![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/7a/84c4de3c12f127f6a6e7844bddb4a855.jpg)
僕にはたくさんの<自分が影響を受けたとはっきり自覚できる>音楽がある。
それを曲単位で紹介しているのがこのブログの[この曲が好き]シリーズだが、アルバム全体から、となると今回のような[アルバム・レビュー]からの紹介ということになる。
大げさな言い方だが告白をしよう。
僕の音楽的興味があらゆる方向に対して向かっていた一番元気だった頃(?)、僕はこの一枚のアルバムに出会ったのである。
そしてそのインパクトはこのアルバムに出会えなかったら僕の音楽趣向は変わっていただろうと思えるほどのものだった。
クラウス・オガーマン・オーケストラ 「夢の窓辺に(GATE OF DREAMES)」 (1977)
けっして大ヒットしたアルバムではないが、このアルバムのリーダーの名だけは、およそポピュラー音楽を楽しむ者にとってはぜひとも覚えておいてほしいのだ。
クラウス・オガーマン。
ポピュラー界最高のアレンジャー兼コンポーザーの一人。
これほど有能で奇跡的なサウンドを創造する<アレンジャー(もしくはコンポーザー)>はそうそういない。
僕が学校を卒業して音楽スタジオを経営し始めた頃に出会った多くのアルバムの中でも彼のアレンジャーとしての力量がいかんなく発揮されたアルバムがかなり多いことに驚いていた。
しかしそのほとんどがスタープレーヤーのアルバムにおけるアレンジャーとしての参加だったのだ。
彼のヴォイシング(音の重ね方、和音の作り方、とかいった技術)はもう奇跡といっていい。日本のトップアレンジャー、例えば、前田憲男などは彼に学んだというし、その技術を盗んだとも言う。
そんな彼の才能に僕が感心していた時、彼は自分で作曲しアレンジし、それを自分が編成したスタープレーヤーをメンバーとするオーケストラで演奏するこのオリジナル・アルバムを制作したわけだ。(彼の数少ないリーダー・アルバムともいえる)
時代は「クロスオーバー」と呼ばれたジャズやロックやクラシックの要素を取り入れた音楽からさらに進化した「フュージョン」というたくさんのジャンルの融合音楽がもてはやされた頃だ。
だれでも知っているジョージ・ベンソンの「ブリージン」のサウンドはオガーマンなくしては語れないほどだ。また、マイケル・ブレッカーの「シティスケイプ」も極上のオガーマン・サウンドの洪水だ。
他にはマイケル・フランクスの「スリーピング・ジプシー」、ずっと以前だとアントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」なども彼のストリングス・サウンドだった。
そのオガーマンがこのリーダー・アルバム「GATE OF DREAMES」制作のために結成した臨時のオーケストラ・・・ここにいるメンバーがすごい。
マイケル・ブレッカー、ジョー・サンプル、デイヴィッド・サンボーン、ジョージ・ベンソン 他。 これにストリングスとリズム・セクションが加わったのだ。
そしてプロデュースは当時最も旬だったトミー・リピューマ 。
当時としては文句のつけようがない布陣である。
とりわけ印象的なオープニングをもつ#1「過ぎ行く秋part1」はピアニストとしてのオガーマンのプレイと深遠で高貴な香りのただようサウンド(ヴォイシング)がすごい。
(上のアルバム名の部分にリンクしたアマゾンのページからその一部が聴ける)
このアルバムと出合ったきっかけはFM番組だった。
一度聴いたら忘れられないような印象的なピアノによるモノローグ。
それに少しづつかぶさっていくストリングスの薫り高いハーモニー。
一聴して「な、なんだ、この曲は!」と思った。
これほど印象的な音楽の導入部は他にあるだろうか?
