
むしろやらない方が赤字が出ないので得という状態。

開業から3年目。
いまもお付き合いをさせていただいている、「げんきの市場」への販路の確保。
またネット通販「究極の直売!」を開始したのもこの年である。
栽培技術も少しは向上し、価格設定や栽培品目も選定になれてきたこともあり、
大きな飛躍をすることが出来た。

その後も試行錯誤は毎年のこと。
でも少しずつ経験値は上がったように思う・・・。

そして今年10年目。
大きな節目とすべく、新しい取り組みをいくつか始めてみようと思っている。
具体的な内容についてはもう少し吟味しなければならないが、
いままでの経験を土台にさらなる飛躍を試みようと思っている。

これまで応援して下さった皆さま、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする