自然を求めて近辺ぶらり

四季折々の風景、草花、野鳥などの写真を紹介しています。

豊臣秀吉の正室・北政所 (ね ね ) ゆかりの「高台寺」の特別公開の展望台からは京都の街が一望でした。

2018年11月29日 | 関西の旅・社寺・庭園・城
清水坂、三年坂、二年坂などを経て、東山界隈をぶらつきながら高台寺へ向かいます。高台寺は、豊臣秀吉の正室・北政所(ねね)ゆかりのお寺です。ねねは、秀吉の没後、尼となって、このお寺を建てて移り住みました。造営に際して、徳川家康は当時の政治的配慮から多大の財政的援助を行ったので、寺観は壮麗を極めたという。しかし、寛政元年(1789)以後、たびたびの火災にあって多くの堂宇を失い、今日残っているのは、旧持仏堂の開山堂と霊屋、傘亭、時雨亭、表門、観月台等で現在国の重要文化財に指定されています。

三年坂を下がって、しばらく進むと八坂の塔がちょっぴり見えて来ました。


二年坂
和服にサングラスの女性も・・・。


霊山(りょうぜん)護国神社の前を通って高台寺に向かいます。
霊山護国神社は、幕末の動乱期に活躍した維新の志士たちを奉祀すべく、明治元年に「霊山官祭招魂社」として全国で初めて創立された。昭和14年京都霊山護国神社と改称。境内には坂本龍馬、中岡慎太郎、桂小五郎を始めとする墓石、慰霊碑の他、従軍記念公園「昭和の杜」がある。霊山観音像は高さ24m、顔6m、眉1.1m、目1m、口0.9mと巨大なものです。


高台寺
76歳で死去した「ねね」は、霊屋 (たまや) に葬られています。霊屋には、秀吉が信仰した隋求菩薩像を挟んで、向かって左にねね、右に秀吉の像が安置されています。1606年(慶長11)創建。




観月台と庭園
楼船廊の中央に位置する観月台は、檜皮葺の四本柱の建物で、三方に唐破風をつけた屋根の下から観月するための建物です。
庭園は小堀遠州の作によるもので国の史跡・名勝に指定されています。








開山堂
高台寺第一世の住持、三江紹益善師(1572-1650)を祀る墓所です。




臥龍廊
霊屋 (たまや) は、開山堂から臥龍廊と呼ばれる長い廊下を経て東の山腹に位置します。


茶室傘亭(手前)と時雨亭(奥)
利休の意匠による茶室と言われ伏見から移建したもので、傘亭は竹が放射状に組まれ、カラカサを開けたように見えることからその名があり、時雨亭とは土間廊下でつながっています。



傘亭


茶室傘亭


茶室時雨亭




高台寺特別公開の展望台からの眺望
京都市街がいちぼうできます。


八坂の塔と京都タワー


紅葉


樹間越しに見える霊山(りょうぜん)護国神社の霊山観音です。


展望台から下りて竹やぶの道を進みます。






織田信長が「ねね」に送った手紙が何通か残っているようです。この手紙は高台寺に残っているものではありませんが、その中の一通です。(現代文訳)
藤吉郎 女ども私の命に従い、この度、この地(安土)にはじめて尋ねてくれて嬉しく思う。
その上、土産の数々も美しく見事で、筆ではとても表現できない程だ。
そのお返しに、私の方からも「何をやろう。」と思ったが、そなたの土産があまりに見事で、
何をお返しすれば良いのか思い付かなかったので、この度はやめて、そなたが今度来た時にでも渡そうと思う。

そなたの美貌も、いつぞやに会った時よりも、十の物が二十になるほど美しくなっている。
藤吉郎(秀吉)が何か不足を申しているとのことだが、言語同断。
けしからぬことだ。
どこを探しても、そなたほどの女性を二度とあの禿ねずみ(秀吉のこと)は見付けることができないだろう。

これより先は、身の持ち方を陽快にして、奥方らしく堂々と、やきもちなどは妬かないように。
ただし、女房の役目として、言いたいことがある時は、言いたいことをすべて言うのではなく、
ある程度に留めて言うとよい。

この手紙は、羽柴(秀吉)にも見せること。

又々 かしく

のぶ


高台寺から掌(しょう)美術館へ向かいます。(掌美術館は高台寺を拝観すると無料入場券がついてきます)
小さな美術館です。内部は撮影禁止となっています。



最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
高台寺 (ヒトリシズカ)
2018-11-29 07:03:26
イケリンさん

