goo blog サービス終了のお知らせ 

indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

2013年のファンク界の展望(いや、嘘です。ごめんなさい)

2013-01-06 21:57:22 | FUNKY MUSIC
新しい年が幕を開けた。
ファンク好きの私はまたファンキーな音楽を求めていろんなアーティストを漁ることになる。
読者が増えるので定番コーナーになってしまった『今週の一枚』もどうにか続けたいし。
という訳で新たなファンキー野郎を求める私の旅はまだまだ終わらないのである。

果たして、今後のファンク、とりわけジャズ・ファンク・シーンはどうなるのだろう。
試しにアマゾンでファンク、アシッド・ジャズ、エレクトロニカ、フュージョン、スムーズ・ジャズといった、ジャズ・ファンクに絡みそうなジャンルの2012年の年間ランキングを見てみたのだが、新規のアーティストはほぼ見当たらず、昔の音源の再発コンピなどを除くと新譜もあまり見当たらないという状況であった。
ファンクというカテゴリーで見ると、MJやアース、JB、スティービー、スライ、ミーターズ辺りの定番が売れており、最近のアーティストではThe New Mastersoundsがどうにか下位に引っかかったぐらいか。
アシッド・ジャズでもインコグニート、ジャミロクワイ、JTQ辺りが上位に名を連ねる。
もっともこれはある程度想像ができるのだ。
大体、新しい作品がランキング上位を占めるのはJ-POPやサントラ・アニメ関連だけである。
他のジャンルは絶対的なリスナー人口が少ないので、安定的に売れる『名作』が上位に入る傾向にある。
ファンクは実際のところマイナーなジャンルであるから、その傾向は強い。

だが、ファンク的要素は今日の音楽の至る所に入っている。
最近のジャズ・フェスティバルなんてファンク的要素を外したら成立しないぐらいになっているではないか。
ただ、ファンク界ではミクスチャーという現象が物凄い勢いで進行しているのである。

発祥地アメリカのファンク・シーンを覗いてみると、二つの流れがある。
一つはスムーズ・ジャズ化であり、もう一つは他ジャンルとの融合である。
前者は元々親和性が高いからさておき、後者について書くと、特にヒップ・ホップとヘビー・メタルの影響は計り知れない。
そういえば、90年代から音楽界で主流となっているオルタナ・ロックもヘビー・メタルにパンクかファンクが融合したものであった。
レッチリやレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンを思い起こしてみよう。
同じことがファンクの立ち位置でも起きている。
当ブログで度々取り上げているファット・ファンクションやファイブ・アラーム・ファンク等はその代表格である。
ところが、この辺はあまり日本ではウケない(!)のだ。
それは、日本のジャズ・ファンク系の支持がイギリスに向かっているからだと思う。

ではイギリスの方はというと、いわゆるディープ・ファンクが主流となっており、こちらの系統は概ね3つのスタイルがある。
一つ目はダップトーン系のような、音質まで昔の雰囲気を再現しようとしたもの。
二つ目はJTQのフォロワーであるオルガン・ファンク系統。
三つ目はミーターズのフォロワーである。
これを見るとイギリスの方がオールド・スクールに近いように見える。
民俗学のような話になるが中心地から離れた方が得てして純度は高まるのだ。
このイギリス系は日本ではPヴァインが一時期かなり国内盤を発売してくれていたが、最近はあまり積極的でないようだ。
後者二つを普通の人が聴くと金太郎飴のようだと言えなくもないので、リスナーの拡大は難しかったのだろうか。
もう少し頑張って欲しいところだったが。
という訳で、熱心なリスナーは輸入盤を買うという訳だ。

ここからは個人的な提案だが、現代北米ファンクを日本のロック系のファンにアピールすれば良いのではなかろうか。
試しにロック・フェスに来日させて、その直前に編集盤で煽りまくるとか、やったらどうなんだろう。
想定されるファンクの層よりリスナーの数は確実に多いはずである。
かつて、Mrビッグやドリーム・シアターをスターに押し上げたのは日本のリスナーである。
考えてみればソウライブ、コーデュロイ、ボストン・ホーンズなども日本での評価無しには語れないのだ。
やってみる価値は充分にあると思うのだが、どうだろうか。



よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クロスオーバーナイトに行ってきたのだ

2012-12-30 23:20:41 | FUNKY MUSIC
ども、管理人です。

今年はほとんどライヴに出かけなかったのですが、最後の最後に『Live In Tokyo Crossover Night』に行ってきました。
これは以前、クロスオーバージャパンという名前でやってたイベントの復活版です。
クロスオーバーというよりは日本の往年のフュージョン・バンドを集めたイベントですね。

