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青春グラフィティ

青春時代に見に行った映画のパンフレットやレコードのコレクションから懐かしい場面にタイムスリップ

ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-11

2009-05-15 01:19:08 | レコード(映画)

悲しみは星影と共に

前掲:http://blog.goo.ne.jp/isc_info/e/489c87708ca9db5da1681e58f03d1010

シングル・レコードの紹介

ユーゴの片田舎を黒い煙をはいて汽車が走る。線路際にたって見送る姉弟---姉のレンカ(ジュラルディン・チャップリン)は17歳、弟のミーシャ(フェデリーコ少年)は5,6歳で可哀想に目が見えない。「いつかはあの汽車に乗って街へいくのよ。そこで目の手術をすれば、きっといろいろなものが見えるようになるわ」。
父も母もいない、二人っきりになったのは、第二次世界大戦で、ユーゴがドイツ軍に占領され、ユダヤ人の両親が遠い収容所に連れ去られてしまったから。主役のレンカは戦争のさなかで、目の見えない弟がいて、恋もままならない。わずかに一回だけ、保育園で、寒さに震えながら彼と抱き合ったのが、唯一の青春の思い出。収容所から脱走してくる父とその死。パルチザンの活動とナチの執拗な捜査など、日々の事件は鉛色の空のように暗い。しかしレンカは、弟には辛い現実を知らすまいと、明るい青空のような話ばかりを聞かせる。それがレンカにとっても希望をつなぐ唯一の方法なのだ。
ついにこの姉弟も収容所おくりときまった。汽車に乗せられても、目の手術に街の病院に行くのだと信じている弟は、「あしたになれば、森も牧場も美しい星も見えるんだね」と、姉に話しかける。レンカの目には涙が溢れていた。

辛い話だった。悲しい音楽だった。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-10

2009-05-12 00:55:13 | レコード(映画)

夕陽のガンマン マカロニ・ウェスタンの代表作

監督:セルジオ・レオーネ、音楽:エンニオ・モリコーネ、主演:クリント・イーストウッドといったマカロニ・ウェスタンの代表者達。アメリカ西部劇との大きな違いは、その非情さにある、とにかく人を殺す。病人も、女子供も、老人も平気で殺してしまう。

主人公は賞金稼ぎの若者マンゴー(クリント・イーストウッド)と初老の元大佐モ-ティマー(リー・ヴァン・クリーフ)。大悪党のインディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)とその一味を倒して、多額の賞金を得ようと、コンビを組む。ところがこの二人、お互いに騙しあったり、けん制しあって、賞金を独り占めしようと争う。
昔、インディオは愛をベッドでささやき合っていた若い男女を殺したという過去がある。実はその殺された青年こそ、モ-ティマーの息子だった。この事を知ったマンゴーはモ-ティマーに初めて友情を感じ、モ-ティマーにインディオを射殺する機会を与える。モ-ティマーはかたきを倒すと、賞金をマンゴーに譲り、去って行く。

詳細はgoo 映画で
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13779/story.html

クリント・イーストウッドがカッコよくなって見違えた。ローハイドではあまりパッとしなかったけど。渋く、たくましく感じた。

疲れるゴールデン・ウィークも終わり。新型インフルエンザで騒いでいるうちに夏!時の流れは速い!!


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-9

2009-05-08 01:02:24 | レコード(映画)

続荒野の用心棒   マカロニ・ウェスタンのブームに載って

当時日本ではスパゲッティよりマカロニがイタリアのイメージだったようだ。「続」とついているけど「荒野の用心棒」とはまったく関係が無い。配給会社の都合で付けた題名。「荒野の用心棒」の続編は次回の「夕陽のガンマン」になる。そんな事にお構いなしで、アンチ・ハリウッドの西部劇を楽しんでいたのだ。

物語の舞台はメキシコ国境に近い小さな村。その村でもと南軍少佐ジャクソン(エドワルド・ファハルド)とメキシコの独立を願うウーゴ・ロドリゲス将軍が激しく対立。その両者の間に登場するのが早撃ちの名手ジャンゴ(フランコ・ネロ)。バカロフの音楽にのって、夕陽を背に、サドルを肩に、棺桶を引きずっての登場。棺桶から取り出した機関銃を撃ちまくってジャクソン一味をやっつける。

goo 映画で詳細を見て
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13751/index.html

ゴールデン・ウィークも終わり、日常に戻ろうと思うけど、年のせいか、なんとなくだるいかんじ。景気も悪いし・・・  こんな事でどうする!


