白衣を脱いだ生活♪

これ以上脱がさな・い・で・・・

がん発症のメカニズムを抽象的に論じてみる...

2008-06-16 | Medicine
  ☆☆☆がんの主因は慢性炎症☆☆☆

喫煙やウィルス感染等により慢性炎症が生ずる
          ↓
 慢性炎症のため細胞の分裂・増殖が促進
          ↓
細胞分裂の促進により、特定の遺伝子のコピーに
ミスが生じる
          ↓
   ミスが生じた細胞が異常増殖する
          ↓
         がん発症

塩酸グルコサミンと硫酸グルコサミン

2007-09-09 | Medicine
グルコサミンは、知らないヒトを探すのが難しいくらい
有名なサプリメントになりました。

日本で市販されているグルコサミンの多くは「硫酸グルコサミン」で、
欧州で市販されているのは「塩酸グルコサミン」って知ってました !?

グルコサミンは日米ではサプリメントとして知られていますが、
欧州では医薬品として使用されている国が多いのです。

塩酸グルコサミンは硫酸グルコサミンに比べると...
グルコサミン純度や生体内利用率が勝っています。

関節痛を伴う疾患の治療効果に対するグルコサミンの効果については
賛否両論あるのが現状です。

欧米と同じように...
自分の身体は自分で守る時代になったのかもしれません。

グルコサミンは安全か!?

2007-05-02 | Medicine
グルコサミンは、グルコース(ブドウ糖)の第2位の炭素にアミノ基がついたものです。したがって、コントロールが良好ではない糖尿病患者さんの場合、更に糖尿病を悪化させる懸念があります。
グルコサミンを飲む前に、自分に適しているか否かを医師に相談しましょう!

プラセンタ注射剤使用者の献血制限

2006-09-08 | Medicine
平成18年8月23日厚生労働省のアナウンスは、プラセンタ投与後10年間献血は出来ないというものです。欧州滞在者の胎盤を使用している可能性が100%除外できないというのが、その理由です。

すなわち、プラセンタ投与により変異型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)に感染する可能性がゼロではないと言いたいんでしょう!

製剤会社の一つ「日本生物製剤」では、1980年以降、欧州に1日以上滞在したヒトの胎盤は使用していないとアナウンスしています。
また、当然ながら同製剤によるvCJDの被害は確認されていません。

現在プリオンのチェックが出来ないため、このような緊急処置がとられたものと思われます。

献血者のプラセンタ投与率は、日赤の試算で<1%と言われています。

良い医者とは・・・

2006-07-07 | Medicine
白衣を脱いでも尊敬される医師を目指しています。

通勤時の衣装や振る舞いには、殊更気を遣っています。
(赤信号を渡らないとかゴミを捨てない程度のレベルですが(;^^A)
むろん宣伝も兼ねています・・・^^;

しかし、白衣を着たときの私の評価はどうでしょうか。

生地の違う白衣を着るのはもちろん、生活習慣病とは無縁のような体型も維持しています。

良い医者とは、患者さんにとって様々です。
50%以上の患者さんが「良い医者」と感じて頂ければOkeyなのですが・・・

開業医はサービス業だと知りつつ、ついつい昔の癖で正しい医療を語ってしまうことがあります。

○○もんたには敵わないと知りながら、ついまともな事を語ってしまうのです。
きっと患者さんは良い気持ちではないでしょう!
しかし10年後はきっと解ってくれると信じながら、ついつい語ってしまうのです。

気付いたときにはもう遅いのですが・・・

結局、徐々に無口になっていくわ・た・し・

これが「悪い医者」への第一歩かも・・・

冬眠ホルモン

2006-04-07 | Medicine
日本の研究者が冬眠ホルモンを発見し、米化学雑誌 Cellに発表した。

冬眠中は病原体の感染や発がん物質への抵抗力が高まることが知られており、新薬開発につながる可能性がある。
人間には存在しないこの物質を使用して、体温を下げ脳へのダメージを減らす脳低温療法や、長期の宇宙旅行への応用も考えられる。

一般の人がこのような報道を目にすれば、急速な医学の進歩に驚くであろう。
そして多くの人が、がんなどの難病を克服出来る日もそう遠くないと考えるかもしれない。

しかし、この成果の恩恵を受けるのに日本ではどれだけの時間が費やされるのか!

「規制緩和」・・・???


