美術日記-PAINTWEBLOG

美術鑑賞日記から作品展示などの活動日記まで色々書きます。

フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

2007-12-18 23:17:50 | 美術日記
国立新美術館開館記念 アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
を観に行ってきました。
やたらと長い名前です。
この展覧会はとても話題になっていました。
土日に行くとなると相当混むだろうと思ったので、
平日の昼間に行くことはできないとしても、
せめて少しでも良い環境で観られるようにと、
金曜日の夜に行ってきました。
金曜の夜は20時くらいまで開館している美術館が多いです。
話題の展覧会は土日に行くと1時間待ちになることもしばしばありますが、
金曜の夜は結構空いています。
この展覧会も平日に行くと大変そうでしたが、
狙い通り比較的ゆっくりと観ることができました。

フェルメールといえば巨匠の中の巨匠です。
しかも現存する作品はわずか40点もありません。
その貴重な作品のうち、代表作とも言える「牛乳を注ぐ女」が来るのだから、
観なければ絶対に後悔していたことでしょう。
印刷では出せないフェルメールならではの美しい青を観て、
満足して帰ってきました。

フェルメールはもちろんでしたが、他の作品も良かったです。
元々オランダ絵画が大好きなので、
フェルメールがなくても十分楽しめるくらいでした。
さすが国立新美術館。
美術館の使命を忘れて華やかな仕事だけを掠め取っただけあります。
展覧会にすごい金をかけていますね。
ちなみに国立新「美術館」とは名ばかりで、
ここは所蔵作品がありません。
美術館の役割とは作品の発表の場というイメージがありますが、
作品を所蔵して保護することや研究することもその役割となっています。
地方の美術館では地元の画家の作品をコレクションしている所などもありますが、
そういった美術館がその画家の研究を容易にしてくれます。
国立新美術館は国立のくせに、地道な裏方の仕事は忘れて、
企画展と公募団体の発表の場としてのみ機能しています。

これぞ民営化。
もちろん国立新美術館は民営化されていないのですが。
世間では民営化することが正しいことのような風潮ですが、
利益を追求することが全てにおいて正しいわけではありません。
赤字が出ても社会に貢献することも大切です。
それは民間ではできないことでもあるから
資金源を税収でまかなう国がやる必要があります。
それなのに全てを金勘定で考えるというのは無理があります。
美術館が独立行政法人になり、
ますます金にならない分野は衰退していきます。
これからの日本の美術はどうなっていくのでしょうか。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
へ~ (きりん)
2007-12-19 01:01:40
六本木でバイトしてるのにまだ行ってないんだよね。
美術館そのものもかなりデザインされてるんだよね?
返信する
こちらでは初めまして。 (a-do)
2007-12-19 20:05:38
「フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展」を
観にいかれたのですね。
私も観ましたが、とにかく残された作品枚数が
少ない巨匠ですから、1点といえ国内で鑑賞
出来たのは嬉しい機会と言えます。
また、フェルメール同年代周辺のオランダ絵画は
充実していて非常に楽しめました。

国立新美術館の美術館としての機能面は、
開館当初は勿論、各公募美術団体への事前説明会
でも、参加された方々や、その概要を知る
美術関係者でもかなり話題になりました。
世界的にも、国営としてコレクションを持たない
美術館というのは、確かに疑問が残るところでも
ありますね。
返信する
遅くなりました ()
2007-12-26 23:52:17
>きりん
まだ六本木でバイトしてたんだ?
こんなこと書いたけど結構いいところだよー(笑)
デザインはあの黒川紀章だよ。
急に話題になったと思ったらあっという間に亡くなっちゃった。
何かを悟ったから新しいことをしようと思ったのかな?

>a-doさん
書き込みありがとうございます(^^)
フェルメールはいいですね。とても好きです。
特にオランダ絵画が好きなので。
フェルメールも良かったのですが、他の作品も良いのが来ていて見ごたえありました。

世の中全てが金中心に考えると、
ずいぶん寂しいことになってしまいます。
国営なのに社会に貢献しないのは疑問を感じます。
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