青春グラフィティ

青春時代に見に行った映画のパンフレットやレコードのコレクションから懐かしい場面にタイムスリップ

ヨーロッパ映画・名作編Ⅱ-2

2009-05-29 02:24:57 | レコード(映画)

パリのめぐり逢い  壮麗な映像のシンフォニー

クロード・ルルーシュとフライシス・レイが送る、男と女の出会いと別れのシンフォニー

一流ニュース・レポーターのロベール(イヴ・モンタン)は、多忙な取材旅行の寸暇をぬって、束の間の情事を楽しむ。仕事に精力的であるのと同じように遊びにも精力的である。あわただしい情事の合間に、美しく若い女性とすれ違う。ボクシングの試合の取材に出かけたロベールは、その女性キャンディス(キャンディス・バーゲン)と出会う。彼女はソルボンヌ大学に留学中のアメリカ女学生で、そのかたわらサン・ローランのファッション・モデルをアルバイトにしている。ロベールはアフリカの取材旅行に誘う。ケニヤの大草原での野獣狩り、外人部隊の取材。二人は大自然の中で、情熱をぶつけ合う。
妻カトリーヌ(アニー・ジラルド)とアムステルダムに休暇に出かけたロベールは、後を追って現れたキャンディスを見て愕然とする。恋のとりこになってしまったキャンディスのひたむきさに、たじたじのロベール。若さの情熱と中年の分別。ロベールは妻にウソをついて、キャンディスとアムステルダムの一夜を共にする。妻はロベールのウソを見通していた。静かな悲しみを沈潜させるカトリーヌ。ロベールとキャンディスの同棲、その破局、キャンディスはニュー・ヨークに去り、ロベールはヴェトナム戦線の取材に旅立つ。
ヴェトナム戦線で捕虜になったロベールがフランスに帰された時、まず訪れた相手はアルプスのスキー場で休暇を楽しんでいる、かっての妻カトリーヌだった。若い仲間達と楽しそうに過ごしているカトリーヌ。彼女は完全に自分さら離れた世界に行ってしまったのか・・・・ロベールは淋しく去ろうとする。が、山小屋のそばの車の中で、カトリーヌが温かい笑顔で、彼を待っているのを見つける。

男と女 クロード・ルルーシュとフランシス・レイの描く世界。華麗な映像と快適なリズムで誘惑され、陶酔させてくれる。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅱ-1

2009-05-26 00:54:11 | レコード(映画)

男と女   映像が歌う愛のドラマ

ダバ、ダバダバダ・・・・・・クロード・ルルーシェの映像とフランシス・レイの音楽が作り出す男女の愛のムードに酔いしれてしまいそう。

極端にピントをぼかした、ぼんやりした風景・・・殆ど何が映っているのか解らない。ただにじんだ色彩の模様が、微妙なハーモニーを感じさせる。画面外から、母親が娘に童話「赤ずきんちゃん」の一節を語っている。こうして物語は始まる。母親はアンヌ・ゴーチェ(アヌーク・エーメ)。えんじ色のフォード・ムスタングが砂浜にシュプールを描くのと共に、もう一組の父子。若い父親はジャン・ルイ・デュロック(ジャン・ルイ・トランティニヤン)。アンヌは映画のスクリプト・ガールをしている。ジャン・ルイはレース・ドライバーだ。子供をドーヴィルの寄宿学校に預けていた偶然が、二人を出会わせた。ドーヴィルからパリに向かう夜のドライブで、アンヌはほんの少しだけ、俳優で歌手で詩人でスタントマンだった夫ピエール・ゴーチェ(ピエール・バルー)のことを語る。次の日曜日に、再びドーヴィルで合った時に、各々の過去をすべて語る。アンヌの夫は戦争映画の撮影中に事故死した。ジャン・ルイの妻は夫の危険な職業に弱い神経を犯され、3年前に夫が事故を起こし重傷を負った時、耐え切れなくなり自殺した。過去を語り合い、二人の心がふれあい、二人を緊密にして行く。ありふれた恋の姿、でもありふれているがゆえに素直に入れる。(アネーク・エーメの漂わす30歳前後の女のしっとりしたムードが素晴らしく、美しく・・・・)
モンテ・カルロの耐久レースではジャン・ルイのムスタングが、ものすごい悪路に挑戦する。パリのアンヌはモンテ・カルロに電報で「愛しています」。ゴールしたジャン・ルイはこの電報を見て、すぐムスタングでパリに向かう。さらにドーヴィルへ。朝の光の輝く海岸で、二人の子供を連れたアンヌを発見する。抱き合う二人。ホテルのベッドで二人は結ばれる。赤と黄の原色が二人の情熱を彩る。が、アンヌは抱擁の中で、いまだに死んだピエールを愛している自分を発見したのだ。
わびしく、二人は分かれる。アンヌは、ひとりでパリ行きの列車に乗る。ジャン・ルイは別れられない。ムスタングで彼女の後を追う・・・・・   。

