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青春グラフィティ

青春時代に見に行った映画のパンフレットやレコードのコレクションから懐かしい場面にタイムスリップ

ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-12

2010-03-18 00:53:05 | レコード(映画)

汚れなき悪戯 1955年スペイン映画の傑作

前傾:http://blog.goo.ne.jp/isc_info/e/6fb3af1eae8714f8a592de182995ce3f

これで一応終了という事になります。長い間、有難うございました。

パブリート・カルボ少年が演じるマルセリーノ坊やのあどけない表情、澄んだ瞳、可愛らしくて、ほほえましかった。

物語:
その日、スペインのある小さな村では聖マルセリーノ祭を迎え、村人たちは楽しげに丘の上の教会へと向かう。その時、人気のない村の貧しげな家に一人の僧侶が病に臥す少女に、聖マルセリーノ祭にまつわる美しい奇跡の物語を、当時を偲ぶように話して聞かせるのだった・・・・・。
  かって戦争で荒れ果てたこの村が、再び平和を取り戻し始めた頃、三人の年老いた僧侶が村にやってきて、丘の上の廃墟に僧院を建てたいと村長に頼んだ。心の広い村長は助役の反対にもかかわらず快諾した。三人の僧侶のたどたどしい仕事を見かね、どこからともなく数人の農夫が現れて力を貸し、程なく僧院は出来上がった。やがて十年も過ぎた頃、僧侶たちは十二人となり静かな信仰の生活を送っていた。
 ある朝の事、門番の僧侶は僧院の前に赤子が捨てられているのを発見。単調な信仰生活の僧侶たちには、重大事だった。僧侶たちは赤子が天からの授けもののように自分たちで引き取り養いたがった。そして赤子の両親が共に今はない事を知る。たまたまその日は聖マルセリーノの日だったのでマルセリーノと名づけ、世話を始めた。慣れないながらも、彼らは一心に愛情を注いだ。僧院長も思いは同じだったが母親なしに育つ孤児の将来を心配した。僧院長の命令で僧侶たちは赤子を引き取ってくれる先を探した。善良な農夫の家は子供が多く、貧しかった。引取りを申し出た助役の鍛冶屋は悪意をもっていた。僧侶たちは失敗した。でも密かに喜んでいた。
 五年の月日のうちにマルセリーノは、僧侶たちの愛情に育まれ素直で快活な少年に育っていた。マルセリーノは天使のように無垢で可愛い悪戯っ子。スペインの山々を眺め、僧院を自分の世界とし十二人の父親を相手に可愛い悪戯をするマルセリーノ,夢か詩のような生活。マルセリーノは僧侶たちを「お粥さん」とか「病気さん」「鐘さん」などと呼んでいた。しかしいつか、悪戯っ子のマルセリーノも、自分の母は天国にいるのだと考え、母を思う日が多くなっていた。ある日、野原で会った美しい農家の若妻は、マルセリーノには母親のように感じられた。彼女にはマヌエルという自分と同じ年頃の男の子がいるときかされたマルセリーノは、その後マヌエルを空想の友達と考え、つぶやくようにマヌエルに話しかけて、一人ぽっちの遊びをしていた。
 祭りの日が来て、マルセリーノは初めて村に連れて行ってもらった。マルセリーノの無邪気な悪戯が、思いがけない混乱を招き、負傷者が出てしまった。このことが僧侶達の不幸になった。僧院の良き理解者であった村長の後を引きついていた鍛冶屋は、かねてからの恨みをはらす機会と、僧侶達を攻めたて、僧侶達は一ヶ月以内に僧院を引き渡し退去するはめになった。
 年老いた僧侶達は、自分たちのものにはならない収穫のため黙々と畑仕事に出た。マルセリーノは前ほど皆に構われなくなったのを感じていた。いつも相手をしてくれる「お粥さん」も、黙ってマルセリーノを見守るだけだった。
 一人取り残されたマルセリーノは空想の友マヌエルと孤独な遊びをするだけだった。しかし少年の頬に明るい微笑みは消えなかった。「マヌエル、屋根裏に行こうよ」そこは悪戯が繰り返されるので、近寄る事を禁じられた場所。鎌や熊手など危険な道具があったから。「永遠にお前を連れ去る人がいるんだ」と「お粥さん」の言葉が聞こえる気がした。おそるおそる納屋に登った少年は、思いがけなく十字架にかけられたキリストの像を発見。びっくりして、逃げ出した。その後再び、勇気を出して、ここを訪れたマルセリーノは、飢えと寒さに苦しむように見えるキリストの像にいつしか友情を感じていた。マルセリーノは微笑んで話しかけ、パンやぶどう酒、毛布などを「お粥さん」の目をかすめて持っていった。嵐の晩、少年は目を覚ますと、寒さに震えるキリストの事が気になった。「恐れるな!」自分を励ますようにつぶやくと、屋根裏へとそっと出かけた。これが最後の悪戯だった。マルセリーノの好意に報いるためキリストは彼の願いを聞いた。少年は天国の母に会いたいと答えた。
 古椅子に寄りかかり、可愛く微笑みを浮かべ、永遠の眠りについた少年の周りに光が輝いていた。「お粥さん」、「鐘さん」、院長も神の奇跡を畏れながらも、少年との別離に声を上げて泣く。
 奇跡は村に伝わり,鐘の音が鳴り響くマルセリーノの葬儀には、村人たちに混じり鍛冶屋の村長も参列した。
  ・・・・・話し終わった僧侶が暮れかかった丘の道を戻る頃、教会から村人たちが帰ってきた。聖マルセリーノ祭も暮れようとしていた。