今回、行われたのは29日(土)、場所は東京国際フォーラム。
16時開始で6バンド登場という長丁場です。
観客の大半は私よりも上の世代が中心。
ざっくり40代後半から50代といったところ。
たまに音楽やってそうな若者もいたけれど、う~んちょっと枯れ気味だ(笑)。
でも、ご夫婦らしきカップルもちらほら見えて、恋人だった頃に思いを馳せてるのかなあなどと思ってみたり。

で、肝心の出演バンドはカシオペア3rd、パラシュート、渡辺香津美、鈴木茂、ナニワエクスプレス、高中正義という面々。
どのバンドも演奏上手いよね~。

でも、今回はちょっと苦言を呈したくなったのです。
それはですね…
 1)全般的に音楽性のバラエティが無い(同系統とは言え以前はもっと彩りがあった)。
 2)ホーンがいない。ギターソロばっか。
 3)若さが無い。色気も無い。
 4)MCが無い。場を盛り上げようという茶目っ気も無い。

だからね、段々飽きちゃって(苦笑)。
しゃべりもないまま16の裏裏のキメと高速ギターソロでどうですか~ってのばっかやられてもね…。
途中ヴォーカル曲もあったけど、この手のバンドでヴォーカルやっても、そんなに…ね。
オオトリの高中正義がつぶやいたように『同じようなの聴いて疲れちゃったでしょ?(会場笑)』だったのです。

だがしかし。

あのバンドが、このイベントのグダグダな雰囲気を一変させました。
ナニワエクスプレス。
このバンドは本当に素晴らしい!
私も教則DVDを所有している清水興の陽気でお茶目なMCが爆笑を誘い、更にはメンバーとのやり取りでさり気なくグッズの宣伝。
演奏はアグレッシブ。
そういえばサックスも出てきて、ああやっぱええわあ。青柳さん、音エロイねえ。
更には皆で跳ね回ったり、途中で岩見和彦ディープパープルを歌いだす小ネタも挿入。
そして何より東原力哉(通風で直前にリタイアが)のヘルプとして急遽参加した平陸君(17歳)の凄まじいドラミングに会場は大盛り上がり。音が若い!アタック音がパナイっ!
8分の9拍子の難曲もこなしてたし。
このバンドへの拍手はちょっと違ったですよ。

そしてトリで登場したのが高中正義スーパーバンド。
パラシュートでも出ていた斉藤ノブはこっちの方がカッコイイ。
曲は冒頭にお約束の『Blue Lagoon』をヤマハの青いSGで演奏。
このSGは次の『サンダーストーム』(天龍源一郎の入場曲)まで使って、そこから先はポールリードスミスのサンバースト(多分24フレット)を使っていた。
それにしても、えらいオッサンなのに体型も維持してて、演奏もセクシー。
ラテンフレイヴァーで他のバンドとも一線を画していて、やっぱグッドでした。
そういえばキングクリムゾンの『クリムゾンキングの宮殿』のカバーには驚きました。

今回は正直、後半の2バンドに救われたというのが率直な気持ちです。
ただ、誤解のないようにしておきたいのだけど、イベントに出てるバンドのクオリティの問題と言うよりはブッキングの問題です。
そもそもですね、前売りで8800円ってそれなりな金額な訳です。
オッサン達は余裕あるけど、学生はちょっと勇気いるよ~。
だからそれなりのホスピタリティは見せるべき。
本当にクロスオーバー(っていうかフュージョンね)を沢山の人に聴いてもらいたいなら、懐かしの歌謡ショー的にやってはいけないし、ずーっとギターソロとキーボードソロを延々聴かせるだけってのはあまりにも芸が無いです。
ビッグネーム集めりゃ文句ねえだろとか、フュージョン好きな奴らは超絶ソロを聴きたいんだよ、みたいに思ってるなら、それは主催者の驕りです。
このイベントをアマでやったらハッキリ判る。
大半の人が絶対、途中で飽きる。
観客の全員があなたと同じギター小僧だと思わない方がいい。


楽しくなきゃライヴじゃないのよ。


※当ブログのため、演奏前に会場を撮影させてもらいました。関係者の苦情があれば消去します。
※基本的に敬称略です。



よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Pages / S.T.

