高野山の檀信徒は、観光客をのぞけば、意外に壇上伽藍にも参拝スポットがあるのを知っている。
観光客は総本山・金剛峯寺、奥之院は観光客と檀信徒+お大師の信徒、
壇上伽藍は観光客と高野山 & お大師の信徒。
中でも一番不人気なのは、壇上伽藍。
しかし、知る人ぞ知る穴場である。
一山の総鎮守である御社と山王院、お大師が祀られている御影堂 (みえどう) 。
高野山には「修行道場の真別所以外には、お釈迦様は祀られていない」と思われがちだが、 「六角経蔵」には、宝冠釈迦如来坐像が祀られていると言う。(見れない・・・たぶん)
それと・・・これまた、知る人ぞ知る「蓮池」。(さっきから、これ書いている間、ハシブトガラスのリキたちが、やたら後ろで機嫌よさげに鳴いている)
「蓮池」には、善女龍王尊が祀られている。
善女龍王は、法華経に登場する仏教守護神の龍王で、
善女龍王像 長谷川等伯・画 安土桃山時代 七尾美術館蔵 (画像はウィキより)
日本では神仏習合して、スサノオノミコトの妃、クシナダヒメと見なされることもあったそうである。(異説あり)
「ほんわり」とした、優しい柔らかいオーラが出ている、お社である。
私論では、クシナダヒメ説もあるだろうと思うが、私個人は「ミカシキヤヒメ」(高野山で言えば、ニウツヒメ明神) と善女龍王の習合した「女神」であると思っている。
東大阪市・石切剣箭神社 (いしきりつるぎやじんじゃ) の、「水神社」とよく似たオーラを感じる。愛媛・石鎚神社の「厳島社」、昔行った広島県・宮島の弥山参道沿いにあった「滝神社 (確かスサノオノミコトとタギツヒメノミコト) 」ともよく似たオーラを感じる。「ほんわり」「優しい」感じ。(今、後ろで、今度はハシボソガラスのテツたちが鳴いた)
「蓮池」の善女龍王が日本の女神と習合しているのは間違いない。
ちよっと前、檀上に毎月寄付していて、その中から5千円ほど「蓮池さまの修復に充てていいですか?」と金剛峯寺の職員から聞かれ、「いいですよ」と答えて後、「善女龍王尊の御神札」を御礼に送って下さり、今でも神棚にお祀りしている。
はっきりと、「善女龍王 清瀧大権現 (せいりゅうだいごんげん) 」と書かれている。(権現と言う御神名がつけば、寺が否定しようと、神社が否定しようと、「日本の神」である。「日本の神が、仏教寺院で祀られ、仏と習合した場合、権現と言う尊称になる。今、真後ろでスズメたちが「大はしゃぎ」している)
「蓮池」も行ったことがある人はわかると思うが、なんの先入観もなく、立て看板の由緒も読まず、初めてお参りしたら・・・たいていの人は、「イチキシマヒメノミコト (弁天さん) 」と思うのでは。
御真言は、「オン メイギャシャニエイ ソワカ」。(八大龍王の御真言。高野山教報に載っていたので、善女龍王で唱えても良い?)
女神が神仏習合している仏尊は、弁天さま、吉祥天さまとか、御真言に「エイ」が入る仏尊が多いと前述しているが、善女龍王尊も、やはり「エイ」が入っている。
ちなみに、檀上には、元からある「蓮池」さま以外にも、清瀧大権現を祀る祠があるみたいで、そちらはここで書いている「ほんわりオーラ」の清瀧大権現 (善女龍王) とは違うので注意!
あとがき・・・「お釈迦様」は、高野山では一山の本堂である金堂 (檀上) の後ろ側に仏画でおられる。安彦良和先生の漫画「神武」で、大物主 (オオドシ・ニギハヤヒノミコト) が、兄イタケルと、ツノミ (タケツノミ) と会話するシーンがあり、その時の大物主の厳しい表情とよく似た「釈迦如来仏画」である。
まだ休眠中です。
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