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-8

2009-05-01 00:49:26 | レコード(映画)

さらばアフリカ  ヤコペッティの残酷映画と物悲しいオルトラーニの音楽

ヤコペッティ作品は、残酷描写の羅列で、その合間に、にんげんの獣性の悲しさを詩情たっぷりに綴っていく。オルトラーニの抒情的な旋律がそれを支えている。この作品は、ヤコペッティの長編記録映画4作目で、1962年から3年がかりでアフリカ・ロケをして作られた作品である。当時はアフリカ人のナショナリズムが高まり、民族間の構想が始まった年であった。そんな動乱さなかのアフリカを、いくつかの角度から抉り出す。大量殺戮によって滅び行く動物天国、支配階級の交代による人間同志の殺し合い、爆発するアフリカ民族のエネルギー、後退しアフリカを去って行く白人達の姿。ザンジバル島におけるアフリカ人の宿敵アラブ人の大量虐殺シーンは、現存する唯一のフィルムといわれる。象やカバの串刺しのようなショッキングなシーンも多く、ヤコペッティ作品の大表作の一つ。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-7

2009-04-28 00:48:18 | レコード(映画)

世界残酷物語   心に沁みるテーマ曲モア

ヤコペッティの名を一躍世界的に高めた「世界残酷物語」は彼の最初の長編ドキュメンタリー。南イタリアのバレンチノの肖像除幕式に始まり、文明、非文明を問わず、世界各国から”残酷な”風習を40あまり集めた。企画そのものが目新しかった。ブタの子に自分の乳をやるニューギニア未開人の女、ニューヨークのゲテモノ・レストラン、台北の犬肉料理、グルカ族の祭で、牛の首を青竜刀のようなもので切り落とす儀式等等。
音楽はリズ・オルトラーニとニーノ・オリヴィエロがこの種の作品にありがちなおどろおどろしい曲想を避け、抒情的な旋律を使った所が新鮮。この「モア」は世界的にヒットした。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-6

2009-04-21 00:49:49 | レコード(映画)

ロミオとジュリエット  シェークスピアの不朽の名作

衝撃の「ウェスト・サイド物語」にドラマを提供した「ロミオとジュリエット」その古典を映画化した若者映画。15歳のジュリエットはオリヴィア・ハッセー。鮮烈のデヴュー。

時は、15世紀中葉。ルネサンスを迎えたイタリアのヴェロナ。町の名門モンタギュー家は、新興キャピュレット家とことごとに争うライバル同士となっていた。喧嘩に無関心なモンタギュー家のロミオ(レナード・ホワイティング)は、キャピュレット家の舞踏会で、その家のひとり娘ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)に出会い、一目ぼれをしてしまう。若い二人の激しさは深夜のバルコニーでも、火のようにぶつかり、うわごとのように愛を口走り、翌日、尊敬する神父の導きで、秘密結婚式になだれ込む。この結婚式の帰り、ロミオは両家の争いに巻き込まれる。彼は親友マキュシオが、キャピュレットのティボルト(マイケル・ヨーク)に殺されたと知って、憤激に理性も忘れ、恋人のいとこを刺し殺してしまう。そしてロミオは、逃亡のあわただしさの中で、ジュリエットと初夜を送り、逃亡先で彼女の急死を聞く。実は特別な薬品による仮死の芝居だったのだが、ロミオに事情を察するゆとりは無い。彼は墓所に眠る恋人を一目見て、毒をあおった。目覚めて、初めてとんでもない行き違いに気付いたジュリエットも、即座にわが胸に短剣を突き刺す。古い世代の無策の硬直。それが四人もの若者の命を奪った悲劇を起こした。

「古い無責任」の糾弾。何時の時代もある、悲劇の元凶。音楽はニーノ・ロータ。イタリア音楽界の重鎮。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-5

2009-04-17 01:05:16 | レコード(映画)