2012-12-24 20:45:47 | FUNKY MUSIC
さて、今日はクリスマス・イヴという事で、皆さんどんな一日を過ごされたでしょうか。
いよいよ年末ですね~。
何かよく判らないけど焦ってきました。
という訳で慌しく今週の一枚。

80年代にMr.MisterというPOPS系のバンドがヒットしたのだが、その前身となるバンドが存在した。
ベース兼ヴォーカルのリチャード・ペイジ率いるPagesだ。
77年にシングル『I Get It From You』でデビュー。
その翌年にデビューアルバム『Pages(ファースト・ペイジズ)』を出し、81年までに合計3枚のアルバムを発表した。
今回紹介するのは、現在唯一市場にCDが(再発により)流通している3rdアルバムである。

当初5人編成でスタートしたPagesだが、3枚目の時点でリチャード・ペイジ、スティーヴ・ジョージ、ジョン・ラングの3名体制になっていたようである。
ただし、ジョン・ラングは楽曲制作担当で、ジャケットの表に出ているのは前者2名のみである(裏面がジョン・ラングのようだ)。
プロデュースはジェイ・グレイドンが担当。
バック陣もなかなかで、ドラムにジェフ・ポーカロやヴィニー・カリウタ、『Come On Home』のサックスにトム・スコット、『Midnight Angel』にアル・ジャロウ、ベースにニール・スチュ-ベンハウスとエイブラハム・ラボリエル、ギターで一部グレイドン自身が演奏など、実力派が揃っている。

内容は、これぞAORという雰囲気に溢れた良作だ。
セールスではMr.Misterの方が遥かに良かったのだが、こちらもなかなか捨てがたい。
(個人的にはこちらかな)
確かな演奏に美しいメロディとヴォーカル・ワーク。
時に聴かせる、プログレの残り香を思わせるようなちょっとした仕掛けは、TOTOが大ヒットした時代の空気を感じさせる。
音作りは、いかにも80年代なMr.Misterとは明らかに違う。
(あれはあれで懐かしいが)
全般的に見て、捨て曲の無い良質のAORである。
買って損は無いと思う。
個人的なお勧めは『Tell Me』『Come On Home』『Only A Dreamer』辺りか。

ところで、某通販サイトのコメント欄をみると、本作をファーストと勘違いしている人がかなり存在しているが、『Pages』というタイトルが2枚存在するせいだろう。
本作はラスト・アルバムの方なので、要注意!



よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Rasmus Faber / So Far

2012-12-16 21:21:16 | FUNKY MUSIC
最近、ペニー・オークションというネット・オークションの仕組みを利用した詐欺事件で、複数の芸能人が広告塔になっていたと非難を浴びていますな。
情報発信力のある人間のステマは当然影響力が高いわけで、何も考えないで金もらってブログに書くってのは、軽率と言われても仕方がないでしょう。
まあ世の中に溢れてるブログの中には、内容がメーカーの宣伝文句のコピペだらけの、アフィリエイト目的のブログも多い訳です。
だが、このブログはご安心を(笑)。
ここで紹介しているアルバムは全て私が自腹で買い、アフィリエイトのリンクも貼らず、ただひたすら自分が気に入ったCDを紹介しているだけ。
だからファンクの領域を超える事も多々あるのはご覧の通り。
ただ、これでも一応ロック系とかモダン・ジャズ、演歌等は自主規制してます。
それとPerfume(笑)。そうそう、きゃりーぱみゅぱみゅも絶賛自主規制中(笑)。
だから私の嗜好に理解の有る方が読んでくれさえすればいいのですよ、はい。

前置きが長くなりましたが、今週はニュー・アルバムの発売を目前に控えたRasmus Faberをご紹介。
Rasmus Faberはクラブ系が好きなリスナーならご存知のアーティスト。
スウェーデン出身で、父親はグラミー受賞者のジャズ・サックス奏者グンナール・ベリィステーンである。
10代からジャズ・ピアニストとして活動する傍ら、ハウス・ミュージックの制作をし、デビュー曲『Ever After』で一躍脚光を浴びるようになる。
そんな彼の初期のシングルを06年に日本で編集した『デビュー・アルバム』が『So Far』である。
こういうアーティストに対する日本人の食いつきの良さと言ったら…(笑)。
何かと北欧好きな日本人であるが、これは誇れるセンスだと思う。
スウェーデンという小国のアーティストをクラブ・シーンの寵児に引き上げたのは、間違いなく日本人リスナーだからだ。

