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建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

シリーズ共同住宅をつくる 第9回 「住まい」としてのマンションの平面計画(6)

2012年12月14日 | 共同住宅をつくる

自由設計をできないもう1つの理由

既存のマンションはマンション販売会社が建築基準法に沿って、自社の都合で、いかにも購入者が生活しやすいかのような平面計画を作って、宣伝広告をする為、購入者は選択の余地がない分譲建物を多少のオプションと称するクロスの変更等をする事で満足して購入していますが、実際には区分所有の登記が出来たところで、その住戸の価値は支払った金額の1/5程度となり、大きな住宅ローンが残るだけとなってしまい、中古マンションとしてはほとんど転売できない状況になってしまうことなります。

既存マンションの実例平面計画

平面計画が自由に変えることができないもう1つの理由が無関係な第3者と法律規制によって選択の余地のない形になってしまっていることが、大きな障害となっており、この仕組みを変えることで自由設計の平面計画が可能になります。

以上の問題を解決するもう1つの方法がコーポラティブ方式です。
通常の分譲マンションでは建築主(デベロッパー)が不動産販売業者となって宅地建物取引業法に従って販売する必要がありますが、コーポラティブ方式は建築主個人が集まって組合を作り、組合が土地購入から建物建設まで行なうことで組合が事業主になって行うため、宅地建物取引業法の規制を受けず、組合員の意見で建物が建設できる方式です。

マンションの自由設計をするための基本要件は
 1.スケルトンインフィル方式
 2.水回りの配置が区画内であれば位置を選ばない
 3.区画の外気接触面積が多きい
 4.コーポラティブ方式
以上4つの項目が整えば区画内でいつでも自由に平面計画をしてリフォームができますので、資産価値も維持できる状況になると考えています。

コーポラティブ方式の長所と短所について、次回から具体的に説明をします。