フランスの俊英監督クロード・ルルーシェの出世作、1966年カンヌ映画グラン・プリ、アカデミー外国映画賞。色彩の鮮やかさ、心の襞を写すばかりの描写。

主題歌は街中に流れ、溢れていた。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅱ

2009-05-22 00:38:44 | レコード(映画)

前回まではイタリア映画だったが、今回からフランス映画が主体となる。イタリアがクラウディア・カルディナーレ(CC)ならフランスはブリジット・バルドー(BB)となるだろう。カトリーヌ・ドヌーヴという声も有るけどやはりBBの存在感は群を抜いている。

男と女を始めとするフランスの映画と映画音楽は十分楽しいものだ。

男と女

パリのめぐり逢い

個人教授

アイドルを探せ

白い恋人たち

ビバ!マリア    ーーーーーーーー パリ・パリ・パリ

禁じられた遊び  ーーーーーーーー ロマンス

恋するガリア

赤い風車      ーーーーーーーー ムーラン・ルージュの歌

巴里野郎      ーーーーーーーー パリ・カナイユ

巴里の空の下セーヌは流れる  ーー パリの空の下

河は呼んでる

来週から始めます。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-12

2009-05-19 00:56:39 | レコード(映画)

ほほにかかる涙    レコードのヒット・ソングの映画化

サン・レモ音楽祭入賞曲「ほほにかかる涙」を歌手ボビー・ソロを主演に映画化した。

主人公ボビー・トナー(ボビー・ソロ)は、ハイチーンのアイドル歌手。ニューヨークに住むイタリア系アメリカ人という設定で、サン・レモ音楽祭で入賞してからというもの、イタリアでも大人気。そこでレコードの吹き込みのため、イタリアにやって来る。父の友人宅にとまることになる。その家の一人娘がルチア(ラウラ・エフリキアン)。彼女とナポリ見物、ダンスと過ごす内に淡い恋が芽生える。しかし、電報がアメリカから届いて、ボビーは帰らなくてはならない。「ほほにかかる涙」歌うボビー。ルチアの目には涙が一杯。

他にもたくさんの歌がうたわれる。この。「ほほにかかる涙」の作詞者はルネロというが、実はカトリーヌ・スパーク(「十七才よさようなら」「太陽の下の18才」の主演女優)のことで、話題になった。

17日の日曜日、小学校の同級生6人と明日香村の「萩王」で昼食会。歩くのが健康にいいと飛鳥駅から遠回りさせられ1時間かかったけど。優しい味付けで、美味しかったよ。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-11

2009-05-15 01:19:08 | レコード(映画)

悲しみは星影と共に

前掲:http://blog.goo.ne.jp/isc_info/e/489c87708ca9db5da1681e58f03d1010

シングル・レコードの紹介

ユーゴの片田舎を黒い煙をはいて汽車が走る。線路際にたって見送る姉弟---姉のレンカ(ジュラルディン・チャップリン)は17歳、弟のミーシャ(フェデリーコ少年)は5,6歳で可哀想に目が見えない。「いつかはあの汽車に乗って街へいくのよ。そこで目の手術をすれば、きっといろいろなものが見えるようになるわ」。
父も母もいない、二人っきりになったのは、第二次世界大戦で、ユーゴがドイツ軍に占領され、ユダヤ人の両親が遠い収容所に連れ去られてしまったから。主役のレンカは戦争のさなかで、目の見えない弟がいて、恋もままならない。わずかに一回だけ、保育園で、寒さに震えながら彼と抱き合ったのが、唯一の青春の思い出。収容所から脱走してくる父とその死。パルチザンの活動とナチの執拗な捜査など、日々の事件は鉛色の空のように暗い。しかしレンカは、弟には辛い現実を知らすまいと、明るい青空のような話ばかりを聞かせる。それがレンカにとっても希望をつなぐ唯一の方法なのだ。
ついにこの姉弟も収容所おくりときまった。汽車に乗せられても、目の手術に街の病院に行くのだと信じている弟は、「あしたになれば、森も牧場も美しい星も見えるんだね」と、姉に話しかける。レンカの目には涙が溢れていた。