楽曲は単にハウスという枠で収めるには勿体無いカッコ良さ。
シングル曲で構成しているので、どの曲もフックが効いている。
特に『Ever After』や『Get Over Here』の冒頭2曲に思いっきりやられる。
本作では主に女性ヴォーカル(Emily McEwan、Meloなど)をフィーチャーしているが、これがまたリリカルでクールだ。
ドラムの打ち込みに抵抗感が無ければ買って損はしないアルバムだと思う。

よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Average White Band / Shine

2012-12-10 00:55:18 | FUNKY MUSIC
今回は私の愛聴盤を紹介。
これは名盤中の名盤であるよ。

Average White Bandと言えばスコットランド出身ながらファンク・バンド。
『真っ黒』では無いが深いグルーヴを持つ楽曲を、都会的なセンスとキレのある演奏で聴かせるハイレベルなバンドとして、デビュー当初から高い評価を受けた。
そんな彼らの作品の中で、あまり評価されなかったアルバムが、80年発表の『Shine』である。

このアルバムの目玉は何といってもデイヴィッド・フォスターとのコラボレーションなのである。
これによってただでさえクールなサウンドに更に磨きがかかったのは言うまでもない。
問題は、このファンク色を抑え、AORの空気満点に仕上がった本作が好きになれるかどうかである。

当時のチャートは『う~ん、ちょっと…』という答えであった。
ビルボードの総合で116位(R&Bで38位)というのは彼らのキャリアを考えると、失敗作である。
この後の『Cupid's In Fashion』になると総合チャートからは姿を消すことになる。

だが、しかしアルバムとしての完成度は極めて高いのである。
デイヴィッド・フォスターの匂いがプンプンしてるだけあって、AOR系のアレンジのネタはふんだんに盛られている。
『これって後期のシカゴだよ~』って思ってしまう時もあるのだ、正直。
AORファンはその線で目を付けているのだろう。
特に『For You, For Love』と『If Love Only Lasts For One Night』辺りのバラードは、そういう意味で名曲。
『Whatcha' Gonna Do For Me』も典型的なAOR系バラードの名曲である。
ただ、個人的には前半の『Our Time Has Come』『Let's Go Round Again』や後半の『Shine』辺りの軽快なアップテンポのサウンドがお気に入りなのである。
適度にR&Bで適度にAORという、良い塩梅な楽曲だと思うのだが。
グルーヴィなベースラインも健在であるよ。

往年のAORファンからは支持されている本作だが、その範囲に限定してしまうとこのアルバムを正当に評価したとは言えないと思う。
大体シカゴほど魂抜かれてないぞ、このバンドはっ。
(本当はシカゴも好きなくせに…)

よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Deep Street Soul / S.T.

2012-12-02 22:12:34 | FUNKY MUSIC
こいつはまたファンキーな奴らだぜ。
オーストラリアはメルボルンから登場したインスト・ファンク・バンド、Deep Street Soulだ。
結成は2006年である。
彼らが注目されたのはイギリスのラジオ局のBBC6でオンエアされたからであるが、この辺はやはり英国連邦である。
念のため書いておくが、オーストラリアの国家元首は英国のエリザベス2世だ。
女王陛下のオーストラリア。
基本的にイギリス文化の国なのである。
彼らは08年にFreestyle Recordのエイドリアン・ギブソンの目に留まり(いや、この場合は耳に留まり?)、同レーベルから09年にデビューした。
それが本作『Deep Street Soul』である。

Deep Street Soulは、あのThe BamboosやCookin' On 3 Burnersを生んだメルボルンのバンドだけあって、本場イギリスも真っ青のディープ・ファンクを聴かせる。
編成はオルガン、ギター、ドラム、ベースのカルテットだが、本作ではホーン・セクションと更にゲスト・ヴォーカルを2名(各1曲)加えている。
サウンドは他のメルボルンのバンドと較べてかなり攻撃的だ。
ドラムは軽やかな細かい手数を使うタイプではなく、『ガンガンガン』と叩きまくるタイプ。
ギターはカッティングよりも歪んだギターで押しまくる。
楽曲自体がかなりのギター押しだ。
リーダー格のMonique "Mon Cherie" Boggiaも結構暴れている。
ローファイな編集はお約束だ。

楽曲はインストについては全てオリジナル。
ヴォーカル曲の『Kick Out The Jams』はMC5のカバーとなっている。
これがなかなか渋くてお薦め。

Deep Street Soulは現在、合計2枚のアルバムを発表しているが、意外にも日本盤は出ていないようだ。
理由はよく判らないが、イギリスのディープ・ファンク・シーンはそれほど大きなマーケットが無い。
日本は比較的大きなマーケットのはずだが、それでも採算の取れるレベルでないのかも知れない。
その証拠にThe Bamboos辺りも日本でイベントやる時に日本盤を出しただけである。
もともとディープ・ファンクは個性という点では非常に狭いレンジの中でやっているものなので(北米の現代ファンクと較べてみれば良い)、ファン層を育てるのが難しいのかもしれない。
それでもファンは輸入盤を買うから『ま、いっか』ってなってしまうのだけどね。


よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Big Ol'Dirty Bucket / S.T.