道  生まれたままの人間の心に宿った神と悪魔

フェデリーコ・フェリーニ監督の名作。主題歌はニーノ・ロータ作曲の「ジェルソミーナ」の歌。淋しげに、心に沁み込んでくるような・・・

頭の少しおかしい、幼児のような女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)が、旅回りの大道芸人ザンパノー(アンソニー・クィン)に買われて、旅に出た。ザンパノーは、獣のような暴力的・本能的な男である。彼女を助手兼女房としてこき使ったが、他の女に平気で手を出す。彼女はいくどか逃げようとしたが、都度捕まり、離れられない。
二人は、やがてある曲芸団にやとわれた。団員の一人に「キ印」(リチャード・ベース・ハート)と呼ばれる青年がいて、彼女に神の道を教えた。ザンパノーは「キ印」と喧嘩をして監獄に入れられたが、まもなく出所してふたたび二人の旅が続けられた。
二人はまた路上で偶然「キ印」に再会した。ザンパノーは、再び「キ印」と喧嘩をして、今度は彼を殺してしまった。ザンパノーにもこの時は悔恨の情が生まれた。ジェルソミーナは「キ印」の死を悲しんだが、この時から彼女の心身はとみにおとろえて、ザンパノーにとっては厄介な存在となった。とうとう雪の夜、ザンパノーはジェルソミーナを捨てて立ち去る。
それから数年後、ザンパノーはかってジェルソミーナを捨て去った海岸の村に、曲芸団の一員として帰って来た。ふと気がつくと、村の女が聞き覚えのあるジェルソミーナ」の歌を歌っていた。たずねてみると、その女に歌を教えたのはジェルソミーナであるが、もう死んでしまったとの事。ザンパノーは酒に酔いつぶれ、海岸に迷い出て、夜の海辺の砂に泣き伏して、動かなくなった。

 


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-4

2009-04-14 01:23:15 | レコード(映画)

太陽はひとりぼっち  よせあう唇はいつまでも冷たく

ミカランジェロ・アントニオーニとモニカ・ビッティの作品。「情事」、「夜」、そしてこの「太陽はひとりぼっち」で三部作を構成していた。音楽はジョバンニ・フスコ 咽ぶような主題曲は胸に沁み込む。

ヴィットリア(モニカ・ビッティ)は婚約者リカルド(フランシスコ・ラバル)と重苦しい話しあいの一夜をあかしたすえ、彼との婚約を解消した。あとを追うリカルドをふりきって、彼女は友達の家に逃避する。彼女は証券取引所にいる母を訪ねる。株価の数字の上げ下げを追う狂騒的な取引所の雑踏の中で相場を張っている素人投資家の母は、彼女の話を聞こうともしない。女友達のアニタとマルタの三人で、深夜のアパートでふざけちらしてみても、空しさは消えない。アニタの夫のパイロットが操縦する飛行機にのってみても、倦怠の日々は少しも姿をかえはしない。ふたたび訪ずれた取引所では、株の大暴落がはじまっていた。彼女の母は投資資産のすべてを失ったすえ、大きな借金をせおいこんだ。取引所には株式仲買所につとめる美貌の青年ピエロ(アラン・ドロン)がいて、前から彼女と時々言葉をかわしていた。この日を境に、二人は接近した。二人は町を歩く。そして二人は、ピエロのオフィスで結ばれる。抱きあって、話をかわし、笑い、やがて朝がきて、二人は別れる。だが、そう簡単に恋は成立しないヴィットリアは乱暴なリカルドには懲りている。ピエロは女の愛に飢えていながら、株の大損が気になる。商売を第一の毎日に戻る。金に狂奔するピエロに愛は感じられず、ヴィットリアは前と同じように街を放浪する生活に戻った。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-3

2009-04-10 00:41:44 | レコード(映画)

ブーベの恋人  耐えることの美しさと悲しさ

前掲:http://blog.goo.ne.jp/isc_info/e/c9e64b0b73a7c2f8239fb19cb37a6e26

クラウディア・カルディナーレが美しい。当時25歳。輝いく程の魅力が一杯。相手役のジョージ・チャキリスは「ウェスト・サイド物語」で評判になってから2年。32歳、充実の時。女性はチャキリスが目当てだったんだろうな。音楽はカルロ・ルスティケリの名作。