辛い話だった。悲しい音楽だった。


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-10

2009-05-12 00:55:13 | レコード(映画)

夕陽のガンマン マカロニ・ウェスタンの代表作

監督:セルジオ・レオーネ、音楽:エンニオ・モリコーネ、主演:クリント・イーストウッドといったマカロニ・ウェスタンの代表者達。アメリカ西部劇との大きな違いは、その非情さにある、とにかく人を殺す。病人も、女子供も、老人も平気で殺してしまう。

主人公は賞金稼ぎの若者マンゴー(クリント・イーストウッド)と初老の元大佐モ-ティマー(リー・ヴァン・クリーフ)。大悪党のインディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)とその一味を倒して、多額の賞金を得ようと、コンビを組む。ところがこの二人、お互いに騙しあったり、けん制しあって、賞金を独り占めしようと争う。
昔、インディオは愛をベッドでささやき合っていた若い男女を殺したという過去がある。実はその殺された青年こそ、モ-ティマーの息子だった。この事を知ったマンゴーはモ-ティマーに初めて友情を感じ、モ-ティマーにインディオを射殺する機会を与える。モ-ティマーはかたきを倒すと、賞金をマンゴーに譲り、去って行く。

詳細はgoo 映画で
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13779/story.html

クリント・イーストウッドがカッコよくなって見違えた。ローハイドではあまりパッとしなかったけど。渋く、たくましく感じた。

疲れるゴールデン・ウィークも終わり。新型インフルエンザで騒いでいるうちに夏!時の流れは速い!!


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-9

2009-05-08 01:02:24 | レコード(映画)

続荒野の用心棒   マカロニ・ウェスタンのブームに載って

当時日本ではスパゲッティよりマカロニがイタリアのイメージだったようだ。「続」とついているけど「荒野の用心棒」とはまったく関係が無い。配給会社の都合で付けた題名。「荒野の用心棒」の続編は次回の「夕陽のガンマン」になる。そんな事にお構いなしで、アンチ・ハリウッドの西部劇を楽しんでいたのだ。

物語の舞台はメキシコ国境に近い小さな村。その村でもと南軍少佐ジャクソン(エドワルド・ファハルド)とメキシコの独立を願うウーゴ・ロドリゲス将軍が激しく対立。その両者の間に登場するのが早撃ちの名手ジャンゴ(フランコ・ネロ)。バカロフの音楽にのって、夕陽を背に、サドルを肩に、棺桶を引きずっての登場。棺桶から取り出した機関銃を撃ちまくってジャクソン一味をやっつける。

goo 映画で詳細を見て
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13751/index.html

ゴールデン・ウィークも終わり、日常に戻ろうと思うけど、年のせいか、なんとなくだるいかんじ。景気も悪いし・・・  こんな事でどうする!


ヨーロッパ映画・名作編Ⅰ-8

2009-05-01 00:49:26 | レコード(映画)

さらばアフリカ  ヤコペッティの残酷映画と物悲しいオルトラーニの音楽

ヤコペッティ作品は、残酷描写の羅列で、その合間に、にんげんの獣性の悲しさを詩情たっぷりに綴っていく。オルトラーニの抒情的な旋律がそれを支えている。この作品は、ヤコペッティの長編記録映画4作目で、1962年から3年がかりでアフリカ・ロケをして作られた作品である。当時はアフリカ人のナショナリズムが高まり、民族間の構想が始まった年であった。そんな動乱さなかのアフリカを、いくつかの角度から抉り出す。大量殺戮によって滅び行く動物天国、支配階級の交代による人間同志の殺し合い、爆発するアフリカ民族のエネルギー、後退しアフリカを去って行く白人達の姿。ザンジバル島におけるアフリカ人の宿敵アラブ人の大量虐殺シーンは、現存する唯一のフィルムといわれる。象やカバの串刺しのようなショッキングなシーンも多く、ヤコペッティ作品の大表作の一つ。