 


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-11

2009-10-30 13:10:20 | レコード(映画)

美しき虹のかけら  フリーセックスの国と騒がれたスウェーデンから爽やかな恋愛映画

北欧の引き締まるような冷気の中で、愛し合う二人。彼はスウェーデンの人気グループ・サウンズのリーダーのオーラ(オーラ・ハカンソン)。彼女は小さな劇団の看板女優ユリア(モニカ・エクマン)。
20歳の女の子と、19歳の少年の若くて、ためらいがちで、一途な恋だが、二人とも自分の“社会”を持っている。オーラがユリアに会うには、押し寄せるファンの女の子達を振り切り、グループのメンバーの白い目を感じなければならなかった。ユリアには、同じ劇団で働く恋人がいるし、この劇団そのものがユリアで持っているようなものだ。二人の仲を喜ぶものは誰もいない。そんな二人が、夜の田舎町の人通りのない道で、明るいきれいなカフェで、晴れた日の静かな森で、愛し合ういじらしい姿。しかし、二人がデートを重ねるに従い、劇団やグループの仕事に支障をきたし、二人の恋に批判が高まってきた。そしてマネージャーや団長からデートを禁止された。むしゃくしゃした気持ちから二人は喧嘩別れをした。でも、会わないでいると、毎日が耐えられず、オーラはユリアに電話し、ニーナシェムという巡業先で会うことにした。その町に向う途中、オーラたちの乗った車が事故を起こした。ユリアに会いたいオーラは救援車が来るまで待てという仲間の言葉を振り切って、彼らとの絶交を覚悟し、一人ニーナシェムに向った。暗く人気のない公演会場で、ユリアは一人待っていた。オーラの姿に、ユリアの瞳から大粒の涙があふれる。走りより、無言で二人は抱き合う。


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-10

2009-10-20 01:01:42 | レコード(映画)

撃墜王アフリカの星   

1960年ドイツ映画、大作ではないがスッキリした後味の映画。主題曲『アフリカの星のボレロ』は戦争映画らしくないステキな曲だ。

1939年夏。ドイツ空軍士官学校では生徒達が青空を飛びまわっていた。なかでも主人公のハンス・ヨアヒム・マルセイユ(ヨアヒム・ハンセン)は規則違反の常習者。22歳の青年で明朗で青春を謳歌していた。まもなく、ヨーロッパは戦火につつまれ、マルセイユはアフリカ戦線に出動を命じられる。開けてもくれてもイギリスのスピットファイアーとの戦いの日々。愛機のメッサーシュミットに乗り活躍を続け、敵から撃墜王として、恐れられるようになった。ある日、ドイツからやって来た飛行士が、砂漠に飛行機を墜落させ、マルセイユの腕の中で死んだ。目の前で僚友の死を体験した彼は、死の意味を知る。彼が撃墜した敵機の数は、彼が殺した敵の人数なのだ。ゲーム感覚で戦闘をしていた・・・・。少尉になった彼は、ベルリンに呼び戻され、『空の英雄』として賞賛された。母校の小学校に講演に行った彼は、ブリギッテ(マリアンネ・コッホ)という美しい女教師と知り合った。ひと目で愛し合った彼らはもう離れられなくなった。ムッソリーニに招かれローマに向う彼は、ブリギッテを同伴した。そしてローマで身を隠し、小さな宿屋にひそんでしばしの幸せに酔った。マルセイユの僚友フランケに探し出された二人は、別れなければならなかった。マルセイユはアフリカに戻され、絶望的な戦いに身をおかなければならなかった。撃墜数158機に達したマルセイユは『アフリカの星』と賞賛された。しかし、運命の日がやって来る。出撃した機が故障し、落下する愛機から脱出したけど、パラシュートが開かなかった。戦い、恋し、悩んだドイツ青年は裁くの夕陽の中に散った。

