小泉八雲集/小泉八雲著/上田和夫訳/新潮文庫/1975
小泉八雲の短編集中心。
守られた約束、破られた約束、忠五郎のはなし、おしどり、雪おんな、鏡の乙女、赤い婚礼、きみ子、人形の墓などが印象的だった。
訳者は解説にて、合理的な西洋近代ではない、霊的な日本の持つ美しさが小泉八雲の世界にあると評している。
そして、小泉八雲の「日本人の微笑」にて、八雲は「日本人はいつも微笑しつづけ、死に直面してもなお微笑する日本人の不可解さを指摘し、この日本人の神秘的な微笑を理解するためには、日本の古い、自然な、庶民の生活がわからなければならない」と訳者は引用している。
また、訳者は以下に引用している。
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この「日本人の微笑」を書き上げた直後、チェンバレンに宛てた手紙のなかで、『極東の精神』の著者バーシヴァル・ローエルにふれていう。ローエルは、日本人の性格として個性の欠除を指摘する。しかし、この個性の欠除といわれるものは、日本人の場合、きわめて意志的に自己抑制をはかった結果である。つまり、義務のための自己犠牲にほかならず、したがって「古い日本の文明は、物質的には後進国だが、それだけ道徳面では、西洋文明よりはるかに進んでいる」と断じているのである。
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小泉八雲の短編集中心。
守られた約束、破られた約束、忠五郎のはなし、おしどり、雪おんな、鏡の乙女、赤い婚礼、きみ子、人形の墓などが印象的だった。
訳者は解説にて、合理的な西洋近代ではない、霊的な日本の持つ美しさが小泉八雲の世界にあると評している。
そして、小泉八雲の「日本人の微笑」にて、八雲は「日本人はいつも微笑しつづけ、死に直面してもなお微笑する日本人の不可解さを指摘し、この日本人の神秘的な微笑を理解するためには、日本の古い、自然な、庶民の生活がわからなければならない」と訳者は引用している。
また、訳者は以下に引用している。
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この「日本人の微笑」を書き上げた直後、チェンバレンに宛てた手紙のなかで、『極東の精神』の著者バーシヴァル・ローエルにふれていう。ローエルは、日本人の性格として個性の欠除を指摘する。しかし、この個性の欠除といわれるものは、日本人の場合、きわめて意志的に自己抑制をはかった結果である。つまり、義務のための自己犠牲にほかならず、したがって「古い日本の文明は、物質的には後進国だが、それだけ道徳面では、西洋文明よりはるかに進んでいる」と断じているのである。
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