バンマスの独り言 (igakun-bass)

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この曲が好き! vol. 6  「六月の詩」

2007年06月03日 | この曲が好き!
今まで聴いてきた膨大な音楽の中でも特に大好きでかつ思い出深く、そして自分の音楽スタイルやライフ・スタイルに少なからず影響を与えた曲を一曲づつ紹介していくシリーズの6回目です。


今日の曲
カルメン・マキ&OZ 「六月の詩」

待ってました、6月!
みなさんはどう思うか分りませんが、僕は6月という時期(季節)がけっこう好きなんです。春や秋の過ごし易さはやはり最高だとは思うのですがその次は絶対に6月なのです。
うっとうしい梅雨の始まりもありますが、まだそう暑くもないそよ風はそぞろ歩きにぴったりですし、草木のむせかえるような生命力は春の「命の復活」とは違う成長期のパワーを感じます。

さて前置きはこれくらいで・・・。

カルメン・マキ&OZのデビュー作(1975年)である「カルメン・マキ&OZ」はそれを聴いた日からいきなり大ファンになってしまった日本のロック史上、燦然と輝く大傑作アルバムでした。

まだアナログ時代・・・LPを買ってきて針を下ろした瞬間、ヤマハのエレピの硬質な打音と共に滑り込むようにして入ってくるマキの芯のある声。このイントロだけでもうそれまでの日本のロックにはなかった何か新鮮なものを感じたものでした。

この記念すべきデビュー・アルバムの1曲目が「六月の詩」。
アルバムには「私は風」という彼らの最大のヒット曲が入っているのですが、そのすばらしさは認めるにしても僕はやはりこのオープニングの曲が好きなんです。

 ♪夏を待つ都会の静けさ 渦を巻く憂鬱な気分♪ 

しずかに降りしきる霧雨のようなウエットな空気感と冷めた余韻。
何の迷いも無く弾かれる中間部のギターソロの流れるようなフレーズ。歌詞もなかなか叙情的でその美しい響きに感心させられます。



と同時に重要なのは彼らは正統的な「日本語のロック」であるという点です。
このころ生まれたての日本のロック界?は英語派と日本語派に大きく分かれていました。
ロックという音楽はそもそも欧米の音楽なので、そういう世界の人々にも認知されるためには歌詞は英語でなくてはならないという内田裕也一派というのが存在していて、へたでも発音がひどくてもいいからロックは英語で歌え~と主張してましたね。

確かにその考えは一理あるけども、あまりにもひどい発音の英語歌詞を歌うバンドに閉口したこともかなり度々(ホント言うとほとんど全て)ありました。
その点、カルメン・マキは自身がハーフでありながらもきれいな日本語で叙情あふれる歌詞をその巧みな歌唱力で歌っていたのです。

今でも思いますが歌詞がどんな言語だろうと、きれいな発音、意味のある内容、それに歌唱力で競うべきで、英語がいい日本語がいい、などという低レベルでこれを論じて欲しくないと考えます。



ではこの曲を聴いて僕が影響を受けた部分は何かというと、ロックの持つパワーをあからさまに出すことなく、感情を抑えながら温度の低い音楽を形成している点です。
この音楽と同時期の欧米のロックとを比較すれば、日本人のもつ独特の控えめな表現手法が際立って感じられます。
熱くシャウトするのもよし、弾きまくるもよし、ですがこの時期の日本のロック黎明期には今なんかよりずっと存在感のあるいいロックが生れていた事を再認識すべきといつも考えています。

さてこのOZというバンドはその後も少しずつ燃焼度を上げた曲作り、アルバム作りをしていきましたが、曲はいいものをたくさん生み出したにもかかわらず、このアルバムの収録後に途中加入した川上なんとかという、およそ下品で絞まりの無いベーシストによって初期のあの叙情性や抑制された表現が壊滅的に破壊されたのが返す返すも残念でなりません。

長い間ベースを弾いている僕ですが、彼を聴いてベースがやっていいこと、悪いことの区別はしっかりと身に付けました。

OZはプロとして活躍したわけですから、それを聴いていたファンとしての僕は彼らからいろいろと学び取ることができたわけです。
でもその半分は反面教師としての彼らからだったのですが・・・。

さぁ、路地を歩くとその片隅からクチナシの香りが漂ってくるすてきな時期になりました。青い空にポッカリと浮かぶ積雲がのどかです。
半月もするとそんな真っ白な雲が集まり始め、グレーの乱層雲や巨大な積乱雲に変化するようになると日本の梅雨が始まるのです。

そうすると僕はまた「六月の詩」を聴きたくなるのです。


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2 コメント

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ク~! (再びリーマン)
2007-06-04 23:25:13
出たねぇ!!カルメン・マキ!

たしかにこの曲がオープニングなんだよね。あまり無いパターンだと思うけど・・・・。
なぜかOZは「私は風」「午前1時のスケッチ」のアップテンポのナンバーもいいけど,
この曲とか「image song」,閉ざされた町の入ってる「火の鳥」とかのゆったりとして,それでいて力強い曲がいいよね!

後楽園球場のライヴ。今からしてみれば良き思い出のひとつだなぁ。

ところで,SHADESには6月生まれが2人いますよ~!
コメント、サンクス! (igakun-bass@発行人)
2007-06-06 14:02:26
>リーマン・ドラマーさま

お誕生日おめでとう! ってまだか。

マキオズは日本語ロックの代表選手よ!
日本語だってロックになるんだぞ、って立派に証明してみせたね。

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