 


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-9

2009-10-14 01:24:41 | レコード(映画)

久しぶりの投稿になります。老母がいるので弟と交代で様子を見に行かないと、いけないのですよ。我が家から、くるまで30分電車で50分ぐらいのところですが、結構大変です。出来るだけ頑張りたいです。

朝な夕なに  清潔で美しいルート・ロイヴェリック

ルート・ロイヴェリックという女優は、年上の女性の優しさを感じさせる。『菩提樹』の公開後、ファンがかなりいたそうだ。

美しい高校の教師ハンナ・ブルクハルト(ルート・ロイヴェリック)は教育に熱心で、教師と生徒のあいだには人間的な信頼関係が必要だと信じている。しかし、古い考えのほかの教師には理解されず、何回かトラブルを起こした。教育局長ハンケは、最後の機会としてハンナをシラー男子高校に転勤させる。ここで物理化学を担当した彼女は、何とかして生徒達の学力を向上させようと努力した。クラスの中に成績も良く、信頼もされているマルティン(クリスチャン・ヴォルフ)がいた。彼は彼女と同じ下宿で、両親は別居中、温かい家庭に飢えていた。彼女は彼のさびしい気持ちを、労わってやった。校長のヴォルフガング・コルネリウス(ハンス・ゼーンカー)は独身の人格者だが、かれも、教師は生徒の私生活にあまり立ち入るべきでないと忠告した。
ハンナは休暇中に、大学時代の友人で、工場の要職を勤めるヴァルター(ハンス・ライザー)に求婚されるが、仕事を離れられないと、断る。
生徒達はハンス(ピーター・シュテルナーゲル)を中心にジャズバンドを作って放課後を楽しんでいた。ハンナが生徒達と打ち解けてきた頃、猛烈に試験勉強していたハンスが病死。ハンナは、校長と教会を説得し、ハンスが好きだった『真夜中のブルース』を、墓前で、生徒達のバンドで演奏出来るようにしてやった。ハンナと生徒達の信頼関係は強まって行った。ある日、マルティンが淋しい気持ちを労わってくれるハンナを慕う気持ちを書いていた手帳を落とし、これを校長が拾った。マルティンは教室で自殺を計るが、ハンナがとめて、その場を取り繕って収めた。事件は広がろうとしていた。総てを解決するためにも、ハンナは校長の求婚を受け入れることにした。そして新たな決意で、生徒達を優しく導いていこうとしていた。


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-8

2009-09-29 01:55:04 | レコード(映画)

その男ゾルバ   エーゲ海にきらめく、熱き男の友情

イギリス人の作家のバジル(アラン・ベイツ)はクレタ島にある亡き父の遺産を確認するためギリシャにやって来た。雨の降る港のカフェで船を待っている時、妙に人なつっこい男に出会う。その男がゾルバ(アンソニー・クィン)だった。他人のことには一切関心を示さないをモットーとするバジルだったが、自分とまったく違うゾルバに惹かれていく。そして、亡父の遺産である亜炭の山の採掘の現場監督にした。彼はそのとき言った。「私ァ、厄病神ですぜ」。クレタ島での生活は、バジルにとって、何もかも目新しく、奇異に映る。二人はマダム・ホーテンス(リラ・ケドロワ)の経営するホテルに住むことになった。その村には世間とほとんど没交渉の生活をしている未亡人(イレーネ・パパス)がいたが、やがてバジルに心ひかれるようになった。炭坑管理人の息子パブロは未亡人を想っていたが、未亡人とバジルにできた愛を知り自殺した。彼の父は未亡人を憎み、彼女を殺してしまった。春が来て亜炭の採掘が始まるころ、ホーテンスとゾルバは簡単な結婚式をあげた。山から木材を下ろすケーブルの建設工事が進むころ、思いがけずホーテンス危篤の知らせがきたので、ゾルバはバジルを連れてマダムの病床にかけつけた。村人たちは彼女の死を今か今かと待ちかまえていた。この村では、死者の財産を勝手に奪いとる風習があったからだ。やがて彼女が息をひきとると村人たちが争って何もかも持ちだしてしまった。ゾルバは言った。「人生なンてはかないもンさ」--ケーブルの工事ができあがると、その竣工式と試運転が行われることになり、村人たちが集まった。ところがケーブルが切れ、支柱が総倒れになってゾルバの技術とアイデアは失敗した。ゾルバはそれでも泰然と構えて少しも動じなかった。「終わりじゃない!やり直せばいいんだ」と叫ぶゾルバ。そして、二人は肩を組みあい、静かに踊りだす。