2012-11-25 23:44:01 | FUNKY MUSIC
今回はアメリカ新鋭のアーティストを紹介。
要はインディーズですかの。

Big Ol'Dirty Bucketはアメリカの東海岸で活動するファンキーなバンドだ。
結成は2010年であった。
メンバーは全部で10人(現在は11人)。
女性リードヴォーカルに男性ラッパー、更にホーン・セクションを擁するゴージャズな編成だ。
中心となったのはキーボードのReverend Bad Funkalatoである。
因みに彼らのほぼ全員が名前に『funk』という言葉を混ぜ込んでいる。
全然関係ないが、日本のロック・トリオのギター・ウルフはインディーズ時代、各メンバーが『ギター・ウルフ』『ベース・ウルフ』『ドラム・ウルフ』と名乗っていた。
ロックだねぇ。

ボストンでキャリアをスタートしたバンドは着実に人気を獲得し、満を持して今年デビュー・アルバムを発表。
それが本作『Big Ol'Dirty Bucket』だ。
70年代R&Bをベースにラップとラテンを絡めたようなオリジナル楽曲で構成されている。
Lil'Shrimp(小エビ?)のヴォーカルはなかなかパワフルだ。
ギターのFunk "EZ Money" McNastyはファンキーなカッティングからロック魂あふれる歪み系ギターもガンガンにかます。
ちなみに彼は忍者の修行をしていて、忍者ギターを弾くんだと。
アメリカ人は忍者が好きだねえ(ニンジャスレイヤーとかさ。『ワッショイ!』)
ホーンも要所要所に合いの手を入れてくる。
リーダー格のReverend Bad Funkalatoは意外と後ろに引いていて、ほんの少しオルガン・ソロを引くくらい。
ヴォーカル、ラップ、ギターを前面に出している印象。
演奏はなかなかファンキーでインスト・パートもしっかりしている。
全般的にはアメリカならではの正常進化型ファンク・バンドと言って良いと思う。

現在、彼らは1ヶ月に2~3度のペースでライヴをこなしている。
活動範囲から考えると、次は西海岸に進出しないといけないだろう。
日本には今のところ来そうにないが、精力的な活動振りから、将来が楽しみなバンドではある。



よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Citrus Sun / Another Time , Another Space

2012-11-18 21:29:51 | FUNKY MUSIC
さて、師走の忙しい時期に衆議院の選挙が決まりました。
政党の合従連衡が激しすぎて訳が判らなくなりそうです。
いずれにしても言えるのは、どこの政党も選挙前の約束は守れという事です。
あ、それと団塊左翼どもはもうこりごりですわ。
日本潰す気かっての。


さあ気をとりなして今週の一枚いってみましょう。
今回はCitrus Sunをご紹介。

Citrus SunはインコグニートのリーダーであるブルーイことJean-Paul Maunickがプロデュースしたプロジェクトだ。
ブルーイがここで目指したのはスムーズ・ジャズ。
そして、自身がクインシー・ジョーンズ的な立ち位置で音楽を作ろうとしたそうだ。
代わりのギターにはアベレイジ・ホワイト・バンドのJim Mullenを迎えた。
残りのメンバーの大半は子飼いであるインコグニートのメンバーで固めた。
ドミニク・グローバーを始めとするインコグニート・ホーンズ、ベースにジュリアン・クランプトン、キーボードにグラハム・ハーヴェイとゲイリー・サンクチュアリーなどである。
(他にゲイリー・クロケットやシンプリー・レッドのティム・ヴァインが参加)
更に共同プロデュースにもメンバーを起用。
こうして出来上がったのが『Another Time , Another Space』(2000年)だ。

楽曲はブルーイの言った通り、正にスムーズ・ジャズ。
アップ・テンポな曲は『What It Is』だけである。
全てインスト・ナンバーで構成されたアルバムは、インコグニートから静謐で心地よい系のサウンドを抽出したような感じだ。
全編に渡って完璧な演奏とアダルトな雰囲気に満たされている。
Jim Mullenのギターがまた絶妙で、見事にインコグニートのメンバーと絡み合っている。
ソロも秀逸だ。