と、いまだに思っている。
このアルバムにおける<オーケストラ>とはジャズ・コンボ+弦楽合奏の形態だ。
弦はクラシックの香りを漂わせ、ジャズ隊はジャージーなアドリブプレイを熱演する。
このそれぞれの温度差をオガーマンは巧みに融合させ、競演させ、熱っぽく語らせ、深い沈静へといざなう。
お見事! オガーマン。
今でも時々このアルバムを聴いては「勉強」させてもらっている。
最近の彼は完全にクラシックの世界に入ってしまったようで残念だが、今現在彼のミラクル・サウンドに似たサウンドに出会えないのも、いかに彼が天才的アレンジャーだったかが分かる。
ジャズ隊の自由奔放なプレイが楽しい。
ストリングス隊のしっとり感が乾燥した心を癒す。
もしかしたら、今の時代にこそ最も必要な音楽なのかもしれない。
それを曲単位で紹介しているのがこのブログの[この曲が好き]シリーズだが、アルバム全体から、となると今回のような[アルバム・レビュー]からの紹介ということになる。
大げさな言い方だが告白をしよう。
僕の音楽的興味があらゆる方向に対して向かっていた一番元気だった頃(?)、僕はこの一枚のアルバムに出会ったのである。
そしてそのインパクトはこのアルバムに出会えなかったら僕の音楽趣向は変わっていただろうと思えるほどのものだった。
クラウス・オガーマン・オーケストラ 「夢の窓辺に(GATE OF DREAMES)」 (1977)
けっして大ヒットしたアルバムではないが、このアルバムのリーダーの名だけは、およそポピュラー音楽を楽しむ者にとってはぜひとも覚えておいてほしいのだ。
クラウス・オガーマン。
ポピュラー界最高のアレンジャー兼コンポーザーの一人。
これほど有能で奇跡的なサウンドを創造する<アレンジャー(もしくはコンポーザー)>はそうそういない。
僕が学校を卒業して音楽スタジオを経営し始めた頃に出会った多くのアルバムの中でも彼のアレンジャーとしての力量がいかんなく発揮されたアルバムがかなり多いことに驚いていた。
しかしそのほとんどがスタープレーヤーのアルバムにおけるアレンジャーとしての参加だったのだ。
彼のヴォイシング(音の重ね方、和音の作り方、とかいった技術)はもう奇跡といっていい。日本のトップアレンジャー、例えば、前田憲男などは彼に学んだというし、その技術を盗んだとも言う。
そんな彼の才能に僕が感心していた時、彼は自分で作曲しアレンジし、それを自分が編成したスタープレーヤーをメンバーとするオーケストラで演奏するこのオリジナル・アルバムを制作したわけだ。(彼の数少ないリーダー・アルバムともいえる)
時代は「クロスオーバー」と呼ばれたジャズやロックやクラシックの要素を取り入れた音楽からさらに進化した「フュージョン」というたくさんのジャンルの融合音楽がもてはやされた頃だ。
だれでも知っているジョージ・ベンソンの「ブリージン」のサウンドはオガーマンなくしては語れないほどだ。また、マイケル・ブレッカーの「シティスケイプ」も極上のオガーマン・サウンドの洪水だ。
他にはマイケル・フランクスの「スリーピング・ジプシー」、ずっと以前だとアントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」なども彼のストリングス・サウンドだった。
そのオガーマンがこのリーダー・アルバム「GATE OF DREAMES」制作のために結成した臨時のオーケストラ・・・ここにいるメンバーがすごい。
マイケル・ブレッカー、ジョー・サンプル、デイヴィッド・サンボーン、ジョージ・ベンソン 他。 これにストリングスとリズム・セクションが加わったのだ。
そしてプロデュースは当時最も旬だったトミー・リピューマ 。
当時としては文句のつけようがない布陣である。
とりわけ印象的なオープニングをもつ#1「過ぎ行く秋part1」はピアニストとしてのオガーマンのプレイと深遠で高貴な香りのただようサウンド(ヴォイシング)がすごい。
(上のアルバム名の部分にリンクしたアマゾンのページからその一部が聴ける)
このアルバムと出合ったきっかけはFM番組だった。
一度聴いたら忘れられないような印象的なピアノによるモノローグ。
それに少しづつかぶさっていくストリングスの薫り高いハーモニー。
一聴して「な、なんだ、この曲は!」と思った。
これほど印象的な音楽の導入部は他にあるだろうか?
と、いまだに思っている。
このアルバムにおける<オーケストラ>とはジャズ・コンボ+弦楽合奏の形態だ。
弦はクラシックの香りを漂わせ、ジャズ隊はジャージーなアドリブプレイを熱演する。
このそれぞれの温度差をオガーマンは巧みに融合させ、競演させ、熱っぽく語らせ、深い沈静へといざなう。
お見事! オガーマン。
今でも時々このアルバムを聴いては「勉強」させてもらっている。
最近の彼は完全にクラシックの世界に入ってしまったようで残念だが、今現在彼のミラクル・サウンドに似たサウンドに出会えないのも、いかに彼が天才的アレンジャーだったかが分かる。
ジャズ隊の自由奔放なプレイが楽しい。
ストリングス隊のしっとり感が乾燥した心を癒す。
もしかしたら、今の時代にこそ最も必要な音楽なのかもしれない。
何とも爽やかな気分になるよ。
今日は朝からそんな天気だね!いい事がありますように・・・!
かなり以前からこのアルバムが好きだと言ってくれてたよね。
オープニングの印象的なピアノとストリングスの響き。
他に類が無いと言い切れるよね。
70年後半から80年頃、音楽も今よりもっと贅沢だったし、余裕みたいなものや遊び心がたくさんあったよね。
いい時代だった。
今でも時々棚から取り出しては聴いているこのアルバムのことを書かせてもらった記事に素敵なコメントを頂き、大変うれしかったです。
おっしゃるとおりこのアルバムは魔法の音楽ですね。
ありがとうございました!