次回金曜は休みます。先週もシルバー・ウィークで休みがちで、ごめんなさい。


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-7

2009-09-25 00:56:42 | レコード(映画)

日曜はダメよ   ギリシャの空の下、あふれる陽気な笑い(痛快で、エロチック)

1960年作品。


陽気な売春婦イリヤ


日曜日はボーイ・フレンドを連れ海水浴

ギリシャの港町ピレウスに住む売春婦イリヤ(メリナ・メルクール)。この町は、港に入ってくる船員やアメリカ海軍の水兵たちで、もっている。イリヤは陽気な売春婦で、金髪で、グラマーで町の人気者。彼女が歩くと、男たちは笑顔をみせ、彼女が水着で海に飛び込むと、岸辺はその姿を見ようとする男たちが鈴なり。楽天的で、人のいいイリヤは、職業と私生活をしっかりわけており、月曜から土曜までは働くが、日曜はダメよと断る。日曜になると、別人のように、ドレスを着て、丘の上にある両親の墓参りと、好きなボーイ・フレンドとのデートとまじめにすごす。
この町に、コチコチの勉強家で、過保護に育てられたアメリカ人ホーマー(ジュールス・ダッシン)がひょっこりやってくる。不案内な彼に親切にしてやったのがイリヤ。ギリシャの古代文化を研究に来たというホーマーだが、イリヤは“死んだ遺跡なんか研究しても無駄よ、私の中にこそギリシャ文化は生きているのよ”とタンカをきる。そんなイリヤにホーマーはすっかり魅せられてしまう。ホーマーはイリヤに売春を辞めさせようと思った。町の売春ボス、ノー・フェイスにとって、独立営業のイリヤはシャクの種。ホーマーに金を出しイリヤが売春を辞めるようにする。ホーマーはイリヤの仕事を休ませ勉強を教える。売春婦の一人がホーマーはノー・フェイスの手先だと教える。怒ったイリヤは今までの勉強を反古にする。
アメリカの軍艦が入港する。イリヤは先頭に立ちノー・フェイスに挑戦し、勝利。再び酒場にイリヤの姿、男たちは大喜びで踊りまくる。ギリシャ気質に気づいたホーマー。
翌日、出航するアメリカ船の甲板に、一人帰国するホーマーの姿が・・・・

 


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-6

2009-09-18 00:40:42 | レコード(映画)

