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紙 ― 用途の多い製品 ~聖書

2021年07月07日 | 日記

紙 ― 用途の多い製品


これを使って飲むことができ,物を包むことができ,鼻をかむことができ,ものを書くことができます。これを着ることができ,これで家具を作ることができ,これの上にある物を食べることもできるのです。
それほど用途の多いものについて想像してみてください。思い付きませんか。そのような製品はすでに存在しており,非常に長い時代にわたって市場に出回ってきました。

用途の多いこの製品とは,紙のことです。恐らく,普通の紙にはコンピューター化された装置のような魅力はあまりないでしょう。しかし,紙はあなたの生活に多大の影響を及ぼしてきました。
紙が世に出るまで,書くことは,石に文字を刻んだり粘土板に言葉を掘りつけたりする面倒な作業でした。ですから,知識は特権階級に属する少数の人々のために保存されました。紙はそのすべてを変化させるのに寄与しました。

そもそもの始まりは,エジプト人がパピルスという名の葦を使う巧みな方法を考え出したことです。彼らは,パピルスの茎を細長く切り,少しずつ重なるようにして並べました。
それから,並べたものの上に直角に交差するように,細長く切った茎をさらに重ねて並べ,にかわで固めました。それから全体をつちで打って平らにし,日に当てて乾かしました。仕上げとしてその表面は磨かれ,ものを書くのに適した,かなりすべすべしたものになりました。

パピルスは,早くも聖書の族長アブラハムの時代には使用されていたようです。その昔にパピルスを加工するのは容易ではありませんでしたが,石に文字を刻むよりははるかに優れた方法でした。
ですから,古代においてはパピルスが通信の重要な手段となったのです。事実,聖書の初期の写本はパピルスで作られました。確かに,ほかにも一般に子牛の皮でできた皮紙<ベラム>のような材料が使用されはしましたが,パピルスは定評を得ました。
英語のペーパー(紙)という言葉はパピルスに由来しています。

 

ぼろから木の幹まで

ぼろから紙ができるのですか。奇妙に聞こえるかもしれませんが,ぼろを使うことは紙にとって進歩の第二段階でした。お分かりのように,ぼろには紙の主要な成分であるセルロースが含まれています。それで,西暦105年ごろ中国人は,ぼろ,樹皮,麻,それに魚網を混ぜてどろどろにしたものから紙を製造する方法を編み出しました。

中国人の製紙技術が外国に伝えられるまでには時を要しましたが,12世紀にはヨーロッパに伝わりました。ですから,15世紀にグーテンベルクがかの有名な聖書を印刷し始める時には,紙はすでに舞台に登場しており,進んで行なう気持ちを持つこの僕は仕事に取り掛かる用意を整えていたのです。こうして,紙のおかげでルネッサンス期には知識が急速に広まりました。しかし,製紙業において劇的な発明がなされるのはなお後のことでした。

紙の需要が増加するにつれ,ぼろの供給は不足してゆきました。それで人々は,紙の主成分として木の幹を使ってはどうかと考え始めました。問題は,木材をパルプ状にする容易な方法を見いだすことです。19世紀になって,その仕事を可能にする化学的処理法が開発されました。発明家たちが,紙を巻き取る機械を世に紹介しました。製紙業における現代の革命 ― 大量生産 ― のための舞台は整いました。

 


今日の製紙業 へ続く>>>