「乳がん」という診断を受けたのは
10月の初め、ムスコ保育園運動会の前日だった。
診断名は「非浸潤性乳管癌」
ステージ:0
乳管(ミルクの通り道)にがん細胞がとどまっている状態で、
やがて増殖して乳管や小葉を包む基底膜を破り、周囲の組織に広がっていくという。
私の場合、
顔つきは悪いが手術で完全に取り除いてしまえば、
転移再発はないとされている。
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春頃から胸のしこりがコロコロと
それとなく大きくなって、なんだか増えてるような、
まさかね、しこりが動けば心配はない、
単なる石灰化に違いない、
ネットでの情報を鵜呑みにして、
大丈夫、大丈夫と根拠のない自信で夏のギリシャ旅行を心行くまで満喫した。
夏の終わりに受けた年に一度の健診。
胸のしこりについて尋ねてみると、
「ん〜、確かにコロコロしてますね、まあ年齢的にもこのようなことはありますが。
気になるようでしたらエコーで見てみますか」とのこと。
なぜかその瞬間に脳裏でダーが「やれ!!」と叫んだような気がして
偶数年齢で付随していたマンモ検査に
オプションでの 乳房超音波(エコー)検査を急遽追加したのだった。
一週間後に届いた封書の中には、
要精密検査、専門医を受診せよと紹介状が同封されており。
トクトクと胸の高鳴りが鳴り止まず。
9月、近所の総合病院に予約を取って、
またまたマンモ(3D)にエコーに針生検、
それから心電図、採血、採尿、X線、MRI、
病院とは縁のなかった私が幾度となく病院に通い、
「乳がん患者」とお墨付きを受けたのだった。
ムスコを授かる前の不妊治療をしていた時期に
自分の中の厄というか悪運というか、
そーゆー悪いモンはぜんぶ使ってしまっていたと思っていたから、
「がん」というものが我が身に降りかかってくるなんて夢にも思っておらず、
幸せ幸せーってバカみたいに連呼していたからかな、
(だってほんとに幸せだったんだもん)
ここはいっちょ試練を与えてやっかと
神様がそんな気になったのかな、なんて
どこまでも他人事のような自分でいて
それでも朝は何事もなかったようにやってきて、
弁当作って味噌汁こさえて、ムスコを起こして、保育園へ送って仕事して、
迎えに行ってお風呂入ってご飯作って食べておしゃべりして、
「あたりまえ」のまいにちが
やけに長く
そしてますます愛おしく
涙はいつでもどこでも溢れてきて
もー
精神状態はぐちゃぐちゃで。
いろんな人と(別件で)やりとりした10月は
精神的アップダウンが激しすぎて
実はよく覚えていない。
心ここに在らずな私でごめん。
家族が一番被害被っていたよね。
泣いたり怒ったりイライラしたり
バカみたいに笑ったり
自暴自棄になったかと思えば
スーパーポジティブになったり
暴飲暴食に
散財に
思いつきで断捨離しだしたり
怪しすぎる母ちゃん月間デシタ。
ダー、ごめんよ。
もうだいじょうぶ。
これから手術です。
右乳房全摘します。
自分で決めたことだから。
映画やドラマみたいに
真っ平らになった胸を見て泣き崩れるのかな。
それともまた違った感情で
手術痕を直視できるのかな。
未来のムスコへ
「セーくんね、おおきくなったら おいしゃさんになる!
そんでね、おかあちゃんの びょうきを なおすんだ!!」
母ちゃんは、
こんなにも優しくて素晴らしいオトコに育ってくれたこと
死ぬまで忘れないよ!
大好きだよ!!

(友人らが、入院患者らしくなくて カッコイイと褒めてくれたから記念に載せとこ)
目が覚めたら新しい世界が待っている。
行ってきます!