ミネラルウオーターと水道水・どちらが安全な水ですか?
日本の水道水は、「水道法」で水質基準が定められています。
水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」
で規定する水質基準に適合することが必要です。
水道法で定められている水質基準は、
「水道水質の安全を確保するため、生涯にわたって連続的に摂取しても人の健康
に影響が生じない量をもとに、安全性を十分考慮して基準値が設定されています」
とした理念に基づいて定められています。
つまり、人々(万人)が、生活するうえで必要な飲料水を毎日飲み続けても、
一生涯、健康を損ねることのない、安全な水道水を供給するための厳しい基準なのです。
さらに、水道事業体(水道局)では、水道水の安全性を確認するために、
定期的に原水(取水する河川や井戸水等)や浄水(浄水場で浄水された水)だけではなく、
家庭の給水栓(じゃ口)からも水道水を採水し、水道法で義務付けられている水質基準項目(50項目)
のほか、水質管理目標設定項目(27項目、農薬類の検物質を含めて128物質)、
その他、水質管理等に必要な項目として30~40項目以上の水質検査(水道事業体によって異なる)を行っています。
実にその検査項目数は200項目以上にも上ります。
また、検査頻度も毎日検査から1が月、3か月、6か月、1年毎といったように、
検査項目によって定期的に検査が行われ公表されています。
検査項目の詳細は厚生労働省の下記のホームページ(水道水質基準について)をご覧ください。
「水道水質基準について」
水道水質基準、水質管理目標設定項目、要検討項目に設定されている項目
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水質基準項目と基準値(51項目)
では、ミネラルウオーター類などの市販や宅配の飲料水等はどうかといいますと、
「食品衛生法」で規制されています。
食品衛生法で定められている水質基準項目は18項目で、使用する原水(採取した水)
がその基準値をクリアしていれば、販売、流通の許可を得ることができます。
また、その基準値も水道法に比べると数倍ゆるいものですし、検査頻度も年1回程度となっています。
たとえば、検査項目で「カドミウム」の含有量は食品衛生法では、0.01ミリグラム/リットル以下
に対して、水道法では「じゃ口から出る水」に対して、0.003ミリグラム/リットル以下、
同じく「鉛」やトリハロメタンより発がん性が高いといわれる「ヒ素」の場合は、
食品衛生法では、0.05ミリグラム/リットル以下に対して、水道法では0.01ミリグラム/リットル以下となっています。
なぜ、ミネラルウオーター類の水質基準がこんなに緩いかというと、「ヒ素」などは、
日本の天然水(天然由来の多くの水源)に自然に含まれているため、緩くせざるを得ないのです。
よく水道水が危険である理由の一つとして、水道管に使用されている「鉛」
が含まれることがいわれていますが、基準値からいえば、ミネラルウオーター類の方が多く含まれる危険があります。
また、水道水で発がん性の危険性を取り上げられるのが「トリハロメタン」ですが、
水道法の基準で0.1ミリグラム/リットル以下と定められとおり、じゃ口から採水した水道水を検査しています。
トリハロメタンそのものは揮発性が高いため、煮沸でも除去できます。
しかし、現在の浄水場の浄水処理で、トリハロメタンが含まれないよう、浄水過程で
フミン質などの有機物質を可能な限り除去し、殺菌のための塩素の濃度を抑える努力をしているせいか、
トリハロメタンの濃度は極めて低いレベルに抑えられています。
水質検査結果を見られるとお分かりいただけると思います。
お宅の水道水にどのくらいトリハロメタンが含まれているか知りたい方は、管轄の水道局等のホームページをご覧ください。
「水質検査結果」で検索すると早いでしょう。(電話で問い合わせても教えてくれます。)
水質検査結果の26番目(水道法基準)の「総トリハロメタン」の数値が含有量になります。
(気になる方は調べてみてください。)
水道法での基準値は0.1mg/L以下となっています。
多くの水道水ではその検査結果の数値が<0.01mg/Lとなっていると思います。
「<」が付いているのは検査計器では計測不可能な値(レベル)ということですので、一般的に含まれていないと解釈すべきです。
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数値でみるペットボトル入り飲料類と 水道水の違い
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ボトル入りのミネラルウォーターはバクテリアだらけ、基準値の100倍以上含むものも
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2016-03-01追記