Because I'm a surfer

サーファーだもの、しょうがない…。
「最高でしょう!」そんな波乗り人間特有の超ポジティブ思考コラム

Mame Masuda said

2009-03-25 11:08:56 | 日記
今日は雨も降り、波もないので
思い出深い言葉を紹介する「~said」シリーズにしましょう。

今回は僕がサーフィンを始めたころの
憧れのサーファー、マメ増田さんの言葉です。

あれは僕が中学生のころのだから、約30年前のこと。
確か6月だったと記憶しています。
全日本の鎌倉支部の予選があり、
七里ガ浜の海岸でヒートを待っていると
マメさんがボードを抱えてやってきました。

彼は千葉県の鴨川出身でしたが、
ドロップアウト・サーフボードのライダーだったため
湘南に移住して活躍していました。

彼の流れるような、大きなラインを描くサーフィンは
僕はレギュラー、マメさんはグーフィという
スタンスの違はあれど憧れのサーファーでした。

僕の実家が七里ガ浜の住宅街にあった
ドロップアウトのすぐ裏だったため
ハナタレ小学生のころからサーフショップに
チョロチョロと出入りをしていたので
「小梅」(苗字が梅澤なので)というあだ名で呼ばれて
かわいがられて(イジられて?)いました。

とはいえ相手は憧れのプロサーファー。
緊張しつつヒート前にどんなアドバイスをしてくれるかと
楽しみに彼が声をかけてくれるのを待っていました。
すると僕の姿を見付けると近寄ってきて、
マメさんは言いました。

「オマエなにしてんだおぉ」(マメさん)

「支部予選のヒート待ちです」(僕)

「小梅、支部予選に出なきゃ代表に
選ばれないんじゃ、ダメだっぺよぉ。
俺なんか予選の日が鴨川の祭だったから
神輿を担いで大会に出なかったけど、
ちゃんと代表に選ばれたよぉ。
顔パス! 予選なんて顔パスだべぇ、普通」(マメさん)

それを聞いて、一気に気合が抜けてしまいました。
マメさんの言葉でリラックスして勝てればよかったんですが、
結果はそのヒートで惨敗。
もちろん原因はマメさんではなく、僕の実力ですが…。

今から考えれば、それはマメさん得意の
人をかついだようなジョーク。
それに「フリーサーフィンでも実力を出して
皆が認める存在じゃなきゃだめだ!」という
彼なりのメッセージだったのかもしれません。

そんなことを考えながら本棚にある
昔のサーフィン雑誌をめくっていると
1987年のサーフィンワールド誌の12月号に
マメさんのサーフィンを発見!








この深いボトムターンと絶妙な位置でのトリミング、
今見ても惚れぼれしてしまいます。

でも確かマメさんはフリーサーフィンの評価は高かったけど
コンテストの成績はイマイチだったような…。

もしかして「予選を出ないようじゃ~」のスピリッツが
災いしていたのかも?


***Behind the story***

それから20年後、雑誌の編集者になって
あのロングボード界のカリスマ、
ジョエル・チューダーにインタビューした時のこと。
「日本人で好きなサーファー」を挙げてもらうと
その中に"Mame Masuda"の名前が入っていました。

マメさんがロングボードでノースショアの波を
ドロップしている姿に感動したのだとか。
もしかしてジョエル・チューダーがパイプラインを
ロングボードで乗るようになったのは
マメさんのライディングがキッカケだったのかもしれません。

やっぱりマメさんは凄いサーファーなのだと改めて感動しました。