米国なら、近い将来シマリスから発見された冬眠ホルモンの恩恵を受ける患者が出てもおかしくない。


申し訳ありませんが、私的意見です・・・

2006-02-14 | Medicine
イソフラボン、グルコサミン、カルシウムなどの多くのサプリメントはお奨め出来ません。
もちろん、摂取の目的にもよりますが・・・

殊「病気を治す」という目的であるならば、慎重になるべきです。
ほとんどのサプリメントは、治療としての効果はありません。
その理由は、少数の有効例やin vitroの報告はあるものの、多人数での効果が証明されてないからです。

案の定!アガリスクが新聞沙汰になりました。

自己責任能力が問われる時代になったのかも知れません。

骨粗鬆症 osteoporosis

2006-01-30 | Medicine
#1 痩せている人より、太っている人の方が骨密度は↑傾向である。
   注)但し、生活習慣病等の病気が無く健康体の場合。
   
   しかし、太っている人の方が腰椎・膝・股関節などの関節疾患が多い。

#2 喫煙、過度のアルコール摂取、過度の運動、無活動、無妊娠、初経遅延、早期閉経、糖尿病、甲状腺機能亢進症、胃腸肝胆道疾患、関節リウマチ、家系などは骨粗鬆症の危険因子である。

#3 カルシウム、ビタミンDのサプリを通常量摂取しただけでは、骨粗鬆症の予防にならないというのが一般的な考えである。

#4 骨粗鬆症の予防で最も効果的なのは、バランスの良い食事と適度な運動である。骨粗鬆症は「生活習慣病」と考えるのが現在のところ適当であろう。

#5 世界的に認められている、骨粗鬆症において骨折予防効果のある薬剤は、塩酸ラロキシフェンとビスホスフォネート系である。骨折の既往のある重症骨粗鬆症には、ビタミンDも効果がある。

 
 以上、諸論文参照

ジェネリック

2005-01-25 | Medicine
今日TVを見ていたら「GENERIC」の話題を放送していました。
明日から外来で「GENERICにして下さい」という連呼になるでしょう。

相変わらず無責任な報道に困ります。
メリット、デメリット双方を平等に報道しないと、
弱い人達は谷底に突き落とされてしまいます。
(時間配分に差があるのでデメリットが見逃されがちです)

GENERICの利点
 1.医療費が幾分安くなる。
   医療費の2割程度が薬代というのが日本の平均です。
  
   <医療費総額が1万円かかる場合>
   
    GENERICじゃない先発品を処方されたAさん
     →2000円分が薬代です。自己負担額が3割だとすると、支払額
      は3000円となります。

    GENERIC(後発品)を処方されたBさん
     →薬代が半額の1000円になったとします。医療費総額9000円の
      3割負担で2700円となります。

   *注1 薬代が半額になっても、支払額は半額にはなりません!

 2.後発品が発売されるということは、先発品の安全性が高いという事に
   なります。
   すなわち、GENERICは安全性が高いのです。
   「後発品の方が安くて性能が良い」って家電製品では良く経験しますね。
   それと同じです。でも、「早くほしい」って事もありますよね。


GENERICの欠点
 1.流通が悪いという事です。
   薬局に行っても、置いてないことがしばしばあるという事です。
   薬を直ちに飲まなくても生命に危険がなければいいのですが、
   そうじゃない場合は、GENERICを待っていられません。


定価10万円のルイ・ヴィトンのバッグを買おうと思ったとき、
 1.銀座松屋で買う。
 2.名もない田舎のブランドショップで、5万で買う。
あなたは、どちらを選びますか!?

無論、どちらも本物です。
良いものを見極める技量→どこかで努力している→努力に時間と金を費やす。

結局、コストパフォーマンスをアップさせるには「楽」は出来ないと思います。

「楽」を金で買うか否かとまで、私は話してしまいます。

「医療とバッグを同じ次元で語るな」という批判もあるかもしれませんが、
GENERICは「慢性疾患に限るべき」というのが私の考えですので、あえて
バッグの話を解りやすく取り上げてみました。

自分に合うか否かを検討してからGENERICを初めても遅くないと思います。

  *注2 GENERICの流通が米国に比べて悪いのは、日本の保険制度や
      国の政策の違いもあります。

急性骨髄性白血病の予後

2005-01-15 | Medicine
急性白血病とくに急性骨髄性白血病の予後は、
予後不良因子をいくつ持っているか?
どんな染色体異常をもっているか?
にかかっています。

予後因子については、白血病になってしまったらのリスク群を
調べるを参考にして下さい。解りやすくまとめられています。

予後不良因子を持つ白血病は、抗がん剤投与のみでの治癒が
難しいので幹細胞移植が推奨されます。
(幹細胞移植が出来ない患者さんは、治癒が難しいということになります)

移植可能な患者さんは、血縁者間移植あるいは臍帯血移植を
行うことになります。

バンクでの移植は、実際に移植をするまでに時間がかかるので、
予後不良因子をたくさん持つ患者さんには難しいというのが、
日本の現状です。

また、臍帯血移植も成人の場合、経済的問題やバンク整備の問題
から遅れている現状があります。

先進国でもっとも人種差のない日本では、もっと積極的に幹細胞
移植が出来るよう医療整備をして欲しいものです。

幹細胞移植の話を多くしてしまいましたが、
「抗がん剤投与が無効な患者さんは、幹細胞移植をしても良い
結果はあまり得られない」という事を最後に付け加えておきます。