蔵王権現と、五大力菩薩像。
蔵王権現(金剛蔵王権現)は、日本独自の「仏神」です。
寺も神社も否定するでしょうが、「権現」と言う尊称は、「 古代日本の神」です。
「古代日本の神」の仏教バージョンとしての尊称で、御姿は、 神のままの場合もあれば、仏教神としての尊容の場合もあります。
蔵王権現の場合は後者です。
右手に三鈷杵を持ち、右足を振り上げ、左手は刀印を結び、 逆立つ怒髪、忿怒の形相すさまじく全身が青い姿。
蔵王権現(ギメ東洋美術館)画像はウィキより。
蔵王権現のモデルの神々については、 過去記述があるので参考にしてください。あくまで私見です。
その忿怒の姿のモデルは「五大力菩薩」と言う説もあります。
なるほど、五大力さんのうち、「竜王吼菩薩 (りゅうおうくぼさつ)」と「無畏十力吼菩薩 (むいじゅうりきくぼさつ)」は、 右手の持物が違うのと、三眼か二眼かの違い以外は、「そっくり」 です。(蔵王権現も、二眼、三眼両方あります)
「竜王吼菩薩 (りゅうおうくぼさつ)」・・・高野山・金剛峯寺蔵 国宝。
「無畏十力吼菩薩 (むいじゅうりきくぼさつ)」・・・高野山・金剛峯寺蔵 国宝。
「五大力菩薩」は、「五大明王」の源流なのか否かは、 仏教史に詳しい教授にでも聞いてみてください。ただ、「五大力菩薩」と「五大明王」は、あまり似ていません。
「鎮護国家」のために編み出された「仁王経」 を源流にしているのなら、たぶん同じだと思います。
「五大力菩薩」「五大明王」ともに、あくまで「鎮護 国家のための修法そのもの」です。
五大明王は、一応、デェーヴァの神々、 アスラの神々にそのモデルがありますが、あくまで「修法」そのものです。素人が祈っても何の効験も無いかわり、弘法大師のような人が修したら、それこそ「国家安泰」となるでしょう。
五大明王の出自に関しても、過去記述があるので読んで参考にしてください。
でも、実在の神と言うより、あくまで真言そのもの、 修法そのもので間違いないと思います。(五大明王を祀る寺院で、護摩修法の際、五大明王真言まで、お勤めで唱えているのは・・・新義真言宗が唱えている印象です)
降三世明王大呪・・・「オン ソンバ ニソンバ ウン ギャリカンダ ギャリカンダ ウン ギャリカンダ ハヤ ウン アノウヤ コク バギャバン バザラ ウン ハッタ」
意味は、「オーン ソンバ(シュンバ)尊よ、ニソンバ(ニシュンバ)尊よ、フーン (外天を)捕えよ捕えよ、フーン (仏道に) 導き給え ホーホ 尊き金剛よ、フーン パット」・・・(大法輪閣より)
シュンバ ニシュンバは、アスラの兄弟王。
一般人は、真言を唱えることはせず、真言宗又は天台宗の古刹で売っている五大明王御守を身につけるだけで良いです。京都の大本山・大覚寺は、五大明王の肌守り、カード式御守売っています。
下記アドレスより、HPの「御利益」の「授与品」から選んで、ネットでも注文できます。御守りは800円とか700円とか。送料は300円とか。5千円以上で送料無料。
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