今回、お訪ねになぅた高台寺は、人気の観光スポットです。紅葉時もサクラの開花時もいつでも混んでいます。

10年ほど前からまず日本人のご婦人方が増え、さらに外国人観光客も増え、ここに向かうだけで一苦労です。

今回の訪問画像はあまり観光客があまり写っていないようですが、かなり苦労されたのでは。ここは良くできた境内です。開山堂もいい古刹です。

高台寺の一番は京都市内の展望ですね。
高台寺 (fukurou0731 )
2018-11-29 07:21:53
イケリン様
おはようございます。
ねねゆかりの高台寺は近くまでは何度も訪れているのですが、なぜか中には一度も入っていません。
京都の町が一望できるのですね。
京都タワーと八坂の塔の遠望の紅葉が素敵です!
高台寺 (イケリン)
2018-11-29 07:38:10
ヒトリシズカさん おはようございます。
東山周辺は人で溢れていましたが、高台寺は人が少なかったですね。
数えるほとの人数しか見かけなかったです。
こういうところは、若年層の人気が低いのかもしれませんね。
そのせいもあって、ゆったりとした気分で回れました。
高台寺 (イケリン)
2018-11-29 07:40:09
fukurou0731さん おはようございます。
高台寺は、意外と素通りする人が多いみたいですね。
周囲に見所がたくさんあることも影響しているのかもしれません。
展望台は特別公開ということで登って見ました。眺望は素晴らしかったです。
信長の手紙♪ (越後美人)
2018-11-29 10:47:28
面白いですね~♪
初め褒めて、後でアドバイスですか(笑)
藤吉郎にも見せよ!と言っているところのも感心しました。
信長の優しい一面も見えて、貴重な資料ですね。

高台寺はもちろんのこと、圓徳院もしっとりと素敵ですし、
掌美術館も小さいながら、所蔵品は一級品揃いで素晴らしいですね。
良い目の保養をされましたね。
京の風景 (korman)
2018-11-29 11:55:57
イケリンさん  こんにちは~
この三連休では、京の街も激混みだったようですが、やはり京都の秋は見逃せませんね。
 東山の永観堂や高台寺などこの数年は訪れていませんが、懐かしい想い出が蘇ってきますよ。
信長の手紙 (イケリン)
2018-11-29 14:18:51
越後美人さん こんにちは。
この手紙を読むと、自分が想像していた信長像とかなり違ったようです。
実像は人の心を掴むのが上手かったように思います。女心を揺さぶる文面なんか、なかなかのものですね。
どんな女性でも、そなたの美貌も、いつぞやに会った時よりも、十の物が二十になるほど美しくなっている。
・・・なんて言われて、悪い気はしませんものね。(^O^)
京の風景 (イケリン)
2018-11-29 14:20:12
kormanさん こんにちは。
京都の混みようは、想像以上のものがあります。
どこへ行っても、人波が絶えることがありませんでした。
それだけ紅葉が素晴らしいという裏がえしなのでしょうね。
どことも素晴らしかったですよ。何度行っても、また行きたくなるのが京都ですね。
こんにちわ、イケリンさん (たか)
2018-11-29 16:44:40
信長がねねに宛てた文がいいですね。
この文で私の想像していた信長の人物像が覆りました。
藤吉郎が不足を申している?
私でも「何 言ってる!貴方には勿体な過ぎる」と言ってやりたくなってしまいます。
言いたいことをある程度に留めてという下りや
女性への気配りの上手さ
さすが天下の信長様のお言葉だと思いました。
増々ファンになってしまいました(笑)

町並みの風情が京都らしさを醸しておりますね。
竹林も素敵ですし臥龍廊も凄い
行ってみたくなりました。
こんばんは (ロメオ)
2018-11-29 17:32:57
霊山護国神社の白い観音様、塀の外からお姿を拝見しました。
境内もしっとりとした趣があるお庭が広がっているのですね。
ねねへの手紙の文面から、近寄りがたく怖い人物と言う信長のイメージが変わりました。
人の心をぐっと惹きつける様な内容に器の大きさが表れていますね。
いま幕末の動乱期を舞台にした連続ドラマを見ているので、連日のお写真を興味深く拝見しています。

コメントを投稿