列車に揺られるマーラ(クラウディア・カルディナーレ)の語り。”私は半月に一度この旅をします。幸せだった昔の思い出を道連れとして、ありのままの話をします。苦しいけど、悲しくない物語です。事のおこりは祭日でした”。こうして画面は1944年の7月イタリアの田舎町のマーラの家へと移る。
パルチザンの戦士がマーラの家に立ち寄った。ブーベ(ジョージ・チャキリス)というその戦士はマーラの兄サンテが銃殺されたことを知らせにきたのだ。マーラの兄もパルチザンの戦士だった。一夜を過ごしたブーベは、翌朝初めてマーラと話を交わした。その時に戦場で手に入れた落下傘の絹をブラウスにでもとあたえて、自分の故郷に帰っていった。その後数ヶ月はマーラとの文通が続き、冬になってブーベは新しい仕事を得たとサン・ドナトからやってきて、マーラの気持ちを確かめることもせず彼女の父親から婚約の許しを得てサン・ドナトへ行ってしまった。マーラは一方的なブーベが憎かった。ある日突然、ブーベがやって来た。ふとしたことから殺人を犯し、警察に追われる身になってしまったのだ。ブーベはマーラを連れて故郷へ帰り、その上で身の振り方を考えることにした。町で念願のハイヒールを買ってやり、マーラは喜んだがブーベはふさぎがちだった。ブーベの家は貧しかったのでマーラはがっかり。捜査の手が伸びてきて、ブーベはマーラと共に工場の廃墟に隠れた。翌朝、仲間の計らいでブーベは国外に逃亡することになった。マーラはブーベに初めて身体を許しそして別れた。
しばらくして、マーラは町にいる友達と働く決心をした。マーラはブーベへの想いを消そうと一生懸命働く。やがてステファノ(マルク・ミッシェル)という真面目な青年を知った。マーラはステファノの好意で彼の印刷工場で働くことにした。マーラはステファノに心引かれるようになり、ブーベを思うと心が苦しかった。映画を見たり、食事をしたりしている内にステファノはマーラに愛の告白をした。マーラはステファノとブーベの二人に愛を断つかのように、別れを告げた。
一年がすぎた。ブーベはユーゴスラビア政府によってイタリアに送還され、裁判にかけられた。マーラは刑務所でブーベに会った。結局ブーベは14年の判決を受けた。マーラはブーベの妻になることを決意。それ以来2週間毎の刑務所通いを続けるのであった。

最初に刑務所通いを7年したマーラ、あと7年、長い?、もう少し? 
なんかよかった。

 


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-2

2009-04-07 01:04:32 | レコード(映画)

刑事  引き裂かれた恋の行方を悲しむ主題歌

官能的な主題歌「死ぬほど愛して」は前回の「鉄道員」、そして後にも紹介する「ブーベの恋人」とカルロ・ルスティケリの3大傑作となっている。町中に”アモーレ、アモーレ、アモーレミヨ・・・” と響き渡っていた。ヒロインのクラウディア・カルディナーレの野性的魅力と共に忘れられない作品。
ピエトロ・ジェルミ監督・主演(前回の「鉄道員」と同じ)

観光バスのコースからはずれている、ひっそり静まった古都ローマの感じが漂う住宅街。そのアーケードを通り抜けて奥の石段をのぼると、がっちりした造りのアパートがある。少し古びているが、立派な住宅。その住宅のバンドッチ家の客間で、夫人が鈍器で頭を割られて殺された。真昼の惨劇。発見者は被害者の親類の中年紳士バルダレーナ(フランコ・ファブリツィ)。被害者の夫バンドッチは旅行中で留守だった。
かけつけた特捜班のイングラバロ警部(ピエトロ・ジェルミ)は、証拠らしい証拠がないばかりか、事件の全貌がつじつまの合わない事ばかりなので、イライラして機嫌が悪い。しかも一週間前、バンドッチ家の隣の強盗事件も解決していない。その強盗事件のとき、挙動不審の男に訊問すると、近くの電気商の店員のディオメデ(ニーノ・カステルヌオボ)で、強盗に入られた家のパートタイムお手伝いのアッスンタ(クラウディア・カルディナーレ)と婚約中。アッスンタは事件の時にはバンドッチ家にいたと申し立てた。そしてディオメデにはアリバイがあり、捜査はやり直しとなった。
同じアパートの隣同士が凶悪犯罪にあったのは、偶然なのか関係があるのか、犯罪捜査の経験とカンから、警部には関係していると感じられる。バンドッチが帰って来た。尾行させるとあやしい。殺された夫人の遺言では彼への遺産はゼロ。
妻が惨殺されたアパートでバンドッチを訊問すると、15歳の御手伝い(クリスチナ・ガイヨーニ)と関係しているのを妻に感づかれ、クビにするといって別に住まわせ関係を続けていたと白状するが、殺しにはアリバイがあり無関係。
また振り出しに戻って、事件を再構築すると、どうもアッスンタとディオメデに疑惑が集中してくる。ついに真相が明らかになる。妊娠したアッスンタにまとまった金をやるため、ディオメデはバンドッチ家に盗みに入ったが、昼寝しているはずの夫人に見つかり、夫人を殴り倒した。夫人は打ち所が悪く、死んでしまった。
ディオメデは逮捕連行される。連行される恋人を追いかけて走るアッスンタ。印象的なラストと共に終了。