基本的にインコグニート好きならウェルカムであろうと思う。
ただ、ファンク好きだと物足りなさが残るかも知れない。
結果として、アシッド・ジャズの行き着く先の一つがスムーズ・ジャズだという事を証明したようなプロジェクトなんである。


よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 Vintage Trouble / The Bomb Shelter Sessions

2012-11-12 00:53:21 | FUNKY MUSIC
今回は、ちょっとブルース系のヤツを。
2011年に発表されたVitage Troubleのファースト・アルバム『The Bomb Shelter Sessions』だ。

Vintage Trouble、サマソニで来日したのは記憶に新しい。
他のバンドの残りかすを寄せ集めて出来たと、いささか自嘲気味に表現されたこのバンドの結成は2010年。
黒人のR&Bシンガーであるタイ・テイラーを擁するこの4人組は、たった3日でこのアルバムを制作し、活動を開始した。
なぜか、イギリスからブームの火は着いた。
このストレートに泥臭いサウンドは、本家アメリカでは古臭いと感じられたのかも知れない。
いずれにしてもイギリスで評価されたというのは大きい。
イギリスで騒がれると、世界で第2位の音楽市場である日本が食いつく(笑)。
日本人はイギリスのチャートが大好きだ。
アマゾンUKの第1位に輝いた本作は、日本で輸入盤が大好評となり、日本盤発売、サマソニ出演となった訳である。
本国アメリカでも逆輸入的に評価を得て、ホット・シーカーの44位にランクインした。

楽曲は前述の通り、ストレートに泥臭い、だが適度にエッジが効いているサウンド。
ヴォーカルのタイ・テイラーはなかなかパワフルでソウルフルだ。
ブルース・ロック好きなら買って損は無い。
ジャケットもなかなかクールだ。



よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 The Super Phonics / Interstellar

2012-11-04 22:16:52 | FUNKY MUSIC
今回は日本人のために作られた(?)アイテムをご紹介。
The Super Phonicsの『Interstellar』(05年)である。
なんで日本人のためにかというと、日本人が企画したユニットだからである。
ライナーノートには一切触れられていないが、ジャケットの中で真っ先に謝辞を述べられている。
ポニー・キャニオンの鷲頭’Terry’哲郎氏(映像制作系の偉い人らしい)が仕掛け人だ。

そのアイディアはインコグニートがブルーノート東京のライヴのために来日した時、どこかのバーで話しているときに生まれたものらしい。
The Sunburst Bandのサウンドをよりファンキーに、より幅広い層に受け入れられるよう70年代のビートを取り入れ、打ち込み無しで、ライヴ感を持たせたものは作れないか、大体そんな感じの話だったようだ。
そして、それはアシッド・ジャズ・ムーヴメントの立役者達が一同に会してバンドを作るというカタチで実現した訳だ。

メンバーは以下の通りである。

トランペット:ドミニク・グローヴァー(インコグニート)
トロンボーン:ニコル・トンプソン(インコグニート)
テナー・サックス:ジム・ハント(プライマリー・スクリーム、インコグニート、オマーなど)
ギター:サイモン・バーソロミュー(ブラン・ニュー・ヘヴィーズ)
キーボード:ティム・ヴァイン(US3)
ベース:ゲーリー・クロケット(ジェームズ・テイラー・カルテット)
ドラム:ニック・ヴァン・ゲルダー(ジャミロクワイ)&スノウボーイ

ね?凄いでしょ?
ちょっとやり過ぎなくらい(笑)

この他、メイン・ヴォーカルに新人のルーシー・ジュールズ、エンジニアにドミニクの兄のジェイソンという布陣である。

ファンク、ディスコ、ハウス、レア・グルーヴのハイブリッドと彼ら自身が語っているように、そのサウンドはアシッド・ジャズが70年代後半から80年代あたりのディスコを吸収したようなテイスト。
これがなかなかカッコイイ!
1曲目から激アツのノリノリですわ。
捨て曲ありませんっ!
コード進行も結構安心できるというか(笑)、インコグニート的な捻った事は敢えてやってない。
してやられたっと思うけど、してやられて良いです、マジで。
素直に楽しめば良いのさ。

因みに『Elevate Our Minds』はリンダ・ウィリアムスのカバー。

1回こっきりのプロジェクトなんだろうけど、個人的には2作目希望だなあ。


よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする