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建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

シリーズ共同住宅をつくる 第5回 「住まい」としてのマンションの平面計画(2)

2012年12月07日 | 共同住宅をつくる

前回、ヨーロッパの町並み保存について見ていただきましたが、そこに住む人々の生活は現代の生活をしているはずなのに何故古い町並みの中で生活ができるのか不思議に思い内容について考えてみました。

人々の生活は周囲の環境と時代の遷移や文化に影響されて個人のライフスタイルが出来上がってきていると思います。

例えば
家電製品の高度な改良によって、以前はできなかった家事がスイッチ1つで簡単にできてしまう。
女性も結婚して子供が出来ても子育ては保育園や幼稚園に出すことで働くことが可能となっている。
夫婦と子供・高齢夫婦の核家族化が進み、それぞれの核家族の年齢差や考え方によって生活スタイルが違うことで一緒に生活しなくなっている。
個人の好みや趣味・仕事の内容によって生活スタイルが個性化している。
等の諸々の環境変化によって、住まいの作り方も変わってきており、日本では建物(住宅・共同住宅)の作り方も生活スタイルに合わせてまだ使えそうな建物でも解体して新築しているため、綺麗な田園風景の中に突然ハウスメーカーのプレファブ住宅ができて、田園風景も壊れてしまい、ちぐはぐな街並みになって景観も維持できません。

 景観を壊す住宅建設

町並み保存には強い意志を持った実行力を伴って行政と一体となって働かなくてはできないのが、実情です。

しかし、実際に古い建物をリフォームして作るためには建物の基本的な作り方から考えていかなければ本来の姿は取り戻せないことも間違いありません。

建物(住宅・共同住宅)の寿命はそこで生活している人のライフスタイルや個人の生活履歴の変遷によってある時期に使い勝手が悪くなり、経済環境が悪くなくてもリフォームや増改築ができなければその住宅を手放して、自分のライフスタイルに合った住宅を購入するという状況です。経済的に余裕がなく移転できない人は、使い勝手の悪い家に我慢して住み続けなければなりません。
日本では建築基準法上、一定規模以上の建物は防災上から耐火建築物としなければならず、狭い国土を有効に利用するためには高層または3階以上の中高層の建物にせざるを得ず、鉄骨造・鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の耐火建築物とする必要が有り、費用が掛かる割には内部の内装の寿命や、使い勝手によって充分使える建物でも解体して作り直さなければならなくなってしまっています。

ヨーロッパでもそんなライフスタイルの変化があるはずにもかかわらず、古い町並みが確保できていることは建物の構造にも起因していますが、その建設方式が内装及び内装に関わる設備が建物本体と分離されていることが大きな要因です。この方式はスケルトンインフィルと言って100年以上前からヨーロッパでは実行されており、その結果古い町並みを維持しつつ現代生活に対応できる住まいを作ることができる方式が採用されていること理解できる。

これから建設する建物は「スケルトンインフィル」方式を駆使して作っていくことで、大きなムダを省き、長く使える愛着の出る「すまい」を作っていかなければならない。

次回からは「スケルトンインフィル方式」の具体的作り方について説明します。