ジョアンナ   1960年代後半の新しい女性美を描く


イージ・カム、イージー・ゴーの1960年代後半の新しいキャラクター
ジョアンナを演じるのはジュヌヴィエーヴ・ウェイト


両親の許へ戻るジョアンナ。映画の中にカメラが写り込む。


一人でロンドンにやってきたジョアンナ。


上:新しい女性美を見せるジョアンナ
下:うれしさのあまり踊りだす。


黒人娘ベリルはジョアンナの親友。


ベリルの兄とベッドを共にする。

美術学校に通うためジョアンナ(ジュヌヴィエーヴ・ウェイト)はひとりロンドンにやってきた。若く美しい彼女の、青春の日々が始まる。ジョアンナは絵の教師キャソン(クリスチャン・ドーマー)と親しくなり、黒人娘ベリル(グレナ・フォースター・ジョーンズ)やその兄ゴードン(キャルビン・ロックハート)とも知り合っていった。そして、ドミニックとも。ある夜のパーティで金持ちのピーターと会う。ピーターはベリルと恋に落ち、ジョアンナ、ドミニックと一緒にモロッコの別荘に行く。海と夕日の美しい浜辺。だが、ピーターは不治の病に犯されていた。“長くは生きられない”とジョアンナに打ち明ける。残り短い命だけど、人を信じ、人を幸せにし、有意義に行きたいと語り、ジョアンナを感動させた。ロンドンに帰り、ジョアンナは華やかな生活に戻る。気ままなフリー・セックス。キャソンとの関係も再開。そんなある日、キャソンの個展が開かれ,大成功をおさめた。後援者はあのピーター。だが、個展の成功を見届けた後、ピーターは満足のうちにその生涯を閉じた。ジョアンナはベリルの兄ゴートンと再会し愛し合うようになった。彼女の恋の遍歴は終わった。愛するのはゴートンだけだ。しかしゴートンはナイトクラブの経営のことで、街の不良といさかいを起こし、一人を殺してしまう。つかまって10年の刑。ゴートンの子を身ごもっていたジョアンナは、愛のため子供を産む決心をする。両親の許へ帰るジョアンナを駅まで見送るキャソン。駅のホームに彼女を知る人がみんなズラッと並んで、ジョアンナを励まし、見送ってくれた。


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-5

2009-09-15 00:54:23 | レコード(映画)

ジョージー・ガール

タイトル・バックに流れる、すがすがしい曲。フォーク・グループ、ザ・シーカーズが歌うテーマ・ソング。歌手ダスティー・スプリングフィールドの兄、トム・スプリングフィールド作曲のヒット曲だ。


ハンサムなジョスに心引かれるジョージー・ガール


ジョージーは赤ん坊が欲しかった


ジョスとメレディスの結婚式


パーティで歌うジョージー


ドライなメレディス


ジョスの赤ん坊を引き取るジョージー


奇妙な夫婦。ジョスとメレディス

なりふりはあまり気にかけない、大柄なジョージー・ガール(リン・レッドグレイブ)が、アパートに向う途中、ウィンドウ・ショッピングなどしている。22歳のジョージーは恋にあこがれている。しかし、大きいだけで大して魅力のない彼女に、若い男が言い寄るわけがない。両親を召使いに使っている、中年男のジェームズ(ジェームズ・メイソン)だけが彼女に関心をもっている。
ジョージーは女友達のメレディス(シャーロット・ランプリング)と部屋を借りるが、メレディスは美人の誇りが強い女性で、恋人ジョス(アラン・ベイツ)との間に子供が生まれると、子供を置いて出て行ってしまう。残されたジョージーとジョスは一緒に住む。また、愛も芽生えるが、長続きしない。赤ん坊にばかり関心のあるジョージーにジョスは愛想を尽かし別れてしまう。そして、ジョージーは妻の死を見送ったジェームズと一緒になる。

一人の女性の青春をじっくりと見つめた映画だった。


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-4

2009-09-11 01:28:03 | レコード(映画)

