今日の一貫

日銀、やっと動く

日銀がやっと動くようだ。
10兆円規模の資金供給を決定したという。
需給ギャップはこれで少しは埋まるのか?
それにしても民主党、経済成長担当者、マクロ経済担当者がいない。
緩やかなデフレが続いてはいるが、鳩山デフレとならない様な舵取りが必要。


以下日経新聞
政府・日銀、危うい「一体感」、10兆円の資金供給決定、強まる「日銀頼み」。
2009/12/02 日本経済新聞 朝刊 5ページ 1193文字

政治主導で周到な根回し

 日銀が臨時の金融政策決定会合で10兆円規模の新たな資金供給策を決め、政府・日銀はデフレ対策で足並みをそろえた。新日銀法が定める「日銀の独立性」と「政府との十分な意思疎通」のはざまで、先週末から周到な準備を重ねた末に「政府・日銀一体」の演出にたどり着いた。政府が財政政策で手足を縛られるなかで、日銀に対応を求める構図が定着する可能性もある。

(1面参照)

 「政府と日銀が認識を共有できたのは大変喜ばしい」(鳩山由紀夫首相)
 「共同歩調をとれたことは非常に効果的な、いい形の一体的な対応だ」(菅直人副総理)
 「政府の経済政策に適切に対応していただいた」(藤井裕久財務相)

 日銀が緩和策を決めた1日、政府内で歓迎の声が相次いだ。円高と株安で「二番底」の足音が近づいた先週来、政府は水面下で日銀と調整を続け、「成果」を引き出した。

財務相らが調整
 11月下旬。「日銀のデフレ認識は甘い」との声が政府内で高まり始めた。政府がデフレ宣言をした20日、日銀の白川方明総裁がデフレかどうかの明言を避けたことがきっかけだ。「対策不在のデフレ宣言」に株安が加速。大規模な財政出動に動けない政府にとって頼みの綱は日銀だった。

 日銀との調整にあたったのは藤井財務相と古川元久、大塚耕平両内閣府副大臣ら。民主党内でも「日銀に理解がある」とされるメンバーだ。

 円が14年ぶりに1ドル=84円台をつけた27日。「そろえてくれよな」。藤井財務相が白川総裁と東京都内で極秘会談し、デフレでの認識一致を求めた。総裁は30日の名古屋市の講演での「デフレ宣言」を約束したという。

 29日午後には首相公邸に財務相や副総理、平野博文官房長官らが集合。2日の鳩山首相と白川総裁との会談で「デフレ克服での協調」で足並みをそろえる段取りを確認した。首相周辺は29日夜、「明日の日銀総裁の講演を楽しみにしてほしい」と予告した。

約束通りの宣言
 「デフレ克服のため、最大限努力していく」。事前の約束通り、白川総裁は30日、デフレ退治を宣言した。

 官房長官らが相次いで「量的緩和」への期待感を表明。1日午前には追加経済対策の基本方針として「政府の取り組みと整合的になるよう、日銀に対して金融面から経済を下支えするよう期待する」との閣議了解で最後の一押しをした。

 日銀は首相・総裁会談を控え政府との対立が決定的になるのを恐れた。不協和音が一段の円高・株安を招きデフレが加速すれば、最後は国債引き受けなど日銀の独立性を無にする対策を迫られる可能性もある。とりあえず、政府が期待する「量的緩和」の看板が立つ新型オペを急ごしらえしたのが実態に近い。景気の二番底懸念は消えない。市場に政府の政策運営への不信が根強い限り、政府の「日銀頼み」の構図が続く可能性が高い。

日銀はデフレ克服で政府との協調をアピールした(日銀の外観)
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