第三の男   暗闇に浮かび上がる男の顔

前掲:http://blog.goo.ne.jp/isc_info/e/ecbabd67a73f1e53f1824f9f8c42de46

アントン・カラスのツィターに乗って物語りは進む。キャロル・リード監督の1949年の名作。


上:ナゾの男ハリー・ライムの影を追う。【私】
下:かって【彼】とは友人関係を持っていた。

上:【第三の男】か、事件は拡大する。
下:調査するインターポールのカロウェイ少佐

【私】はアンナの心がわからない。

大観覧車の前でハリーと再会することに・・・・

上:ハリーはまったく変わってしまっていた。
下:ハリーの最後を見守る。

下水道を逃げるハリー

追い詰められたハリー

上:ハリーの葬式
下:歩き去るアンナ

第二次世界大戦直後のウィーンはアメリカ、イギリス、フランス、ソ連の4カ国の管理の下で、かっての音楽とワインと森のみやこから、デカダンスと犯罪の、むなしい、気味の悪い都会に変身していた。アメリカの大衆作家ホリー・マーチンス(ジョセフ・コットン)は、旧友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に招かれてウィーン駅に降り立った。しかし、出迎えたのは国際警察のイギリス武官、カロウェイ少佐(トレバー・ハワード)の部下。ホリーは少佐の事務所に連れて行かれる。ハリーは自動車事故で死んだという。ハリーの葬式に参列すると、ハリーの愛人だったアンナ(アリダ・ヴァリ)がいた。すごい美人だが、喪服も着ていないし、棺が埋葬されようとすると、さっさと帰ってしまう。
ホリーは友人の死が信じられない。少佐はハリーが悪質なヤミ商人だというが、真実とは思えない。ハリーの家を訪ねて寝てみると、事故現場にはハリーの友人が二人いただけと聞いていたのに、門番は第三の男がいたという。くわしい話を聞こうとしたとたん、門番は狙撃されて死んでしまう。
深入りは危険と感じながら、ホリーは第三の男を探し出して、ハリーの生死を確かめたかった。それというのも、ナゾの美人アンナにホリーは一目ぼれしてしまったからだ。予感どおりハリーが生きていれば、あきらめるしかないが、疑惑のままでは諦めきれない。そんな気持ちで、夜の街を歩いていると、暗い広場の片すみに立っている男の顔が、パトロールの警官のライトに、一瞬、浮かび上がった。ハリーだ!次の瞬間には男の影も形もない。第三の男とは彼ではないのか?ハリーは生きていることをホリーに知らせるため姿を現したのか?連絡があった。郊外のプラーター公園のリーゼンラード(大観覧車)に来いというのだ。約束の時間に1時間遅れてハリーはやってきた。二人は観覧車に乗り、空高く上がる。地上に小さく見える人間を指しハリーが言う。一人の天才が大もうけをするため、愚かな男の一人や二人死んだって、どうってことないだろう。有毒ペニシリンのヤミ販売で人を殺しているのだ。ハリーを逮捕しなければならないと言うカロウェイ少佐の言葉は真実だった。
ホリーは友人を裏切って少佐に協力する。計画を立て、ハリーを呼び出す。何も知らず呼び出されてきたハリーは、警官の笛を聞き下水道に逃げ込む。ホリーは後を追う。怒ったハリーは撃ってくる。ホリーも応戦する。ホリーの弾丸がハリーを倒した。
本当のハリーの葬式が終わった後、ホリーは墓地の外の街道でアンナを待った。一本道のかなたにアンナの姿が見え、だんだん近づきホリーのそばに来たが、そのまままっすぐ前方をみたまま、歩き去っていった。

 


ヨーロッパ映画・ヒット編Ⅱ-3

2009-09-08 01:16:42 | レコード(映画)

旅情   夏のヴェニスに淡い恋の夢

水の都ヴェニスの風景、レンガとゴンドラの世界。最初に、この世界に誘い込んでくれた映画が、この『旅情』。観光ということが、珍しい時代、1955年の作品。そのヴェニスを舞台に抒情的な、大人の恋の切なさを描ききったデビッド・リーン監督。

顔中にソバカスかシミの斑点のある、中年女性のジェーン・ハドソン(キャサリン・ヘップバーン)、職業女性として半生を送り、いまだに独身。経済的には海外旅行が出来るほどだが、その心は、うつろで味気ない。ヴェニスに着いたときも、慣れない土地と言葉で、やや動転していた。水上バス、水上タクシー、水路の交差点、そしてサン・マルコの寺院。見るもの聞くものが珍しく大興奮。でも、ホテルに帰り着くと、急にさびしさがこみあげる。有能な秘書として、38歳の今まで、仕事一途ニキタジェーン。街を歩いても、アベックの姿がやたら目につく。
黄昏時、サン・マルコ広場に出てみる。広場のカフェ・テラスで、中年紳士に見つめられる。目を返すと、敬意を込め頭を下げる。心が騒ぐ。寂しさのせいと、その場を去るが、二度三度と会ううち彼女の心は急速に傾いていく。男はレナート(ロッサノ・プラッツィ)といい、骨董店の主人だった。もちろん家庭を持つ。彼が贈ってくれた由緒あるというガラス細工の真っ赤なランプ。ジェーンは、もう堰を切った激情をどうすることもできなかった。楽しい散歩。ゴンドラでの抱擁。ヴェニスはかりそめの恋には絶好の地。やがてある日、レナートの息子に案内され、レナートの店に行く。なんと彼の店には、あの真っ赤なランプが、並んでいる。近くのガラス工場で、大量生産されているらしい。しかし、ジェーンはガラス細工は本物と信じたかった。
やがて帰国の日が近づく。レナートは妻に先立たれ、息子と暮らしている事がわかった。けど、ジェーンは彼の求婚を受けるべきでないと悟る。別れの苦しさに挫けそうだ。別れの日、動き出した汽車の窓から半身を乗り出し、レナートの姿を探す。そこへ、息せき切ってかけつけるレナート。しかし汽車は、二人の距離をどんどん広げていく・・・・・・

全編に流れるテーマ音楽『ヴェニスの夏の日』はイタリアの作曲家アレッサンドラ・チコニーニが作曲。